コピーライティングを学べば何でも思うように売れるようになるのか?答えはNOです。それにも関わらず、いまだに多くのコピーライティングの講座や商材が、
・コピーライティングをマスターすると一晩で数千万円のキャッシュが入ってくる。
・コピーライティングは金になるスキルだ。
・コピーライティング テクニックを習得すると顧客を意のままに操ることが出来る。
などという強烈な謳い文句でコピーライティングを語っています。
あるケースでは「洗脳する」という言葉も使っているものもあり、これが元凶となり「コピーライティングをマスターすれば何でも売れるようになる」という誤った認識が多くの人達の意識にすり込まれているようです。特に若手起業家によく見られます。
更に悪いことに、これらのコピーライティングを少しかじった人たちが、間違ったままその情報を拡散していくため、本質的な事実とは間違った内容が、現在のインターネットマーケティングにおいて「事実」とされています。
この間違った事実を盲目的にに信じ、自分の商売に活かそうとしても本当に売れる文章が書けることはありません。この間違った事実には、ある重要な要素が足りていないからです。
そこで、本日は売れるコピーライティングを習得するために本質的に必要な要素について詳しく説明したいと思います。
コピーライディング 講座では教えてくれないこと
本質はコピーライディングだけを学んでもダメだという事です。コピーライティングは商品・サービスの本質的な価値を伝えるために非常に重要なスキルではありますが、何でも売ることが出来るという魔法のスキルではないのです。
ウザいセールスマンからの脱却
例えばコピーライティングだけを学び、セールスレターが書けるようになったとします。しかしあなたのセールスレターはあくまで売込み主体で大切な要素が抜けていている為、ウザいセールスマンと同じ。
いかにあなたの商品が素晴らしいか、この商品を使う事での得られる結果を、美しく魅力的に説明しても見込み客の心に響くことはありません。
売ってくださいと言われる存在になるには
コピーライティングはあくまでマーケティングの一部だという事を強く認識する事。アメリカのダイレクト・レスポンスマーケティングの権威、ダン・ケネディはマーケティングには3つの要素があると伝えています。
マーケティングに不可欠な3つの要素
1. マーケット
2. メディア
3. メッセージ
3つ目のメッセージがコピーライティングにあたります。そして、この3つの全てがうまくかみ合わないと、あなたが頑張って書いたセールスレターは失敗に終わる可能性が高くなります。
マーケティングではなく、コピーライティングが学びたいという人でも、ここは改めてマーケティングとコピーライティングの関係性を認識する為に、じっくりと読み進めて頂きたい。
これを理解することで、あなたの今後のマーケティングとコピーライティングを学ぶ時の捉え方が大きく変わり、相乗効果をもたらすことを保証します。
1. マーケット – MARKET
ある調査によると、私たちは一日に4,000件以上のコマーシャルメッセージを受けており、それは日に日に増えています。テレビ、ラジオ、 電車の中刷り広告、Facebookのフィードで流れる広告、ブログ広告、町中に溢れる看板・チラシなどなど。これらの広告をかわして、適切なターゲットにあなたのメッセージを届けなければいけません。
ではどうやって適切なターゲットを決めるかについてご説明します。
地理的データをベースにして決める
あなたが東京で治療院を経営しているとしたら、札幌や博多のお客までをターゲットにしてはいけません。インターネットを使う事で地理的条件が解消されたといえど、あなたのブログにはあなたが対応可能な地域を明記しなければ、サイトを訪れた見込み客は迷ってしまい離れていきます。
また単純に対応可能な地域という事でターゲットを決めるのも不十分です。地域によって住んでいる人たちには特徴が異なるという事を理解しましょう。
東京に住んでいる人たちは地方の人達に比べたら、電車を多く活用していますし、また物価が高いことから金銭感覚も少し違ってきます。人が多いから色んな出会いがある一方、表面的なつがなりで終わることも多いです。
このように対応可能な地域の人達の特徴まで把握してターゲッティングをします。
顧客の心理データに基づいて決める
顧客がどのような心理状態かを把握してターゲットを決めます。顧客の行動に直結する心理状況は恐怖と欲求です。顧客が何に対して恐れを抱いているのか、また何に対して強い欲求を持っているのかを知り、あなたの商品・サービスにあったターゲッティングをすると効果的です。顧客の心理については、バカ売れキャッチコピーはこう作る!4つのお客の心理から徹底分析 に詳しく書いています。
需要を把握する
ターゲッティングをする際に気を付けなければいけないのは、あなたが提供するモノの需要の有無です。ある問題に対して顧客がどれだけ深く悩んでいても、そもそも不要な商品を購入する人はいないのです。
男性用の精力剤があるからといって、女性用の精力剤を多額の費用をかけて開発、または多額の費用をかけて広告宣伝してはいけません。需要は少しはあるかもしれませんが、それを売るなら、需要が高い男性用精力剤を売ったほうがビジネスは大きくなります。
この場合ライバルも多くなりますが、適切なメディアと適切なメッセージを使う事でライバルよりあなたが選ばれる存在になります。
ライバル不在の市場には参入しない
ライバルが全くいないマーケットには手を出してはいけません。よほどの事がない限り、あなたより先に誰かがニッチマーケットに参入しようとしています。そして結果が出なかったからライバルがいないように見えるだけで、その市場には需要がないことが分かります。
無理にその市場に参入して、多額の費用と大きな労力をかけたとしても期待できる結果は手に入らないでしょう。もっとも賢い方法は大手が参入して市場を作ったあとに、そのニッチを探すことです。詳しくは、集客できる文章と出来ない文章 その違いとは?に書いています。
2. メディア – MEDIA
あなたの伝えるメッセージを載せる媒体は沢山あります。テレビ、ラジオ、雑誌、看板、ポップ、ホームページ、ブログ、スマホなど。よくネットビジネスという言葉を聞きますが、ビジネスの範囲をネットに限ってしまうのは正しい方法とはいえません。
正しいメディアの使い方はオンラインとオフラインの両方を使う事。ネットはあなたの商品・サービスを顧客に伝えるための媒体の1つにすぎません。あなたのビジネスにすべてのメディアを使う事を強くオススメします。
例えば、あなたが健康食品(サプリ)を扱っているとしましょう。ターゲットによって使うメディアは異なってきます。年配の方向けのサプリの場合、ネットではなく新聞の折り込みチラシ。またはテレビショッピング。そして年配者の子供(約30代-40代)に両親の健康を訴える為のウェブ(HP・スマホ・ブログ)メディアも作ることが出来ます。
他にも30代の女性向けのサプリの場合、メインはスマホ。そして女性雑誌にもプレスリリースなどで広報活動をする必要があります。
適切なターゲットに適切なメディアを使わないと、頑張って書いたセールスレターが読まれないという事にもなりますので、正しいメディアを使わなければいけません。
3. メッセージ – MESSAGE
そして重要になるのがメッセージ、コピーライティングになります。適切なターゲットにあなたの商品・サービスを購入してもらうには、ライバルと違うものだと認識されなければいけません。そのために必要なのがコンセプトです。
別の言い方をすれば、USP、ビッグアイディア、ポジショニング、独自性などがありますが、これをコピーライティングのスキルを使って、見込み客に伝えなければいけません。
このコンセプトを作る為に必要なのが
・狭い範囲で明確に決めたポジショニング
・意味のある詳細
・保証する
有名なドミノ・ピザのコンセプトで説明します。
「30分以内に出来たて熱々のピザをお届けします。出来なければ無料です。」
・狭い範囲で明確に決めたポジショニング
ドミノ・ピザは「ドミノはアメリカで一番おいしい」、「ドミノのピザは厳選素材を使用しています」などとは伝えておらず、「出来たてで熱々のピザを届ける」とだけ伝えています。
多くの人にメッセージを投げかけると誰にも伝わりません。狭い範囲でのポジションを築くことで、一部の人が行動する優れたメッセージになるのです。
また食品でよくあるのは、「こだわりの素材」、「有名人シェフが作る味」などですが、ドミノ・ピザのように「配送方法」にコンセプトを絞りメッセージを伝えることで、ライバルとの違いを明確にすることも出来ます。
・意味のある詳細
そして重要なのが意味のある詳細です。ドミノは「30分で」出来たて熱々のピザを届けると伝えています。「そのうちお届けする」というあいまいなものではありません。配達される具体的な時間を明確にすることで、顧客にとって有益な意味を与えています。
・保証する
最後に重要なのが保証です。
「出来なければ無料です。」ドミノ・ピザは30分で出来たて熱々のピザをお届けすることを保証しています。保証することで顧客はドミノ・ピザが提供するサービスに信頼をもち、またリスクを回避できるので、他のピザではなくドミノのピザを選択するようになります。
無料にすることだけが保証ではありません。あなたの商品・サービスで出来る保証があるはずですので、顧客へのコミットメントとして考えてみて下さい。
上記のようにコピーライティングで非常に重要なのがコンセプトです。それぞれの商品アイテム、サービスで様々なコンセプトを作ることが出来ますし、それを見込み客にとってメリットのある形で伝える為にコピーライティングをマスターする必要があるといえます。
まとめ
どれほど売れるキャッチコピーやオファーの作り方、またベネフィットの伝え方などのコピーライティング テクニックを習得しても売れないというのは、ビジネスを点でしか見ていないからです。重要なのはマーケティング・セールスの組み立て方。
またYoutubeがアツイ、Twitterがアツイ、Facebookがアツイなどと、メディアのブームに踊らされるのも同じです。本質的な事が見えていないと、いつまでたっても次から次に出てくる新しい売れる情報を求めて、最終的に何も得る事ができないという結果になります。
正しいビジネスの組み立て方を学び、1つずつ確実に実践していきましょう。