商品戦略の基礎、有利な商品に変更しよう!

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その商品は売れやすいものですか?

典型的ダメ社長は「自社の商品が売れやすいか売れにくいかよりも、どうやったら売れるかを考える方が大事だ」と言います。

小さな会社の経営者によく見られる最大の欠点は、客が求めているかどうかを抜きにして、どうやって売るかに必死なことです。お客が欲しがってもいない商品の、売り方を学んだり研究することに、とても熱心な傾向があります。

経営の本質は、「どう売るか」ではなく「何を売るか」、お客の求めている商品を提供することであるはずです。

今回は、商品戦略の基礎として、より有利な商品に変更するべき理由と、その手順をご紹介します。売る努力は今日でおしまいにしましょう。



【目次】

1.売れないのは誰のせい?

2.売れる商品に変更しよう

①ニーズ商品を取り入れる

②トレードオフによる改良

③ウォンツ商品を考える

④マーチャンダイジングを実践する

3.まとめ



1.売れないのは誰のせい?

下の図は、普通の経営者と、会社を成長させる経営者の、売上に対する考え方の違いをまとめたものです。

売上の考え方の相違

なぜこのような違いが生まれるのでしょう。実は、経営に関する知識の違いが現れています。


販売戦略で会社を大きくすると勘違いしている

普通の経営者には、会社を成長させる戦略がわかりません。他社や偉大な経営者を参考にしようにも、売れたという結果しか見えないため、上手に売ったのだと勘違いしてしまいます。「それに比べ我が社は、販売力が弱いのが原因だ」と、アイデアを募ったり、研修をしたり、モチベーションをあげようとします。

なかなか売れないのは、なかなか売れないものを商品として扱う(扱い続ける)ことを決めた経営者の責任です。

売り方やスタッフのモチベーションが、会社を大きくするということは、典型的な勘違いです。


経営戦略と商品戦略が会社の規模を決める

成長させる経営者は、誰に、何を、いつ、いくらで、どこで、どのように提供するのか、戦略を決定したときに、売上が決まることを知っています

スタッフはTOPの計画に対して実行責任があり、戦略を立てた経営者に結果責任があります。

不振をスタッフのせいにしたり、売上をスタッフのモチベーションに頼ったりすることはありません。スタッフは、TOPの決定に従って動いているだけなのですから。


2.売れる商品に変更しよう

売り方は二の次三の次でよく、売れるものを提供することが一番重要です。しかし小さな会社が、いきなり、そう簡単に、バカ売れ商品を提供することは至難の業です。

まずは少しずつ以下の順番で、「つくる・売る立場」ではなく「使う(食べる)・買う立場」に変更していきましょう。


①ニーズ商品を取り入れる

現在の売れ筋商品やサービスを取り入れます。お客はあなたの商品よりも、今売れている商品の方を求めています。


②トレードオフによる改良

※トレードオフ=何かを達成するために別の何かを犠牲にしなければならない関係のこと

現在の売れ筋商品から、ある品質は残しある品質は捨てることによって、結果的に絶対的品質が上がり、価格を下げることができます。


③ウォンツ商品を考える

今はまだ売られていないけれど、爆発的に売れるであろう商品を考えます。お客が求めているのに、世に出ていない商品を提供できれば、ライバル不在の入れ食い状態です。


④マーチャンダイジングを実践する

※マーチャンダイジング=お客の欲求に応じた合理的な商品戦略のこと

ウォンツ商品を開発するために、原料調達から商品の提供までを手掛けます。仕入れ価格を押さえることが重要なため、必要不可欠な手法です。


3.まとめ

今まで扱ってきた商品を変更することには、抵抗があるかもしれません。そんなときは、こう自問自答してみましょう。

何のためにそうするのか?

そして答えが「お客のため」になるまで、よく考えてください。あなたがその商品を扱っている理由はお客のためでしょうか?あなたのビジョンを叶えるために、あなたの都合を捨てる、それが戦略です。