もはや異文化コミュニケーション。男性と女性とのコミュニケーションにおいて、様々なすれ違いを実感したことがある人は多いのではないでしょうか。男性は自分の自慢話ばかりをして話を聞かない。女性は買い物に行ったらとにかく歩き回る。他にも男女の価値観・行動の違いのあるあるはジョークのネタにもなるほどです。
このように男女に違いがあるにも関わらず、あなたが自分の商品・サービスを売る為の文章を書くときに、男性向けと女性向けと同じように文章を書いていませんか?もしそうだとすると、せっかく書いた文章がどちらかには全く響いておらず 見込み客を逃がしている可能性があります。
今回は男性と女性の違いについて男性脳と女性脳の構造から着目し、それに対応する為にはどのような文章を書けばよいのかを具体的に説明したいと思います。これを知ることで男性と女性の両方を、響く文章を使って効率的に集客することができます。
1. 男性脳と女性脳の違い
出典:Penn Medicine, Philadelphia
アメリカ フィラデルフィアのペンシルバニア大学 医学大学院のPerlman教授とその研究チームが、男女における脳神経の接続違いを研究結果として発表しました。この研究では8歳ー22歳の男女、合計 949人(男性:521人、女性:428人)の脳をDITという測定技術を用いて脳信号の働きを測定したものです。その結果、男性は片側の脳の前後で接続するネットワークが多く見られたのに対し、女性は左右の脳を接続するネットワークとなっていることが明らかになりました。
この研究のように男性と女性では脳神経の動きに違いがあります。女性は右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)という場所の太さが、女性は男性よりも太いため、上記の図のように左脳と右脳が密接な働きをします。そのため女性は目の前で起こる変化や感情の変化に敏感になり、その変化が脳にスムーズに伝わるので、自分の気持ちが思考の基軸になります。
一方男性は変化には鈍感。女性の髪型やネイルなどの変化に気づくことが困難でよくトラブルになります。男性は、上記の図のように左脳と右脳を分けて使い、感情よりも理論的です。また情報処理能力や空間能力に優れており、物事をくっきりと整理し分けることができます。このように そもそもの脳の働きが違うため、男性と女性との行動と受け止め方には違いが生じてしまいます。
また東京学芸大学 三田教授らが、東京学芸大学と早稲田大学にて、男女の思考パターの違いについて実験しました。その結果が以下のようになったと発表されています。
男性への調査:男性脳タイプ:69%、女性脳タイプ:14%、その他:残り
女性への調査:女性脳タイプ:56%、男性脳タイプ:16%、その他:残り
(男女の思考パターンに違いはあるか?:男脳・女脳の分析。 著:三田 雅敏・伊藤 知佳・指宿 明星 2007年 5 月25日 参照)
この統計を見ると男性だから男性脳、女性だから女性脳とはっきりとは分かれませんが、やはり男女でそれぞれの性にあった思考のパターンに分かれていくようです。もちろん個人差があるということを最初にご理解願います。そして、これらの脳の違いは男女の価値観と それに基づく行動の違いにも表れています。
2. 男女の価値観・行動の違い
男性:目的重視 女性:プロセス重視
女性は目的達成までのプロセスを、一方 男性は目的を達成する事自体を重要視します。上記の買い物に行くときの男女の違いを表現した画像を見ると一目瞭然です。
男性は目的の服を買うために店に直行します。一方、女性は色んな店を見て回って目的のお店に行っても最終的に買わないという事もよくあります。女性は買い物自体を楽しんでおり、それぞれのお店ごとのかわいい服やアクセサリーを見て、買い物自体を楽しんでいます。
男性にとっては目的をいかに早く、上手く達成するかが非常に重要です。どれだけプロセスが良くても目的を達成する事ができなけば無意味と感じます。例えば、仕事においてどれだけ同僚や上司と上手くコミュニケーションをスムーズにとってプロジェクト獲得に挑んだけれど、最終的に競合に負けてしまえば満足する事はできません。
男性:単独意識 女性:共感意識
一般的に人間には帰属欲求という何かに属していたいという欲求があります。しかし男性は女性よりも単独で行動しがちです。一匹狼という言葉が主に男性に使われる理由でもあります。一方 女性は帰属欲求に加えて、他者と共有・共感したいという欲求を本能的に持っています。人と意見を交換し、人とのつながりを確認する事で喜びを感じます。
Facebookなどで圧倒的ないいね!を得ているのも女性だったりします。男性に比べて共感、共有する事が得意な女性ですので、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアでは強みを発揮しています。
男性:論理的 女性:感情的
男女のコミュニケーションにおいて、ここが頻繁にすれ違いが起こるところではないでしょうか。男性の脳は論理的に分析する事に優れ、情報を整理整頓する事に長けています。一方、女性の脳は、創造性,芸術性が豊かな一方,直感や感覚でものごとを判断するタイプと言われています。
また男性はシングルタスクで女性はマルチタスクとも言われております。会話の途中でも複数の事を考えられる女性に対して、男性は1つのことしか考えられません。これはそれぞれの脳の構造によるものなので、どちらが優れているというものではありませんが、違いを理解しなければいけません。女性が会話中に感情的になるのも会話中に言語中枢以外の機能が働いているからです。
男性:いつまでも夢を追いかける 女性:現実的なメリットを必要とする
これも男女間のあるあるです。夢を語る男性と、もっと現実を見ろという女性。古くから男性が狩猟、女性が家を守るというライフスタイルから本能的に私たちの本能にインプットされてきたことなのか、いつまで経っても男性は自らの成功を追い求めがちです。反対に女性は手に入らない大きなモノより、より身近で現実的なモノを選ぶ傾向があります。
男性が求めているものは仕事の成功、自信で達成したいことに対し、女性は現実よりちょっと背伸びしたマイホームや温かい家庭であったりします。
3. 具体的なコピーの書き方
上記の男性脳と女性脳の違いを踏まえ上でどのようなコピーを書けばそれぞれに響くのか。以下のキャッチコピーで、響く言葉、シーン、ニュアンスの違いを紹介します。
男性脳に向けたキャッチコピー
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男性向けのキャッチコピーに関しては、主にダイレクトレスポンス型のキャッチコピーが有効です。キャッチコピーを見るだけで、得られるメリットが想像できますし、数字も入っていて論理的な要素もあります。
女性脳に向けたキャッチコピー
女性向けのキャッチコピーについては、上記の女性脳の構造、また一般的に女性用の商品のキャッチコピーを見ている限り 男性向けのものとは若干異なります。比べてみるとその違いが見えてきます。どちらがより女性脳に響くキャッチコピーでしょうか?
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全部の後者のキャッチコピーが女性脳が無意識に反応する、感覚的・直観的なキーワードを含んでおり、より女性に響くキャッチコピーになります。前者のようにダイレクトに具体的なメリットを伝えるのではなく、よりイメージできるようなキャッチコピーになります。
4. 男性脳・女性脳に向けたコピーの書き方のポイント
男性向け、女性向けにセールスレターを書くときの基本構造は同じです。しかし、すべての文脈において使う言葉と表現方法を男性向け、女性向けに分ける必要があります。見込み客は文章を読んでいるときに、「ちょっと違うな」と感じることがあると、途中でページを閉じられてしまいます。
いかに読者のYESをとることができるか。男性向けと女性向けで細部までしっかりと分けることが成約率を高めるポイントになります。
男性向けのコピーの書き方のポイント
・機能を詳細に説明する
・論理的に説明する
・客観的である
・サクセスストーリーを入れる
・小さな労力で高い結果が得られることをイメージさせる
女性向けのコピーの書き方のポイント
・イメージを重視する
・「たのしい」、「輝く」、「かわいい」など感情・直観を刺激する言葉を使う
・プロセスで得られる感情をより具体的にイメージさせる
・より現実的な事をイメージさせる
・みんなで共有する。共感・一体となる表現を含める
まとめ
これまで男性脳・女性脳の具体的な構造の違いから、男女の価値観・行動の違いについて、次にそれぞれに適したコピーの書き方について説明してきました。表現の仕方、使う言葉は若干違うなれど、人に商品・サービスの本当の価値を伝えて行動させるコピーの書き方の基本は変わりません。
まずしっかりとリサーチをする。そして具体的なターゲットを決めて、商品・サービスを使うことによって得られる結果を見込み客にイメージさせ、最終的なアクションをとってもらう手順になります。ですが男性が女性向けのコピーを書くとき。女性が男性向けのコピーを書くときは、自分が「これだ!」と思った表現・言葉と、読み手が共感、感動する表現・言葉が違う場合があるということに注意してコピーを書いてください。