たった3年で、中小企業の数が約35万者も減少していたことをご存知でしたか?!
中小企業庁中小企業白書2014によると、2009年から2012年の3年間で中小企業の数は約35万者(個人事業主を含むため者と表記)減少していると記載しています。その中でも、小規模事業者の減少数は約32万者です。これを割合で見てみますと、中規模企業は▲4.8%、小規模事業者は▲8.8%も減少しているのです。
日本では、一度廃業に追い込まれるとほぼ再起不能です。今回は、開業率を大幅に上回る廃業率はどうして起きるのか、あなたにできる対策はどうすればいいのか、についてご説明します。割合的には、あなたも倒産予備軍かもしれません。
【目次】
1.設立10年以内に9割が消滅!?
都市伝説のように言い伝えられている統計では、
設立5年で約85%の企業が廃業・倒産し、
10年以上存続出来る企業は6.3%、
20年続く会社は0.3%
30年続く会社は0.025%
と言われていたりもします。(情報ソース不明ではあるが、数多く引用されている)
こういった統計は扱いにくく、ペーパーカンパニー・休眠会社・フリーランス・納税していない、など把握が困難なジャンルです。しかし数字の大小はともかく、利益を上げ続けて長く存続することは容易ではないということは確実です。
2.開業率を上回る廃業率
総務省『事業所・企業統計調査』の出元が明確なデータを参考してみると、1990年代半ば以降、事業所数ベースでは
開業率・・・年平均約4%程度
廃業率・・・年平均約4〜6%程度
となっており、低迷する開業率に対し、廃業率は同等もしくは大きく上回っています。これをもとに単純計算すると、企業の総数では今後毎年5万者ほど減少することが想像できます。
◇中小企業の倒産=再起不能
開業率よりも廃業率が高くなることは、日本独特の理由があると言われています。その主な理由が、中小企業の代表が個人保証をしている場合が多く、倒産すると自己破産に追い込まれやすいことがあげられます。ほとんどの経営者が倒産=再起不能となってしまうのです。
3.中小企業が廃業に追い込まれる最大の原因
中小企業が廃業せざるを得ない理由はいくつかあります。後継者問題や将来への不安、などありますが、その本当の理由は売上不振です。そしてその最大の原因は、”寡占化の波”です。
◇寡占化の波が日本を覆う
寡占:市場が少数の売り手(買い手)に支配されている状態のことで、上位4社でおおよそ40%を上回ると寡占状態である
ご存知の通り、日本は中小企業が90%以上です。しかし大手との力の差は歴然で、個人商店や零細企業は大手チェーンの進出に手も足も出ずに、反対を唱えることしかできない例もあります。客はすべて大手に取られ、シャッター商店街が全国に点在しています。
「不景気だ」「時代が変わった」「大手のせいだ」とよく言われていますが、「大手の寡占につぶされないためには何をすればいいのか?」と言う人はほとんどいません。中小企業の経営者の多くはこのことを知らないため、寡占化の波に飲まれたことにも、波がせまっていることにも、気がついていないのです。
4.生き残るための対策
何の対策もせずに、今後も存続できるほど甘い世の中ではないことは、身にしみて感じていると思います。では、どんなことをすればいいのでしょう。
結論だけを言うと、『寡占する側にまわる』、が正解です。
どれだけ防御をしても、敵が衰えることはありません。いずれ自社の体力がなくなります。中小企業が何社も共存することに期待してはいけません。勝つか負けるか、勝てなければ負けるのです。
◇大手に勝てる戦略を考える
大手に勝てないから困っているんじゃないか!と怒られそうですが、これは冗談ではありません。失礼ですが〝大手に勝てない〟というのは、思い込みです。完璧な会社やサービスなどこの世にありません。現在の大手企業も、昔はちいさな会社でした。そしてライバルに勝ち、大手になったのです。実際、ライバルに大手も中小もありません。
今すぐに、大手に勝てる戦略を考えましょう。答えは絶対にあります。答えが見つからないと、勝てません。すべての事業を休止してでも、優先して考える必要があります。コストは下げられないか、売上はあげられないか、利益は増やせないか、人は?モノは?カネは?マーケットはどうでしょうか?どの業界にも必ず、ライバルが気付いていないマーケットがあります。
5.まとめ
極端な話ですが、中小企業の数はどんどん減っていき、寡占が進むとしたら、何もしないとつぶされるのを待つだけかもしれません。そうなると必然的に、あなたの会社も大手企業になれるような戦略を立てる以外に生き残る道はありません。
ちいさな会社の成長原則を学び、戦略を練る時間を取って考えてみましょう。