あなたの商品を世に広めたいけれども広告予算が限られているという場合、出来るだけ費用をかけずに商品をプロモーションする方法があります。それはプレスリリースを活用する事です。
プレスリリースを効果的に活用することが出来れば、あなたのビジネスが無料で雑誌やネットメディアに掲載されるでしょう。
一般的に雑誌などにあなたの商品情報を掲載するには雑誌掲載量として広告費を払います。広告費は雑誌や掲載されるスペースによってピンきりですが5万円―20万円ほどします。
プレスリリースを使うことにより、この雑誌・メディア掲載費用が無料になる場ありがあります。私も過去にプレスリリースを使ってタレントさんにも紹介してもらったり、また多くの雑誌にも掲載されたことがあります。
これは私が日本で活動していた時のコンテンツですが、雑誌やウェブなどのメディアが存在している限り使えるコンテンツだと思います。その情報をまとめ、実際にどのようにプレスリリースを書いていけばいいのか、その具体的な書き方や考え方、またはツールの具体的な使い方についてご説明します。
初心者がよくやるプレスリリースの3つの間違い
宣伝をしてしまう
初心者がやってしまうプレスリリースを書く時に一番多い間違は「宣伝」をしてしまう事です。雑誌などの編集者が掲載しなければいけないのは商品の宣伝ではなくニュースなのです。
彼らは常に新しい情報を追いかけていて、最も欲しいものは商品の宣伝ではなく記事になる“ネタ”なのです。
もしプレスリリースにあなたの商品の事ばかり書いていれば、それはネタというより完全な売込みです。編集部の担当者からウザいと一瞬で思われ、あなたのプレスリリースはすぐさまゴミ箱行きです。
もしくは、広告部にまわされて「広告を出しませんか?」っという逆の売込みを受けることになります。では、あなたの商品・サービスが記事になる”ネタ”になる為にはどのようにすればいいのでしょうか?
自社の商品以外のことも書く
プレスには自社の商品・サービスに加えて、他社の事、一般的なマーケット情報もちゃんと書かなければニュースになりません。
現在のマーケットがこうであり、他社の商品はこんなものがあります。そしてこのマーケットに新しい自社の商品を開発しました。
このように書けば売込みではなく、編集者が求めている”ネタ”になるのです。
大量の情報を詰め込んでしまう
商品を発見・開発したストーリー。今までになかった商品の画期的な魅力。あなたが今までにどのような商品を扱ってきたか、あなたの今までのビジネスはどのようなものだったかという自社の説明。
どれだけ沢山のお客さんがあなたの商品を支援して、ファンがどれだけ沢山いるか、などなど。あなたが情熱をもって販売している商品・サービスなのだから、きっと伝えたいことは沢山あると思います。
しかし、これらの情報をプレスリリースに全て書く必要はありません。もしこれらの情報をプレスに書いてしまえばリリースは5枚ー7枚とまるで会議の資料のようになっています。
沢山の情報を伝えたほうが採用される可能性が高いと思われるかもしれませんが、残念ながら、逆にプレスリリースに書いてある全ての情報を読まれることのほうが極めて少ない。
もしあなたが沢山の情報を書いたとしても、見出しで面白くないと判断されたらその場でゴミ箱行き。またはそれだけの資料が届いた時点で読む気がなくなってそのままゴミ箱行きなんてよくあることです。
プレスリリースを送る枚数は1-2枚だけ
2枚でも多いくらいです。出来るだけ1枚に完結にポイントだけを伝える必要があります。その他の伝えたい情報はHPやブログに記載し、プレスリリースにはそのURLや「○○で検索」と記載しておけば大丈夫です。
編集者がプレスに興味を持ってくれれば、時間があるときにそのHPやブログを訪問して情報を集めに来ます。
写真を正しく使えていない
「1枚の写真は1,000の言葉に勝る」、「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、写真には一瞬で物事を明確に伝えるチカラがあります。
やってはいけない事は文字だけのプレスリリースを書くこと。編集者がプレスを見た瞬間に読む気をなくしてしまい、ゴミ箱行きになります。
また写真を使う場合であってもあるテクニックを使うことで編集者の関心をよりひきつけることが出来ます。一般的に写真に使うと効果的なのは、「女性」「赤ちゃん」「動物」とされています。
もしあなたが男性用の筋肉増強サプリを扱っていたとしてもマッチョな男性写真よりは、引き締まった女性の写真のほうが目に留まりやすくなります。
無理にこれらの写真を使うと逆効果になることもありますので、扱っている商品・サービスによって臨機応変に使い分けましょう。
キャプションを上手く使う
そして写真を使うときに効果的なのが「キャプション」です。キャプションとは写真の周辺に書かれたテキストのこと。
写真は人の視線を集めます。そして、その写真の周辺にある文字は本文よりも読まれやすくなります。ですのでキャプションに重要なことを端的に書いておくと編集者に伝わりやすくなります。
編集者が注目してしまう6つのキャッチコピー例
ネタとなった内容をしっかりと見てもらう為に必要なのが、キャッチコピーです。もしあなたが、しっかりしたリリースの内容を書いたとしても、キャッチコピーに魅力がなければ担当者は興味を持ってくれません。
編集部の担当者は基本的に忙しく、毎日山ほど送られてくるリリースの全てを端から端まで読むほどの時間はありません。
担当者はキャッチコピーをパッと見て、これが記事になるかどうかを一瞬で判断するのです。
なのでキャッチコピーで担当者の関心を一瞬でワシづかみにする必要があります。それが出来なければゴミ箱行となります。以下に実際に数人の編集者に確認したキャッチコピーの書き方をご紹介します。
ありきたりだけど効果的なキャッチコピー
1. 日本初の~
2. 世界初の~
3. 有名人の誰々が使用の~(※本当に有名であること)
編集者が伝えなければいけないのは、世の中の人がまだ知らないニュースです。○○初という情報は彼らが関心を持たざるを得ないキャッチコピーです。
また有名人が使っているという物も雑誌・メディアのターゲット層がマッチしている人であればそれはおいしい情報。
編集者にはこれらの情報を伝える使命がありますので、キャッチコピーでこの言葉を使うことで、彼らの関心をつかむことが出来ます。
編集者が意外と注目するキャッチコピー
4. 業界初の~
5. 業界最安値の~
これも上記と同じ理由で、新しい情報を伝えるということ、そして業界で一番だということを伝える情報です。業界事情についても編集者は敏感でなければいけません。
その業界の中での一番は何か。
編集者として恥ずかしいことは、周りが知っているのに自分は知らないということです。ですので業界のニュースも編集者が知りたくなるネタですので、これも使えるキャッチコピーのテンプレートです。
海外ものとして注目するキャッチコピー
6. 日本初上陸の~ ※海外での実績を出す。インパクトのある数字をつかって
編集者という人たちは新しい物好きです。海外の商品・サービスでまだ日本に入ってきていないものであれば、非常に興味をそそられます。またその海外での実績が凄いものであるなら、それは是非紹介したいネタです。
もしあなたが、海外関連の商品・サービスを扱っているのであれば、このキャッチコピーのテンプレートをその海外の実績と一緒に使ってみて下さい。
必要なのは文章力ではなくて企画力
もしあなたが文章を書くことが苦手で、プレスリリースを書くことに抵抗があるのなら安心して下さい。編集者が求めているのは、きれいで美しい文章ではなく、記事になる「ネタ」です。
あなたが頭をひねってネタを考えることが重要です。そして、それを季節ネタ・流行ネタであなたの商品・サービスを無理やり“こじつけると雑誌やその他のメディアの特集に取り上げられやすくなります。
すべての商品・サービスそのものがメディアが欲している情報にひっかかるとは限りません。だからこちらからアイディアを絞って、無理やりにでもこじつけるのです。
もしあなたがパン屋さんなら
パンで雑誌に取り上げてもらうためにはニュースにしなければいけません。ここではカレーパンで例を挙げます。普通のカレーパンじゃダメです。ニュースになるようなこじつけをカレーパンでつくらなければいけません。
例えば、
・日本一 辛いカレーパン
・日本一 大きいカレーパン
・日本一 小学生が食べているカレーパン
・日本一 ランチに選ばれるカレーパン
・石ちゃんが「まいう~」を連発したカレーパン
・有名選手が試合後に必ず食べるカレーパン
・メロンパンの材料で作ったカレーパン
このように作ろうと思ったらいくらでもアイディアは作れます。
このようなカレーパンの企画を作って、そのニュース・事実を雑誌社に教えてあげましょう。
必要なのは面白い企画100本ノック。
あなたの商品・サービスでも面白いこと、ニュースになりそうなことを考えだして、リストアップしてみましょう。出来る出来ないは関係なく、とにかく思いつく限り上げていきましょう。ここは数稽古になります。
実際に作成し多くの雑誌に取り上げられたプレスリリースの例
現在は日本での活動を休止していますので日本の連絡先などは伏せております。
採用されない人に共通のマインドブロックとは
プレスリリースがなかなか採用されないという人たちには、ある共通のマインドブロックがあります。プレスリリースが採用される為には、実際は何度も何度も送り続ける必要があります。
たった一回だけ送って、採用されませんというのは当然のこととしか言えません。とにかく何回も送る必要があります。
プレスが採用されないのはこのような理由があるからです。
1. プレスリリースの企画自体が面白くない
2. 担当者にプレスリリースが届いていない
3. 担当者にプレスリリースは届いたがまだ読んでいない
簡単に諦めてはいけない
1の企画自体が面白くないがために採用されないのは仕方がありません。送り続けて採用されなければ企画が面白くないと思って色んなパターンを作ってまた送り続ける必要があります。
そして、「2・3」については基本的に私たちのコントロールの外にあります。2.のプレスが担当者に届いていないなんて事はよくあります。担当者の名前が分かっていたとしたら、しっかりと届けることが出来ますが、なかなか担当者の名前を入手することは困難です。
また3の担当者がまだ読んでいない場合、担当者が忙しすぎて未読のプレスを溜めて捨ててしまうことだってあります。
一回送ったとしても、しっかりと読んでもらうまでには超えなければいけないハードルがいくつもあるのです。ですのでプレスリリースを送る頻度は少なくとも2~3回/月としましょう。
プレスを何度も送ることが出来ない人には、何度も送ると迷惑だと思ってしまう傾向があります。
何度送っても怒られない
何度送っても大丈夫です。絶対に編集者に怒られません。怒られたら逆に大したもんです。それで名前を覚えてもらえますので、また次回につながる大きなステップになります。
ですが基本的に怒られたり、迷惑だからやめて下さいという連絡は来ません。安心して編集者のためになるネタを提供し続けてあげましょう。
プレスリリースの送り方
プレスリリースをうまく書くことが出来れば、雑誌・ラジオ・ネットメディアなどに掲載されると思っていませんか?
残念ですがそれは半分間違いです。
プレスリリースをうまく書くことができても、正しい送り方をしなければ担当の編集者に届かず、結局読まれないということになります。プレスリリースの送り方は書き方と同じくらい重要なのです。
プレスリリースが採用される為には、送り方に工夫が必要です。今回は間違ったプレスの送り方、正しい送り方についてご説明します。
一般的にプレスリリースの送り方には、以下の方法とメリット・デメリットがあります。
Faxで一斉配信のメリット・デメリット
よくあるプレスリリースの送り方はFaxによる一斉送信ですよね。もしあなたの商品・サービス・会社名がすでに有名であれば、このFax一斉送信も有効でしょう。有名な商品・会社からの新しいニュースは、編集者にとっておいしいネタです。もしそうであれば見てもらえる可能性は高くなります。
しかし、もしあなたの商品・サービス・会社名がまだまだ一般的に知名度が高いものでなければ、Fax一斉送信の結果はFax代の無駄使いに終わることになる可能性が非常に高いのでご注意下さい。
なぜなら、Faxを受け取るのが編集部の担当者でない場合が多いからです。「編集担当者にお渡し下さい」とプレスに一言書けば、担当者に渡される可能性は高くなります。しかしFAXが担当者に渡されても読まれない可能性がFAXの特性上避けられない事になっています。
FAX用紙のサイズは基本的にはA4サイズです。報告書やレポートなどの一般書類のサイズもA4です。
あなたのプレスが書類に埋もれてしまう
そして想像して欲しいのは、出版社の編集者の机です。テレビドラマとかで見たことがあるかもしれませんが、多くの編集者の机は書類が乱雑しています。
この書類の中にA4サイズのFAX プレスリリースが届いたことも想像してみてください。かなりの確立で書類の山にあなたのプレスリリースが埋もれてしまいます。
編集者があなたのプレスリリースだけを大切に取っておくなんてことはありません。結局、送られたプレスは書類に埋もれる、何かの書類と一緒に捨てられるという可能性が高くなります。
メールで一斉配信のメリット・デメリット
出版社のメールアドレスをHPから入手することは可能です。またマスコミ担当者のメールアドレスを何らかの形(業者)で入手し、メールで一斉にプレスリリースを送ることは可能です。しかし、メールでの配信で担当の編集者に見手もらえる可能性は非常に低いと思って下さい。
担当者としっかりとした面識があり、関係が出来ていればちゃんと見てもらえるかもしれませんが、そうでないなら関係ないと思われて、すぐにメールを削除。あなたにも経験があると思うのですが、知らない人・会社からメールが来たらほとんど内容も見ずに削除するのではないでしょうか。
また編集者のメールボックスがたまっていたら、他のメールに埋もれて読まれる可能性は低くなります。メールはボタン1つで削除できますので、開封される前に削除されることもあります。
郵送のメリット・デメリット
最も編集者に見てもらえる可能性が高いのは郵送です。FAX配信やEmail配信でもご説明しましたが、プレスが担当者に届かなければ、採用される以前に見てもらえません。FAX配信の場合は担当者に届かない可能性があります。また担当者に届いたとしても、他の書類に埋もれてしまうという可能性があります。
またEmailでは担当者に届くけれど1クリックで削除される可能性が高いです。また他のメールに埋もれて、見てもらえない可能性もあります。いくら郵送で送ると見てもらえる確率が高くなるといっても、普通に郵送してはいけません。長方形の便箋を折って入れるような細長い茶封筒で送ったとしても、FAX送信の時と同様に他の書類に埋もれてしまいます。
郵送の1ポイントテクニック
そうならない為のテクニックは、封筒は「A4がすっぽりと折らずに入る」大きいものを使う方法です。普通のA4サイズの書類の山からはみ出すくらいが良いです。他にも、カラフルな封筒を使うのも有効でしょう。
そして、他の書類からはみ出すほどの大きな封筒には「プレスリリース在中」と書かれています。編集者としては記事になるかもしれないネタを一応チェックする習慣があります。
しかも、Faxでなく、メールでなく、わざわざ手書きで住所・宛名が書かれた手間がかかっている封筒をそのまま中身を見ずに捨てるなんてほとんどあまりありません。郵送で送るプレスリリースは手間はかかりますが、その分見てもらえる確率が高いのが特徴です。
そして「プレスリリース 在中」と書かれた封筒を開くという行為は、そのプレスを見るという行為でもあります。キャッチコピーや企画が良くなければじっくりと見てもらえずにゴミ箱行きになりますが、FAXやメールに比べると見るという準備が出来ています。
見るという準備が出来ている編集者はよりプレスの本文の内容を読んでくれる可能性が高い状態にあります。そうなると採用の可能性も高くなるのです。
プレスが採用確定後に確認すべきこと
メディアからの採用電話。5つの確認事項。
プレスリリースを改善しながら送り続ければ、必ず結果はついてきます。一番難しいのは最初の掲載。そしてその最初の掲載が確定したときは、沸き立つ気持ちを抑えて冷静に以下の5つの項目について確認しなければいけません。
無料掲載かどうか
プレスリリースのメリットは無料でメディアに掲載されることです。しかし、プレスを送ったにも関わらず無料掲載ではなく、広告掲載の連絡がくるというのは意外と多いのです。無料掲載であれば、2つ返事でOKしましょう。あなたが失うものは基本的に何もありません。
特集かどうか
最も反応が高いのはメディアの特集に採用されたときです。特集とは例えばランニング雑誌で「丸の内OLが選ぶ皇居ランをするときの必須アイテム10選」のように、その企画で数ページにわたって記事や商品を紹介するというもの。
読者もこの特集は必ず読みますし、ここに掲載されるとなると大きな注目を集めることができます。
特集でない場合の掲載サイズ
ウェブメディアの場合はあなたの商品・サービスを1ページ使って掲載してくれます。無限にページを複製できるウェブメディアの場合はしっかりと情報を掲載することができますが、紙面になるとスペースは限られてきます。
特集になると複数のページにわたって紹介されますが、一般的にはページの4分の1や2分の1のスペース。もっと小さい場合もあります。ページが小さい場合には必要な情報を伝えきることが難しいので、核になるポイントをしっかりと掲載してもらい、HPやブログに誘導できるようにしましょう。
プレゼント企画の場合
雑誌などのメディアに無料で掲載してもらえるけれども、プレゼント企画というものもあります。雑誌の読者に無料で商品をプレゼントするという企画です。この場合、掲載を条件にあなたは商品を無料で提供しなければいけません。
あなたの商品の原価が安ければ多くの人たちにプレゼントできますが、そうでない場合はどれだけのコストをかけられるかを考えなければいけません。プレゼント企画の反応については後述しますが、あまり効果は高いものではありませんので、原価と相談して判断して下さい。
またプレゼント企画の場合、応募先を自社に出来るか出版社と交渉しましょう。
自社を送り先にできた場合、リストが手に入りますので後日DMを送ることが出来ます。無料のものを欲しがる人達ですが、商品に興味をもってハガキをわざわざ送る人達でもあります。特別なオファーをすることで、その後お客になってくれます。
広告掲載の場合
前述しましたが、プレスリリースを送っても無料の掲載ではなく、広告掲載の依頼の電話がかかってくることはよくあります。もし広告掲載依頼の電話を受け取ったとしても、広告だからといってすぐに電話を切ってはいけません。
広告部の担当者にどれくらいのスペースの広告で、費用がいくらかかるかをまず確認しましょう。もしその広告が魅力的なものであれば、広告掲載するのもありです。この時に必要になるのが価格交渉です。
広告部の担当者も広告スペースを埋めて、広告収入を得る為に必死です。まず先方が提案してきた価格の半額で依頼します。そのまま半額になればいいし、定額より安くなれば広告掲載を検討してもいいと思います。
絶対やってはいけないのは言い値で広告掲載する事。こちらがプレスリリースでネタとしてアプローチしたにもかかわらず、広告を提案してくるのですから、少なからずこちらに興味を持っているはずです。価格交渉は必ず実践しましょう。
編集者に丸投げしてはいけない。3つの確認事項
あなたのプレスが採用されたとき、自分は初心者だからといって、すべて編集者に任せようとしてはいけません。あなたの商品、マーケット、お客について一番知っているのは彼らではないですよね。その編集者がプレスリリースを参考にして記事を書いたとしても、彼らは何も知らないということを忘れてはいけません。
もし、編集者に丸投げして記事が世に出てしまうと簡単に修正することはできません。紙媒体であればほぼ修正不可能。
そうならないためにも以下の3つのポイントを編集者に確認しましょう。
1. 核になるコンセプト
2. 伝えたいキーワード・キーフレーズ
3. 伝えたいターゲット層
コンセプトは非常に重要です。今後あなたの商品はメディア戦略により多くの媒体に掲載されることになります。しかしあなたが頑張って考えたコンセプトが間違って世の中に伝わってしまったら、修正が大変です。せっかく売れる企画であっても残念な結果に終わってしまうことになります。
例えば、アメリカのサウスウェスト航空が自社のコンセプトである
「アメリカで最格安航空会社」を間違って次のように記事にされたとします。
「N.Y-札幌空港 区間始めました」。
これも編集者にとってみたらニュースといえばニュースです。しかしサウスウェスト航空の核になるコンセプトではありませんし、最も伝えたいことでもありません。
このように核になるコンセプト、キーワード、キーフレーズが間違っているとせっかく掲載される機会を無駄にすることになります。
怠ってはいけない原稿チェック
ウェブ媒体であれば修正は簡単なのですが、紙媒体に掲載れるとなると、印刷されてからの修正はほぼ不可能となります。そうならない為に必要なのが原稿チェックです。編集者から編集後の記事が上がってきたときに一言一句声にだして読みあげましょう。また価格表記も税込・税別なのか細かいけれど重要なところです。
原稿チェックのポイントは「間違い探しをする」と思いながらやると効果的です。初めから間違いがあるという前提だと、隅からすみまで確認することが出来ます。
期待し過ぎ禁物。掲載枠によっての反応の違い
まだメディアに掲載されたことのない方は、メディアに掲載されるとなると、売り上げや問い合わせが爆発的に増えてビジネスが安定すると期待するかもしれません。
メディアの規模やどのように紹介されるかにもよりますので、これはケースバイケースです。テレビやネットメディアで拡散するように大きく掲載されると、反応は一気にあがります。しかし、そうでない場合の反応は期待し過ぎないほうがいいかもしれません。
それではなぜプレスリリースを配信するのか?
第三者メディアに掲載されると社会的な証明になるからです。メディア掲載実績があると、無名の商品であっても信頼を得る事も出来き、人が興味を持ってくれるからです。
それに伴い広告からの成約率も高くなります。全くメディアに掲載されていない無名の商品と何度もメディアに掲載されたことのある商品。その実績を見るとどちらの方を購入したくなるかは言うまでもありません。
ですので1回のメディア掲載を目的とするのではなく、継続的に戦略的にメディアに掲載させる必要があります。
プレスリリースにレバレッジをかける方法
レバレッジとはテコの原理の事。1つの行動がより沢山の効果を出すという事を意味します。1度でもメディアに掲載されるとこのプレスリリースにもレバレッジをかけることができます。今まで使ってきたプレスリリースに雑誌掲載実績を載せるのです。
編集者にとって恥ずかしいことは、周りが知っているけれども、自分が知らない事。新しい情報はいち早く世に伝えなければいけないという事です。既にメディアに掲載されたのならば、他の出版社が面白いネタを掴んだという事で自分もそれを紹介したい、紹介しても大丈夫だろうと思うのが人間心理です。
プレスリリースが採用されるのは1回目は大変ですが、2回目以降はとても簡単になります。そして2回目、3回目、4回目と採用されるともう止まりません。次々に採用が決定します。そして更に良いのは編集者と人脈を作ることが出来るという事です。
一度面白いネタを提供し、その編集者の連絡先が分かれば2つ目の商品は初めての時より簡単に採用してもらえます。これがプレスリリースにレバレッジをかけるということ。ですので、1回の掲載さえできれば後は勢いに乗ることができます。
まとめ
メディア戦略はあなたのビジネスを加速させます。「広報 × 広告」。広告はこちらから出したいときに出すことができますが、広報に関しては最初は戦略的にこちらから実行しなければいけません。
広報が上手くいったときに、広告の効果がさらに高くなります。掲載が確定したからといって、浮かれすぎるのではなく、メディア戦略をこのように正しい手順で正確に実践する必要があります。