部下に責任をもって仕事をしてもらう

タイで仕事をしているとかなり多くの日本人の取引先様からこのような話を聞きます。

「うちのタイ人スタッフ達はすぐに言い訳をする」
「うちのタイ人スタッフ達は問題を他人のせいにする」

このような話を弊社のタイ人パートナー(男性)に伝えてみると、タイでは多くがこんな感じだという。また知人のタイ人女性(事務職)に聞いてみると、人によるという。

責任逃れや、言い訳は日本に住んでいる日本人でもある話なので、この記事でタイ人がダメだと伝えるのが目的ではありません。

弊社でもタイ人スタッフを管理しながら事業をしていかないといけないので、タイ人がダメだと決めつけて何も対策をしないのはいわゆる思考停止状態。

ですので、今回は自分なりに対策を考えて実践をしたことを記事にしました。

責任についてしっかりと教える

責任について教える

まず日本人であれ、タイ人であれスタッフ達が保身になる、言い訳する。というのは、そもそも責任についての認識が低いからではないかと思います。

今まで責任を取ったことがない人、言い訳ばかりしてきた人に「責任感をもって仕事をしろ!」といってもイマイチ ぴんと来ていないだと思うんですよね。

だからまず責任について例をもって伝え、理解してもらうことに努めました。

子育てを例に責任について教える

自分の子供が他人や世間に問題を起こした時に、その問題は誰の責任かと考えさせます。

これを平気で「子供が悪い」という人は価値観そのものが違いすぎます。こういう人と仕事は一緒にできません。価値観を変えてもらうといってもこれは本人次第なので、こちらが意図して変えられるものではありません。

基本的に子供がやらかした問題は親の責任です。特に小さな子供の場合。

仕事の責任も同じだと教える

人によっては子育てと仕事は違うといって来そうですが、子育ても仕事も同じ。あなたという個人があり、その個人の人格から子育てと仕事にも影響を与えます

あなたは責任をとる人間であるという人格形成がとにかく重要と教えました。

責任逃れが発生する理由

責任逃れ

これはウチのスタッフ達とコミュニケーションを取っていた時に気がついた事があります。

部下が正しく仕事が出来ていなかった時、多くの場合で仕事を遂行するにあたり細部にわたって明確ではなかった事が原因だったと分かりました。

弊社でなくても、あなたの会社で部下が責任逃れをしている場合、この「明確でない」というのが主な原因かもしれません。

上司、管理者が努力を怠らない

問題が発生した時に素直に、問題の原因を自分にあると認められる人はマレで、多くの場合は自分以外に問題があると考えがちです。

管理者として部下に責任をもって仕事をしてもらうためのガイドラインを明確にするのが管理者の責任。これを疎かにして部下が問題を起こしたら管理者の責任です。

明確なガイドラインを作る

ガイドライン

部下たちに責任について理解をしてもらい、管理者として部下たちが仕事を遂行する為の「明確化」について理解します。

そして必要なのがガイドラインの作成。

私たちの場合では、部下たちにプロジェクト単位や日々の仕事をしてもらうに為に、以下の明確なガイドラインをしっかりと伝える事にしました。

・期待しているゴール・結果
・使えるリソース
・行動に対しての報告
・褒賞・厳罰

ガイドラインを明確にする事で得られるメリット

ガイドラインのメリット

期待しているゴール・結果

部下たちに指示をする時にやってはいけない事の一つとして、「これやっといて」とやる事を伝える努力を怠る事があります。

もちろん仕事内容にもよりますが、重要な案件であればあるほど、仕事を依頼する時に何をもってその仕事が正しく行使されたのかを明確にする必要があります。

これを明確にせずに、部下が完了させた仕事に対して、「こんな事を頼んだんじゃない」と叱ったり、修正させたりするのは管理者の問題です。

使えるリソース

部下たちにやって欲しい事を正しくしてもらうために、部下が使えるリソースを明確にします。例えば、予算や下請け業者。上司からのサポート、ツールなど。

多くの場合で管理者は自分自身では何をどうやるかを知っていると思います。その時に使えるリソースというのも一般社員に比べたら多いし、経験もある。

だから「これらを使って良いよ」と事前に言っておく事で、最初から部下たちに武器を与えるような感じですよね。最初からこれだけが使えるんだと分かれば、部下がそれほど頭を使わなくてもやるべき事を実行する事が出来ます。

行動に対しての報告

どれくらいの頻度で報告させるのかも決めておく必要があります。仕事が終わってから報告させるのか、定期的に報告をさせるのか。

報告がないと物事が正しく進んでいるかが分かりません。途中で進んでいる道がずれていたとしても、マメな報告により軌道修正をすることが出来ます。

ちなみにタイ人には報告という文化がないのか、こちらが仕事をふってもそれに対しての報告が出てこないのはしばしばあります。なんでこっちから毎回聞かないといけないんだ。と思ってしまいますが、報告の重要性を理解させる必要がありますね。

褒賞・罰則

これがかなり重要です。褒賞には金銭的なものと心理的なものがあり、金銭的な褒賞ばかりを出してしまうと、餌がないと動かない社員に出来上がってしまいます。

心理的な褒賞とは感謝であったり、その人が認められるという事も含めてです。感謝や部下を認める努力をするのは管理者の責任ですよね。

弊社では部下を認めるという事に徹底しています。出来たことに対して適切にフィードバックをする。部下が何が出来るようになったのかを再認識させ成長を実感させています。

そして罰則に対しても事前にしっかりと伝えます。これがないと部下が仕事に対して緊張をもたなくなるから。強すぎるストレスはよくありませんが、適度なストレスは仕事の質を向上させ、また部下にとってもダラダラ仕事をさせないために重要な事です。

まとめ

部下が責任を取らないというのは、責任についての重要性を理解していないとか、どのようにして仕事をして良いかわからないという状態であったりもします。これを一方的に部下の問題としてしまうのは管理者の問題です。

管理者として部下を尊重する優れた人格を持ち、自らも責任をもって部下の育成に取り組みましょう。