タイの現地採用と駐在の違いを紹介!給料・補助・仕事内容・責任など。現採が活躍出来る環境作りを考える。

日本人が海外にある日系企業で働くには現地採用と駐在員というものに別れます。そして私が初めてタイで働き始めたときは現地採用でした。

働き始める前はそもそも現地採用(以降:現採)というものがよく分かっていなかったのですが、タイで働き始めて2ヶ月くらい経つと現採と駐在ってかなり違うぞと分かり始めました。

タイの現地採用と駐在の違いについて

今回はタイでバリバリ働きたい!という人の為に、駐在員と現採には違いがある事を知ってもらって(私は知らなかったので。。)、その上で現採 経験者の私による「現採寄りの考え」をお話ししていきます。

タイの駐在員について

まずは駐在員から。駐在員とは日本の会社から派遣されてきたその会社の正社員です。日本の会社から指名されてタイに来るので、その待遇は一般的には以下のような感じになります。

タイで働く駐在員の待遇

給料

給料は日本と変わらないのですが、駐在手当というものが貰えるみたいです。具体的に幾らかは会社によって違うのだと思いますが。※私は駐在したことないので。。

多くの場合が日本とタイの口座の両方に振り込まれます。主にタイに振り込まれた分だけを使うみたいで(人による)、日本に振り込まれた金額は貯金しているという人が私の周りには多いです。



家賃補助

タイにはスクンビットやトンローという日本人街と呼ばれるような地域があり、そこの家賃は約4万・5万バーツ(約13.5万円、17.5万円くらい)から。

探せばもっと安い物件はありますが、会社がこの家賃を負担してくれるので誰も好き好んで不便な場所や古い所には止まりません。

もし家族が一緒に来ていたら広い家が必要になり、大体 100m2以上ある所に住んでいる印象があります。その家賃は7万バーツ(約24.5万円)くらいでしょうか。

広くて、ホテルみたいにキレイで、ジムやプールの質も高く、日本では中々住めないような所にタダで住むことが出来ます。


ドライバー

多くの場合がドライバーさんが付きます。運転手なんて日本では相当の好待遇でないとついてきませんよね。

ドライバーさんですが、土日も働いてくれる人も結構います。ゴルフやプライベートの買い物に付き合ってくれたり。

まだ自動車の自動運転の社会が来ていないので、このドライバーさんがいるといのは仕事や生活の場面でかなり助かります。



その他の特典

これは会社によりけりですが、日本への一時帰国が年間1回とか何回とか、会社の負担で出来ます。JAL、ANA、TGとかで往復 7万円くらいでしょうか。

タイに住んでいるといえど日本に全く帰らないというのは稀なので、この航空券の特典は家賃補助でないにしても、結構ありがたいものです。

駐在員の責任・仕事について

日本本社への報告義務

私の知り合いやお客さんから聞いている仕事の範囲ですが、やはり日本とのコンタクトが大切みたいです。

現場で働く駐在員からしたら何も現場を知らない日本の上役に口出しされたり、無駄な報告が面倒だという声も多々ありますが、これは仕方がないとの事です。

出張者のフルアテンド

会社規模によりけりですが、日本から出張者が頻繁に来る所もあります。タイを絡めた商売をしている部署が違う人たちをタイ側でサポートするのも大切な仕事なので、タイに出張者が来た時は付きっ切りになるそうな。

日中のお客訪問や会議だけでなく、夜も食事や出張者の夜遊びに付き合う感じです。

飯野飯野

これは睡眠時間が削られる苦行です。

任期がある

これも会社によりけりですが大体3〜5年スパンで駐在員は帰任します。長い人で12年くらい駐在をやっている人がいますが、かなりマレな例です。

日本から帰ってこいと言われたら帰る or 辞めるしかありません。喜んで日本に帰る人もいるし、タイが好きすぎて本当に会社を辞めちゃう人もいます。

タイの現地採用について

一方でタイで働く現採の待遇ですが以下のような感じです。

タイで働く現採の待遇

給料

日本人が働く最低給料が5万バーツ(約17.5万円)です。20代後半くらいだと平均の給料が6・7万バーツ(20万〜24.5万円)くらいでしょうか。

私が初めてタイに来た時が32歳でして、その時の給料が額面で8万バーツ(27.8万円)でした。ボーナスは会社によりけりですが、私の場合は1ヶ月分/年でした。

昇給はマックスが5%/年です。でも転職をすると20%くらい上がる場合もあるので、転職を繰り返して給料を上げていく人も結構います。今時の日本も同じかなと思います。



ドライバー

ドライバーはつけてもらえる場合とそうでない場合があります。9割くらいはドライバーなしの感じです。車を会社がリースで手配してくれる場合は結構あるみたい。

私が知っている現採でドライバーが付いているのは自分と45歳の人でタイ在住10年。その人だけです。恵まれている方だと思います。


任期がない

現採の大きな特徴として帰任がない事です。勤めている日系企業が倒産や撤退をしない限りその会社で働けるし、もしそうなったとしても別の会社で働く事が出来ます。

自分が帰ると決めるまでは帰国の任期はありません。

現採の責任・仕事について

これは会社の規模によりけりですが、駐在員がいる会社では駐在員とタイ人との間に入る感じです。より現場(タイ人達が働く場所)に近いのが現採の仕事の特徴です。

現採でも仕事に責任はもちろんあるのですが、駐在員がいる場合は日本からダイレクトで何かを言われるのは駐在員になります。とはいえ駐在員から何かを言われるのが現採ですが。

タイで働く駐在員と現採のガラスの壁

当初、現採と駐在の違いをよく分かっていなかった私が「あれ?変だぞ」と思い始めたのも、このガラスの壁と言われるものでした。

なんか「差」があるんですよね。当時、私としては意気揚々とタイに飛び込んで自分の仕事を全うしようと努力していたました。



しかし駐在員の人から変に上から目線で言われたり、他の会社の駐在員から「あ、飯野さん現採なんですね」っと小馬鹿にされるような言い方をされた時が何度かあります。


駐在員駐在員

あ、飯野さん現採なんですね〜ww。



本社の担当本社の担当

飯野さん現採なんだからそんなに頑張って仕事しないで良いですよ〜ww。



当時の私の心境です・・・

飯野飯野

給料のバカ高い駐在のテメーらに比べて、現採の俺がお前らより遥かに高い売り上げをゼロから叩き出しているのはどういう事だ!?このヤロー!?

まあ、今となっては生意気だったなとは思うのですが、当時は「こんなに頑張って、結果も駐在員より出してるのに、何故バカにされなきゃいかんのだ?」と常にイライラしていました。

現場でハイスペックなタイの現地採用

タイの日本人の現採は色んな人が色んな事情でタイで働いています。日本から逃げるように来た人もいるし、タイが好きでタイに移住したくて現採をしている人、単に東南アジアで生活がしたい人など。

語学ができる

このように外国で仕事をすると決めた人は語学に関しては、そこら辺の駐在員とはまず語学のレベルが違います。

駐在で英語すら話せない人は結構いる印象ですが、現採だと英語だけでなくタイ語もかなりペラペラな人もいます。

タイ人との協力精神

もちろん人によるのですが駐在員で、現場のタイ人がいうことを聞かない、タイの仕事文化が日本と違いすぎるために受け入れられないという人がいます。

日本の環境しか知らない人がタイに来るとこうなる場合があります。タイ人を下に見ちゃうんですよね。そして見下されたタイ人はそれをしっかりと察しています。


現採の人たちはかなり現場よりな考えというか、タイ人のノリに慣れている?耐性がある?こんなもんかなと?なんと表現していいか分からないですが、柔軟に対応をしています。

現採は海外で働きたいという人たちが多いので、タイ人と協力していくのも受け入れていると思っています。

そもそもタイで働かせてもらっている

私たちはタイでは現地の人たちのサポートがないと無力です。何も出来ません。そもそもだけど他の国で働かせてもらっているわけです。

その国の人達と協力出来ないのであれば、もの凄い失礼だと思うんです。

例えば、日本にある外資系の会社で欧米人のボスが全く日本人と協力しようとしない。常に上から目線で命令する。これってムカつきません?帰れよって私なら思う。

現地採用がより活躍出来る環境

駐在員は現地採用に比べるとコストが高い。3倍くらい違う。駐在手当、家賃補助、車のリース、ドライバーなどを入れたら年間1,000万円くらいのコストがかかっています。

一方で給料が現採は20代中盤・後半で6万バーツ(約20万円)+ ボーナス2ヶ月だとしても、年間280万円です。

良い現採を活躍させるメリット

もちろん能力の差はあるにしてもコストに対して3倍の結果の違いを出せている駐在員がどれだけいるだろうか?

ある程度の決められた仕事がある場合、ちょっと高い給料を現地採用に払って責任・意欲を持って仕事をしてもらう事がメリットがあるのではないか


日本でも終身雇用の概念は既に崩れています。日本から派遣した正社員を人材教育としたとしても辞められる可能性はゼロではありません。

現地で働きたい良い人材に投資をする。責任を持ってしっかり出来る人材に教育して、現地人と協力してもらい、日本側との連携も出来るようにする。

これ理想論でなく、中小企業とかならすぐに出来る事だと思うんですよね。だって現採は現地で働きたいからタイにいるんだし。嫌だけど指名されたからといって嫌々タイに来る駐在員より全然マシだと思います。

タイで働く現採の人たちへ

たまにいるのですが、「タイで仕事しても上手くいかないからベトナムに行きます、他の国に行きます。」

私は「タイで上手くいかない人が他の東南アジアの国に行っても上手くいくわけがない。」とキッパリ思います。



自分たちの収入や地位を向上させるのはやっぱり自分自身なのかなと。求められている役割を理解し、自分が出来る最大限の努力をする事がやはり大切なのかな。

まとめ

今回の記事はタイで活躍したい!バリバリ働きたい!という人向けに書きました。タイでのんびり暮らしたいという人は、それはその生き方でも全然問題ありません。

また駐在員を軽く批判するようにも書いていますが、駐在全部が悪いわけではありません。

タイ語を必死に覚えて現場のタイ人と物凄く濃厚なコミュニケーションをしていた人も知っています。

でも、一部の人たちに関しては??と思う時があり、それって意味ないじゃんと駐在システム自体に疑問を感じる時があるので今回の記事を書きました。

私自身としてはタイで働けてよかったと思っています。日本とは違うことや、意味不明な問題がここでは多発しますが、上述したようにタイで働かせてもらっているので、出来る限りタイ人と協力してこの国に貢献させてもらいたいと思うのです。

その為には現採の方がシステム的により現地への貢献度が高いのではないかと考えます。