report writing

あなたも上司・管理職者として部下にはレポートを定期的に提出させていると思います。しかしレポートは社員にとったら業務を増やし、面倒なものと認識されるのが多いもの。提出することが目的となり、レポートの本当の意味を理解していない場合が多いのではと思います。

弊社でもレポートはしっかりとタイ人スタッフたちに書かせており、提出することを目的とせず、しっかりと正しい意味と目的を理解させて書かせています

私自身、自分がレポートを書いて上司に提出していた時からこの「レポートの目的と意味」は理解していました。この事はレポートを書きながら自分でも実感していた事で、また後にあるマネージメントの本を読んだ時に実際に書いてあった事なので、この事に関しては本当に大切だなと思います。

本日は社員たちに理解させるべきレポートの本質的な目的・意味についてご説明したいと思います。

レポートの本質的目的・意味

レポートには以下の3つの目的・意味があります。これを部下にしっかりと説明せずに、ただ提出する事を目的としてしまうとモチベーションも上がらないし、質の高い仕事はできません。

【レポートの本質的目的・意味】
・上司に報告するため
・部下が自分で振り返ることができるため
・部下自身のトレーニングのため

それでは一つずつ見てきましょう。

1. 上司に報告するため

レポートを部下たちに書かせる人の多くの目的はこれだと思います。もし上司が部下全員に仕事の進捗を事細かく「対面」で聞いていたら時間がいくらあっても足りません。

その為 レポートの内容が日々の業務をどれくらいやっているかの指標になりがちなところもあります。


1-a. レポートあるある

しかし、ここで注意。中にはレポート内容が薄いけれども実際にやっている事はちゃんとしている社員もいます。また反対に、レポートはしっかりと書いているけれども、やっている内容が薄い社員もいます。

レポートの内容が薄い社員は、この記事のテーマである「レポートの意味」をしっかりと理解出来ていません。部下全員にレポートの意味について説明するのが上司の役割です


1-b. レポートだけではダメ

上司への報告と言う意味ではレポートだけで報告を完了させてはダメです。レポートを元に上司に対面でポイントを報告させます。この対面で話しているときにレポートだけでは伝わらない何かが絶対に出てきます

その何かにしっかりと気づき、部下をサポートするのが上司の役割。レポートを書いているから対面の報告は不要ではないかと思っている社員もいますので、対面の報告にも意味があるとしっかりと部下に伝えます。

2. 部下が仕事を振り返る為

これはかつて私がレポートを上司に提出していた時に、レポートをしっかりと書く必要があると実感していた事です。取引先に訪問した時のミーティングレポートは事細かく書きました。そのミーティングレポートが同じお客で次回訪問する時にすごく役に立ちます。

例えば、半年前に訪問したお客で、もしレポートを書いていないと確実に忘れてしまっています。取引条件だったり、担当者が何を好きなのか、家族構成までレポートに書いていると次回訪問時に取引内容は完璧に話をできるし、また雑談でも担当者の事をしっかりと覚えているとアピールする事だって出来ます。

他にも、似たような案件を探す時にレポートがあるとその詳細が記録されているので、別案件に効果的に情報を活かすことが出来ます。


2-a. レポートを振り返るツールが重要

レポートの提出方法は各社によってバラバラだと思います。私が過去に勤めていた会社ではエクセルで提出していた事もありますし、自社システムにレポートを打ち込んでいた時もあります。

提出方法は何でもいいんですが、ポイントは「振り返りやすさ」です。エクセルの場合は提出した後に自分の管理用に情報をまとめる必要がありましたが、システムを使っていた時は「顧客名」「案件名」などのキーワードを入力すれば関連するものが一覧出来たので便利でした。


2-b. 情報共有アプリで十分

自社システムを導入するとなるとかなりの費用がかかってしまいます。でも最近は情報共有アプリが秀逸ですし、弊社ではEvernoteを活用しています。EverNoteのNotebookに各案件のNoteを作りミーティングレポートと1週間のTo Doレポートを提出させています。

キーワードで内容が簡単にヒットして出てきて情報を探しやすい、また管理しやすい面でオススメです。


3. 部下の自己管理トレーニングのため

レポートは提出するのが目的ではなく、書かせる事自体が目的です。もしレポートを書かせないとしたら、部下たちは自分で手帳や日記を用いて「やる事」、「やった事」を管理しなければいけません。

しっかりとトレーニングされた人間ならまだしも、新入社員やそこそこの中堅社員ですら自己管理が出来る人というのはマレなものです。


3-a. 高いレベルでの自己管理

私自身が故・スティーブン コビー博士の7つの習慣のファンでして、自分の価値観を明確にした上での目標設定、それに対するアプローチや時間管理を徹底しています。しかし、弊社の社員でこのレベルで自己管理ができる人間がいるかというと残念ながらまだいません。

弊社だけではなく、私が過去に勤めていた会社でも「高いレベルでの自己管理」が出来ていた人なんて一般社員では殆どいませんでした。


3-b. レポートは自己管理トレーニングツール

社員全員に7つの習慣の本を強制的に読ませて、経営者と同じような自己管理をさせようとすると絶対に無理が出てきます。社員たちの意識はそれ程高くありません。だからレポートというツールを使って、自己管理トレーニングをさりげなく行うのです


弊社の例

弊社では毎年 営業スタッフたちに自分で目標設定をさせます。その目標設定に基づいて、どのようなアプローチをとっていけばいいのかをスタッフとともに話し合います。アプローチの管理に使うのがレポート。

弊社がスタッフに書かせる内容は・・・

・今週のすべきTo Do
・毎日の活動報告(超簡潔)
・お客とのミーティングレポート
・1ヶ月ごとの振り返り
・3ヶ月ごとの振り返り
・半年の振り返り


毎週提出させるレポートに今週すべきTo Doをまず書かせます。そしてそのTo Doが出来たかどうかをチェックさせる。また毎日の活動は簡潔に書かせ、お客に訪問時にした内容をミーティングレポートとして書かせます。

そして月末には1ヶ月を振り返らせます。また3ヶ月、半年毎に振り返らせます。やったらやりっぱなしはダメなんで。振り返った時に、自分の行動が目標に向かって良かったか悪かったかが分かるようになります

まとめ

部下たちに最高のパフォーマンスを出してもらうためにもトレーニングは必須です。部下たちが自分自身で本を読んだり、セミナーに行って勉強する事を期待してはいけません。しろと言ってもしません。

だから私たち上司・管理職者は出来る限り簡単な方法・身近な方法でトレーニングを継続させる必要があります。それがレポートです。

レポートを社員たちの自己管理ツールとして使うことが出来れば、普段 手帳や日記を使いこなせていない社員たちでも徐々に自分自身を管理することが出来、高いパフォーマンスを出してくれます。