あなたはまだ、毎日頑張っているのですか?もしも、毎日頑張っているとすれば、そのビジネスは何かが間違っているかもしれません。あなただけでなく、部下やスタッフにも頑張ってもらっているとしたら、危険信号です。
ここでいう頑張るとは、頑張りたくないのに頑張らざるを得ない状態のことです。頑張らないと売れないモノ、頑張らないと達成できない目標、頑張らないと得られない評価。一見当たり前に見えますが、なぜでしょうか。
人生は甘くないから頑張らざるを得ないのでしょうか。頑張らなくてもいい状態には、なれないのでしょうか。能力開発をすれば、頑張りが苦にならないのでしょうか。何より、頑張ればうまくいくのでしょうか。
頑張ってもどうにもならないことを解決する方法があります。決して努力の否定ではありません。楽して儲かるテクニックのお話でもありません。今回は、売り込まずに売れるセールス戦略による頑張りすぎないための方法をご紹介します。
【目次】
1.頑張り文化
2.頑張らないといけない3つの理由
(1)成果が評価基準である
(2)根拠のない目標
(3)なかなか売れない
3.戦略の転換
4.まとめ
1.頑張り文化
日本人は働きすぎだと言われています。過労死や鬱などの労災問題は年々増加しています。しかし日本は昔から、頑張り者を善とする傾向が強いです。勉強を頑張る子供が褒められ、仕事を頑張る人が褒められ、結果が伴うと尊敬されます。
楽して儲ける悪
逆に頑張らずに結果が出たように見えると、悪のように扱う場合もありますね。頑張らないと怠け者になることもあります。
『あいつはすぐに楽をしようとする』
『楽して儲けようなんて考えるな』
という言葉を聞いたこともあるでしょう。
実際2006年、堀江貴文氏と時を同じくして、通称村上ファンドの代表村上世彰氏もマスコミから激しく叩かれました。そのとき質問をする記者に対し『お金を儲けることは悪いことですか?』と村上氏が逆に聞き返しました。
彼らが善か悪かということではなく、楽して儲ける人に対して日本人の大多数が違和感を持っていることを、象徴するような出来事ではないでしょうか。
何のために働くのか
あなたは何のために働いていますか?自分の気持ちに正直に答えてみてください。すべての世代で圧倒的に多い答えが『収入』です。収入は、生きていくため、人生を楽しむための道具です。つまり、人生を楽しむための道具を得るために働くのです。
もっと突き詰めてみましょう。もしも、給料0円でも今の仕事を続けますか?もしも、宝くじ○億円が当たっても今の仕事を続けますか?続けたくないなら、あなたは仕方なく頑張って働いているということです。
そうです。人生を楽しむための手段として働いているので、できれば楽な方がいいし、働かなくても済むなら夢のようだ、というのが本音ではないでしょうか。効率を追求することは悪ではなく、健全な行為なのです。
しかし日本の中小企業は、効率をよくする方法がわからないため、努力と根性で頑張るしかなく、現在も頑張り文化が主流のままです。
頑張る日本企業の競争力
スイスのビジネススクールであるIMD(国際経営開発研究所)が発表した2015年における世界競争力ランキングによると、日本の国際競争力は27位となり、昨年から6位順位を下げたそうです。こういったランキングは、基準の作り方によって変動するので絶対ではないですが、傾向を参考にすることはできます。
順位が下がっているのは、頑張りが足りないのでしょうか?ここで考えるべきは、もっと頑張ろうではなくて、努力と根性で頑張るだけではどうにもならない現実に直面しているのではないか、ということです。根本的に変わらなければ淘汰されるのを待つのみかもしれません。
2.頑張らないといけない3つの理由
ではなぜ頑張らないといけないのか分析してみましょう。主な問題点は3つありますが、全部、会社の問題です。個人の問題ではありません。一見すると個人の問題のように思いがちな内容なので、要注意です。
(1)成果が評価基準である
給料は評価で決まります。評価を得るには表向きは成果が必要ではないですか?そうすると、人より成果を上げるためには頑張らないといけませんね。実際の評価は上司がしますから、頑張って見える部下を評価する傾向にあります。
アピールが下手な人は評価が低いのでしょうか。命令通り動いていても、たまたま売れない地域を担当してしまったら、評価されないのでしょうか。
☆成果が評価基準であることが、頑張らないといけない理由であり、大きな間違いです。
あなたの仕事は、誰でも成果を出せるオペレーションをつくり、誰でもできることを確実にこなしたかどうかを評価することです。成果が出ないオペレーションで頑張らないといけないのは、あなたの責任です。
(2)根拠のない目標
よくある目標の立て方が2つあります。1つはトップが決めた目標を各部署で割り振り、さらに個人に割り振るパターン。もう1つは幹部またはメンバーが各々目標を持ち寄りまとめるパターン。どちらの方法でも決まった年間の数字に対して、12か月で割ったものを1か月の目標とすることが多いです。
その目標を達成するためには毎日何をすればいいのでしょう。遅れが発生した場合、どこで取り戻せばいいのでしょう。
☆根拠のない目標を立てることが、頑張らないといけない理由であり、大きな間違いです。
あなたの仕事は、毎日決められたことだけをすれば達成できるように、根拠のある目標と行動計画を立てることです。どうすれば達成できるかわからないから頑張らないといけないのは、あなたの責任です。
(3)なかなか売れない
競合や時代の流れとともに、売れない時代に突入したと思っていませんか?売り方のすごいテクニックを知りたいですよね。どうすれば売れるのかあの手この手を試しても、そう簡単には売れません。
命令通りに動いても売れないのは誰の責任なのでしょうか。なかなか売れないのは売り方の問題ではなく、お客が欲しくないのではないでしょうか。
☆なかなか売れない商品を扱っていることが、頑張らないといけない理由であり、大きな間違いです。
あなたの仕事は、お客が求めるものを仕入れ、求める価格で、求める方法で、提供することです。あなたが扱ってるものをどうにか売るために頑張らないといけないのは、あなたの責任です。
3.戦略の転換
上記頑張らないといけない3つの理由をお読みいただいてわかる通り、頑張りすぎの原因は経営戦略で打破すべき問題であり、現場の工夫や成長ではないのです。しかし、社員を成長させモチベーションを上げることに力を注ぐ経営者は多いです。
伸びてる企業と伸びてない企業の差は、スタッフの優秀度ではありません。あなたは今すぐ、売り込まずに売れるセールス戦略へ転換する必要があります。努力で伸ばせるのはせいぜい数%であり、売上が10倍100倍には絶対になりません。
1億円の企業と100億円の企業は戦略が違うのです。スタッフ一人一人の頑張りの違いではありません。現在の戦略で売上が伸びるのか、見つめ直してみましょう。
4.まとめ
好景気になるのを待ったり、いい人材が育つのを待ったり、お金が貯まるのを待ったり、その間誰が頑張るのでしょう。間違った頑張り方からは疲弊しか生まれませんが、正しい頑張りはとても大きな成果につながります。
少しづつでも、売り込まずに売れるセールス戦略に着手してみてはいかがでしょうか。