物語で価値を伝える方法

ストーリー

ストーリーを効果的に活用できていますか?

iino

コピーライターは商品やサービスのプロモーションを作るときにストーリーを文章内に出来る限り入れようとします。それはストーリーには人を惹きつける力があるから。


先日、タイ・バンコクにある行きつけの古本屋を訪れた時の話です(当記事筆者の飯野はバンコク在住)。普段よく本を読む私は、毎週末 行きつけの古本屋2件ほどを散策して、掘り出しものがないかと楽しんでいます。

※こちらでは本が日本から輸入されるので、輸送費や関税?がかかっているので高いんですよ。。本当に読みたい本は紀伊国屋書店で新品を購入しますが。



そして先日、古本屋のビジネス書が並んでいるところで、女子高生のイラストが書かれている本を見つけました。「もしドラ」です。

女子高生が部活でビジネス書を活用するストーリー

もしドラ
正式なタイトルは「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネージメント」を読んだら」。

当時、ベストセラーになり注目を集めた本なので、もしかしたらあなたも読んだことがあるかもしれません。確か映画化もされてましたよね。本も映画もどちらみていなかったので、古本屋で100バーツ(約360円)をはたいて購入。



この本の話の簡単な内容としては、タイトル通りです。

公立で進学校のある女子高校生が野球部のマネージャーになることを決意。「マネージャー」というものについて学ぶために本屋の店員の勧めでドラッカーのマネジメントを購入。

間違った本を買ったと思いながらも、世界で最も読まれているマネジメントの本ということもあり、せっかくだからこの本を一度読んでみるとある言葉に感銘し涙します。

そしてこの本を使って野球部をマネジメントしていき、今まで弱小で全くやる気のない野球部に改革をもたらし、甲子園まで進んで行くというストーリー。



話も簡単で読みやすい本でしたので、2日で完読しました。もし私がドラッカーのマネジメントを購入して読んでも2日で読み終えることは出来ません。

またドラッカーのマネジメントの内容を分かりやすく野球部というクラブ活動での各シーンにおいて取り上げられているので、非常に理解しやすかったですね。

また読みやすいから何度でも読んで理解を深めることも出来ますし、本物のドラッカーのマネジメントにも興味を持ちました。

このように少しわかりにくい・難しいコンテンツを分かりやすく伝える方法としてストーリーを活用することも出来ます

他にも・・・


関西弁を話すゾウの神様が成功に導くストーリー

夢をかなえるゾウ
他にも、自己啓発本の「夢を叶えるゾウ」でも同じことが言えます。

自己啓発が好きで、この本を読んだことがある人ならわかると思うのですが、自己啓発のコンテンツとしては結構ありきたりな話です。

靴を磨く、自分の得意なことを人に聞く、自分は運がいいという、自分をほめるとか。

しかし、これを関西弁を話すゾウと主人公のストーリーとして伝えることで、この本もベストセラー。ドラマ化もされていますよね。




ハードボイルドな主人公がウェブマーケティングで戦うストーリー

沈黙のウェブマーケティングウェブライダーさんの「沈黙のウェブマーケティング」。

ウェブマーケティングについて、ボーン片桐という凄腕のウェブマーケターがある悪徳SEO業者に騙された家具屋さんを救済し、成功までに導くストーリー。

ウェブマーケティングについて普通に説明をすると、横文字(カタカナ語)ばかりになりがちでまたシステムの話も出てきたりもするので、慣れていない人には全く分かりません。

しかし、これを小説にして、しかもハードボイルドな主人公を持ち出すことで、そのギャップから興味関心がぐっと深まり内容が理解しやすくなります。なぜウェブでハードボイルド?と思いますよね。

コピーライティングやコンテンツマーケティングの概要についても面白く表現されていますよ。



お客に頭を使わせてはいけない

中小企業の経営者、駆出しの起業家にありがちなのは、「これくらいだったらお客は分かるだろう」というお客任せの考えをしてしまうことです。

あなたは自分自身の商品・サービスのことなので、それについて非常に詳しく知っています。しかし、お客は「全く知らない」と考えたほうが良いです。それを分かりやすく伝えるのがストーリーです

上述した、「もしドラ」「夢を叶えるゾウ」、「沈黙のウェブマーケティング」はコンテンツですが、ストーリーはもちろんコンテンツ以外でも使えます。



お客はストーリーを購入する

先日、ネットで名刺入れを買った時の話です。長年使っていた名刺入れをなくしてしまったので、ある気になっていた名刺入れについてインターネットで色々と情報を入手しました。

名刺入れなんて今時どこでも売っています。タイではある革製品が有名な地域でそこそこ良いものが安く買えたりもしますし、もちろんデパートでも売っています。

私が気になっていた名刺入れは「甲州印伝」です。



甲州印伝




気になっていた一つの理由はデザインです。知り合いが甲州印伝の名刺入れを使っていて、デザインがかわいいなと思っていたので、今回の名刺ロスを機会に色々と調べてみましたところ、やはりストーリーがありました

甲州印伝は鹿革と漆を使った山梨県の伝統工芸です。古くは戦国武将が鎧や兜といった武具の一部にも使われており、江戸時代には、この鹿革に漆付けする独特の技法が巾着、莨入れ、早道などが当時の上級階級の人たちに大変珍重されたそうな。

(株)印傳屋上原勇七の上原家は信濃武将 上原家の血筋でその当主は代々 上原勇七を名乗り、現在では13代目 上原勇七がその技法を守っているとのこと。

詳しくはこちら



こうなると今回私が購入した名刺入れはただの名刺を入れるものではありません。500年以上もの間 その独特の技法が継承されて作られたものです。このストーリーに惹かれて、今回 私は甲州印伝の名刺入れを購入しました。



また他にも、オーガニック 美容オイル「アルガンオイル」

アルガンの木
私がアルガンオイルという美容オイルを販売していた時ですが、アルガンオイルのストーリーを常にお客に伝えていました。

アルガンオイルはモロッコ西部の砂漠にのみ存在する、アルガンの木の実から取れるオイルです。古くはエジプトのクレオパトラも愛用したオイルともいわれ、永続的な美にまつわるストーリーがあります。

更に、アルガンの木の実を取るのは、モロッコのバルバル族という部族の女性たち。アルガンオイルを日本の女性たちがより使うことで、バルバル族の女性たちに仕事が増え、さらにアルガンオイル協会がこの女性たちの教育・社会進出の支援をするというストーリーがありました。

1本のアルガンの木というものから美容、雇用、教育が生まれるのです。



このようにストーリーをもってその商品の価値を伝えることが非常に重要です。お客は商品自体を購入しているのではなく、ストーリーも含めて購入しています





まとめ

あなたの商品にもストーリーはあります。開発ストーリーや原材料の歴史。またその商品が世に出回ることでの社会的貢献もストーリーになります。お客に商品の価値を分かりやすく・正しく伝える為に今すぐにストーリーを活用しましょう。