どれだけ良い商品であっても、その価値が伝わらなくては、良い商品だと思ってもらえません。コピーの内容次第では、宝の持ち腐れになってしまう可能性すらあるのです。セールスコピーを改良したことで売上が10倍以上になった、なんてことも実際に起こります。
今回はそのようなセールスコピーの作り方という内容です。セールスコピーライティングスキルは、チラシ、DM、カタログ、ホームページ、ブログ、メルマガ、ランディングページ、セールスレターなど、ほぼ全ての営業・販促シーンで活用できます。
今回はこのセールスコピーとはどんなものか、その作り方、活用の仕方、特に、セールスレターを例に挙げて説明していきます。セールスレターの仕組みには、セールスコピーのイロハが詰まっていますので、別の用途においても応用することができます。
ライティング・ライターというと、秀でた才能を持った方の専門職のように考える方もいるようですが、そんなことはありません。やる気さえあれば、あなたもセールスコピーを書くことができます。なぜなら、感性や才能に関係なく、今日では誰にでも実践できるノウハウが確立されているからです。
しっかりと基礎を学べば、すぐに応用できることばかりですので、ぜひ早々に身につけておきましょう。
1.セールスコピーの位置づけ
ちまたで溢れている商品やサービスの紹介文章は、スペックや特徴を列挙したものが非常に多いです。細かな数字や専門用語が並べられている場合もあります。
しかし、お客はそんなことはどうでもいいのです。お客にとって大事なことは、自分が使ったらどうなるのか、どんな欲求を満たしてくれるのか、どんな悩みを解決してくれるのか、ということです。
それを的確にお客に伝えるのがセールスコピーです。商品やサービスの本来の価値を伝え、疑問を解決し、購買につなげます。
しかし、コピーは万能ではありません。前提として、ニーズがある商品だから、売れるのです。粗悪品をコピーでごまかして、何とか売りつけようというのは大きな間違いです。
前回までのメールでも述べていますが、まずは、お客の目線で求められる商品、価格、提供方法などを見直すことが重要です。そのうえで、セールスコピーライティングのノウハウを取り入れることで、さらなる売上アップが見込めるのです。
2.リサーチの精度=コピーの精度
プロのライターといえば、パソコンの前に座れば素晴らしい文章が次々と浮かんでくる特殊能力者、というイメージをお持ちの方も多いようです。もしもあなたが、小説や脚本を手掛けるなら、そういった能力が必要かもしれません。
しかし、セールスコピーに関してはほとんどがそうではありません。念入りにリサーチをして、拝借できそうなアイディアを集め、徹底的に準備をすることで大半の材料がそろいます。
つまり、想像力を働かせるのではなく、コピーのパーツをあらかじめ用意しておいて、あとは組み合わせることでコピーを作るのです。
考え方としては、クリエイティブではなく、コネクティブな作業であると言えます。徹底したリサーチでパーツのネタを集めておき、組み合わせるのです。何もないところから生み出す必要はありませんし、そうするべきではありません。
嘘偽りのないセールスコピーの内容は、ほとんどが既にどこかに書かれている内容の組み合わせです。もしも、何を書けばいいかわからなくなったとしたら、リサーチ不足を疑った方がいいでしょう。
3.セールスレターを活用する
セールスレターを直訳すると「Sales=販売」「Letter=手紙」、つまり何かを販売するための手紙です。実際にはもう少し大きなくくりで、何かを販売するための手紙風の文章全般をさす場合が多くなっています。
つまり、手紙の場合もあれば、ホームページに載っている場合もあります。セールスレターを書く技術は心理学をベースにしており、コピーライティングスキルを活用しているのです。
セールスレターが多く使われているのは
・ランディングページ(商品やサービスの販売ページ)
・ハガキ型ダイレクトメール
・ファックスダイレクトメール
・メールマガジン
・ニュースレター
などです。
あなたも何度か目にしたことがあると思います。特にインターネットで、長文になっており最後に購入へのボタンがあるようなものは、セールスレターです。意識してみると、結構身近にもあるのではないでしょうか。
セールスレター先進国はアメリカで、和訳の著書もたくさんあります。日本で有名なのは「神田昌典」という方で、数々の出版もされています。セールスレターを効果的に活用し、ときには10万円を超えるセミナーをセールスレターのみで完売するほど。経営コンサルタントとしても活躍され、セールスレターを日本に普及させたとも言われています。
a.セールスレターの効果
ジュースやコーヒーのように自動販売機で売れるもの以外は、セールスをする際には何らかの説明が必要になります。商品の説明、素材の説明、使い方の説明、メリットやデメリットの説明などなど。以前はこれらの説明を営業マンが行っていました。
広告といえば新聞や雑誌、テレビやラジオなど巨額の広告費を使える大手企業に限られていました。しかも一方的なイメージ広告にすぎず、テストマーケティングもできないという、小規模事業者には縁遠いものだったのです。
近年インターネットの普及や通信手段の発達にともない、DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)という双方向で顧客にもアクションを起こしてもらう手法が可能になりました。そしてコピーライティングスキルの確立により、あたかもセールスマンが営業するのと同じように、商品・サービスを営業することができるようになったのです。
セールスレターは思い立ったらすぐに作成でき、少額の費用でテストマーケティングが実施でき、修正が何度もでき、量産が容易であるというスグレモノです。つまりはセールスレターを活用することによって、あなた以外に優れた営業マンを雇っているのと同等、もしくはそれ以上の売上を効率よく作り出すことが可能なのです。
b. AIDAの法則
具体的にセールスレターを書いていくテクニックとして、人間心理を法則化したものを覚えておくと、非常に便利です。提唱されている法則はいくつか存在しますが、全部おさえる必要はありません。まずは『AIDAの法則』というもので十分ですので覚えておきましょう。
『AIDA(アイーダ)の法則』
1898年にセント・エルモ・ルイスが発明した、人間が購買するまでの心理モデルです。
人は、 Attention(注意) Interest(興味) Desire(欲求) Action(行動) のプロセスに従って商品を買うというものです。
Attention(注意)
まずは何かに注意を引かれる。
Interest(興味)
注意を引かれたものに興味がわく。話を聞きたくなったり、説明を聞きたくなったりする。
Desire(欲求)
興味がわいたものに関して、物語などの話を聞かされ、欲しくなる。買いたくなる。
Action(行動)
具体的にお金を払う。購入する。予約する。などの行動に出る。
つまり、セールスレターの構成を考える際、このAIDAの法則を取り入れておけば、大きく間違ったものにはならないということです。
c. セールスレターの構成パーツ
セールスレターを書いていくにあたって、リサーチで集めた材料を組み合わせることは前述しました。ではどのように組み合わせればいいのか、セールスレターを構成パーツに分けて埋めていきましょう。イメージしやすいように、AIDAの法則にも絡めて紹介します。
1.ヘッドライン・・・Attention(注意を引く)
冒頭:見出し
プリヘッド:装飾
サブヘッドライン:中央寄せなどの小見出し
2.リード(オープニング)・・・Interest(興味・関心を持ってもらう)
問題提起
3.ボディ(コピー)・・・Desire(欲求を高める)
ストーリー:物語
コンテンツ:価値のある情報
ブレット:箇条書き・リスト
証拠:お客様の声・デモンストレーション
4.クロージング・・・Action(行動してもらう)
買わなければいけない理由
価格
オファー
ボーナス
保証
PS:追伸
最終的には構成パーツはどれも大事なのですが、
特に意識しなければいけない部分を2つお伝えします。
つまり、
1.ヘッドライン・・・Attention(注意を引く)
2.リード(オープニング)・・・Interest(興味・関心を持ってもらう)
が非常に重要です。
理由は、最後まで読んでもらうことが大事なので、冒頭で飽きられてしまうと絶対に売れないからです。多くの時間を費やし、何パターンも候補を出します。冒頭のキャッチコピーなんかは、50個くらいアイディアを挙げると良いでしょう。
オファー=条件提示ですが、最終的にはオファーが購買の決め手になります。魅力のないオファーを、コピーでカバーすることはできません。しかし、ショボいコピーを、強力なオファーで決めてしまうことは可能です。
リサーチ、コンセプト、オファーが間違っていなければ、告知さえすれば売れる商品・サービスとなります。売れ行きが良くないとき、コピーを変えるよりもオファーを見直す方が成果につながることが多いです。
まとめ
リサーチと同じように、セールスレター・セールスコピーを書くということも、細かく分けて考えると、全て作業レベルの積み重ねであることがお分かりいただけたかと思います。
さらに各パートを説明するとコピーライティングだけで相当なボリュームになるので、詳しくはコピーライティング初級者マニュアル(Ebook) にまとめてあります。