多くの経営者たちは売上・利益が上がらないなか、常に最大限の努力をしています。しかし、努力をしたからといって結果が出るかというのは全く別の話です。
日本人の場合は努力をすること自体が美徳と捉えており、楽して収益を上げる、楽して結果を出すことに対して抵抗があるようです。楽をするという表現には少し語弊があるかもしれませんが、少ない労力で最大限の結果を得るための正しい行動をとるという意味です。
上手くいかないやり方でいくら努力をし続けても上手くいきません。それは無理やりあなたのチカラで何とかしているだけであって、あなたがいなくなったり出来る従業員がいなくなると、一気に崩壊してしまいます。
どうしても上手くいかない場合は、More(もっと)よりChange(変える)が重要になります。
1.乗り物自体を変える
一番大きな変化はあなたが現在 乗っている乗り物。すなわちビジネス自体を変えるということです。和食の飲食店を経営しているのであれば、物流業に変えたり、アパレル業に変えるという思い切った変化の事です。
もちろん変える場合は、時流に合わせ、商圏に合わせた戦略で変えなければいけません。飲食業を営んでいて、銀座にちょっと高めのブティックをオープンしたとしても老舗やファストファッションに負けてしまいます。
しかし、あなたが現在 ビジネスをしているエリアが飲食店ばかりで、洋服屋がすくなく、流行にも遅いようであれば、飲食業から新しいアパレル業に変更したほうが結果が出やすくなります。
2.業態を変える
業態とはその職種の中でのカテゴリーになります。飲食業だったら和食・中華・イタリアンといった具合です。
あなたが和食のシェフだったとしても、お客が求めているものが中華だったら中華を作らなければいけません。この時に意識しなければいけないのは、時流に合わせたお客が欲しいものを提供するということです。
3.TPOSに合わせて売り物を変える
私たちが提供しているのは、お客のライフスタイルへの貢献です。お客のニッチな欲求だけを満たすのではなく、ある特定のライフスタイルに向けた商品・サービスの提案をしなければいけません。
例えば、
異性にもてる魅力的な30代の男性になりたいという場合、販売するのは腹筋のダイエット プログラムだけではありません。もちろんプロテインや脂肪を落とすための食事として野菜セットのデリバリー。またはファッションコーディネートまで提案することが出来ます。
あなたが販売しているのは商品・サービスではなく、ライフスタイルです。あなたの商品・サービスだけを売るのではなく、そのライフスタイルを満たすための商品ラインナップをそろえましょう。
4.提供方法を変える
もしあなたが現在インターネットだけで商品・サービスを売っている。またはリアル店舗だけで販売をしているというのであれば、複数の提供方法でお客に提案しましょう。
ジャパネットタカタはその昔は小さなカメラ屋さんでした。それがラジオで売るようになり、そしてテレビで売るようになったのです。
ライバルに圧勝するには時流に合わせて提供方法も変えていかなければいけません。
現在はインターネットでの販売に注目が集められていますが、そのマーケットでリアルで販売されていないのであれば、お客の需要を確認して出店したり、DMを出したり、もっとリアルでお客に会う場所を作る手法も有効です。
1つの提供方法にとらわれず、お客が困っていることに対してそれを満たすような工夫をしましょう。
5. 販売地域を変える
もしあなたが販売している商品・サービスが住宅のリフォームとして、出店場所が新興住宅地がある地域だとしたら、売るのは難しいでしょう。
このようなケースは普通に考えると移動すべきだとわかるのですが、経営者にとって、出身地だとか、思い出の場所だとかというこだわりの為、正しい判断が出来ていない場合が多々あります。
リフォームサービスを販売する場合、出店しなければいけないのは古民家が集まっている地域です。また提供するものも家のリフォームだけでなく、収納の提案など、お客が欲しいものを提供すべきです。
上記した提供方法でもありますが、インターネットだけで販売している場合、ある地域ではリアルで販売するほうが効果があります。アパレルをネットで売るのではなく、支持人口が集まりやすく、コストがかからない地域をリサーチし、販売する場所をネットからリアルに変える手法も有効です。
6. 販売層を広げる
マーケティングでは頻繁にニッチ市場を選べと言われたりもします。マーケティングセグメンテーションで市場を絞り込んでライバルとの競争を避けることが出来、売りやすくなるからです。
しかし、多くの場合 セグメントの意味を間違って解釈しているようです。セグメントとは絞り込みではありません。お客の層であり、上述したライフスタイルの事です。
このお客のライフスタイルで、お客が欲しいけれども満たされていないがら空きのマーケットが必ずあり、そのマーケットでよりeveryday(毎日), everybody(皆)が使う商品を販売するのが正しいマーケティングセグメンテーションです。
例えば、
吉野家は牛丼ではなく「280円で食べられる昼食」を提供しています。セブンイレブンは近くで、すぐに、気軽に行ける小売り店としてサービスを提供しています。
※セブンイレブンの品ぞろえはスーパーマーケットに比べると少なく、また価格も高いにも関わらず、子供からお年寄りまで、お客にとって超便利な小売りとして展開しています。
7. マーチャンダイジング
2日目の講義で説明した、「入り値主義」でお客の欲しい価格を決めてから原価を決めるという方法についてご説明しました。この入り値主義を実現するためには、今まで通りのやり方では上手くいかないでしょう。
お客が欲しい価格で売るための、原価を決める為に・・
・仕入れ先を変える
・原料を変える
・物流を変える
・梱包方法を変える
・提供方法を変える
・立地を変える
など
今回のテーマで何度もお伝えしている「変える」という方法を取らなければいけません。今のままで売れない、売価も下げられないというのであれば、とにかく変えるということを意識してみましょう。
まとめ
いきなり大きな事を変えるのは簡単ではありません。まず変えられるものをリストアップして一つずつ変えていきます。
そして、この時のポイントは2日目のFor the customerの考えをしっかりと身に着けたうえで、上手くいっている業種・業態をマネして変えます。ライバルではなく、異業種で大丈夫です。
多くの場合、経営者がオリジナリティを出してしまったがために、上手くいかないのです。上手くいっている企業を上手く真似ればいいんです。
このチェンジを実践するために、必要なのは情報収集です。自社の何が悪く、上手くいっている企業のどこがどううまくいっているかについて知るためにはリサーチをしなければいけません。そのリサーチについて明日は「勝てる戦を見極めろ!絶対不可欠なリサーチの3つの項目」についてご説明します。