新規マーケット

中小企業がどのように新規参入する市場で勝ち残っていくのか。私はタイに来てもうすぐ3年が経とうとしています。タイに初めて来た時は物流業者としてタイという市場に飛び込んでいくところから始まりました。

タイでは日系企業の工場が約5,000社ほど進出しているとの事で、お客は沢山います。それと同時に沢山の競合もいます。その沢山の競合の中で後発も後発な私がシェアを取っていくにはマーケティングを駆使する必要がありました。

マーケティングが差をつける

新規参入する中小企業にはマネージメントとか財務とかよりも、マーケティングとセールスがとても重要になって来ます。

「マーケティング」については色んな概念があり、一言でいうのは難しいのですが 個人的に最もしっくりくる定義づけはピータードラッガーの優れたマーケティングはセールスを不要にすると言うものです。

このドラッガーの定義づけのように、いかにしてセールスを不要にするかを考えると色んな道が見えて来ます。

勝てるところだけで戦う

当然ですが市場で勝ち残るには何も考えずに闇雲に戦っていてはダメです。日本でうまく行ったからといって、日本のやり方をそのまま海外や他のマーケットに持ち込んで失敗する企業は少なくありません。

そうではなくて、情報を集め・分析し、自社が勝てるところだけで勝負をする。その際に考えるのが・・

・市場のニーズ
・自社の強み
・ライバルの弱み

この3つですね。この3つがマッチした時は勝ちやすい状況が出来上がっています。このバランスを無視して、自社の強みだけを見たり、市場のニーズだけを見ていたら、大手企業や中小のライバル企業に負けてしまいます

よくある海外の日系企業の間違い

例えば、タイにある日系企業の場合。市場にニーズがあり、日系企業のライバルが多数いる場合、「日系企業」というだけでは強みにはなりません。

多くの中小企業はそこに「信用」とか「営業努力」とかフワッとしたものを入れて差別化をしているつもりになりますが、それは何の差別化にもなりません。信用や営業努力があるというのは当たり前の事。

そうではなくて、お客の為になる「明確な違い」を経営戦略として、準備をしていなければ、勝てないところ・勝ちにくいところで戦う事になります。

勝てる相手とだけ戦う

大人が小学生1年生を相手に相撲をしたら100%勝てるように、勝てる相手とだけ戦うのもも経営戦略の一つです。

例えば、副業で盛り上がっているある市場があったとします。副業でやっているのは主婦やサラリーマン。企業であればそこに人や資金をつぎ込んだら、容易に勝てるでしょう。

安売り合戦にもなりません。売れる商品・サービスが分かり、お客を掴む。そしてコストを下げる仕組みを作り、ライバル達が追いつけないほどの価格で売れば 絶対に勝てます。

古い慣習を捨てる

上述した通り、日本の企業は自分たちは〇〇だからと決めてしまいがちで、昔からやっている事をそのまま持ち込もうとします。その業界でトップであれば、別のマーケットに行っても勝てる可能性はあるのですが、そうでない場合は戦う場所を考えないと 生き残る事は出来ません。

孫子に「彼を知り己を知れば百戦危うからず」とあるように、自社だけを知るのではなく、「ライバル・市場」についても情報を掴んで正しい判断を出来るようにならないといけません。

ライバルに知られてはいけない

そしてここが重要なのですが、その市場でトップになるまではその情報を出来るだけクローズにする事。最初から市場で目立ってはダメです。なぜならライバルに簡単に真似されるから。

特殊な技術・特許で守られているノウハウなら別ですが、そうない場合はライバルもそれを真似てきます。新規参入の場合、ライバルが追いつけない程に前に進むまでは静かにシェアを取りにき、ライバルが気づいた時には「これは勝てないという状況」に組み立てていかなければいけません。

選ぶのはお客である

上述している内容はいささか攻撃的で、知っているけれども出来ていないという企業は多いと思います。「卑怯ではないか」と思われるかもしれませんが それは間違いです。「お客」の為ではなく、古い慣習や企業間の関係だけに執着している企業は少なくありません。

選ぶのは「お客」です

ライバルより素晴らしい商品・サービスを提供するのですから、勝ち残るというのはとても大切な事です。この考えを変えられない限りはずっと「古いしがらみ」に囚われ成長はありません。「お客」の為に、また「お客のお客」の為に自社が存在しているのです

まとめ

新規市場に参入し、勝ち残っていくにはマーケティングが必須です。あなたが勝てば 必ず負ける所が出て来ます。それはあなたの企業努力であり、常に成長していく為、お客の為でもあります。だから自信を持って自社の商品・サービスを展開していけば良いと強く思います。