あなたの商品の魅力・利点・価値をお客に簡単に伝える方法があります。もしあなたがインターネットを使ってビジネスをしているのなら、文章で商品・サービスの魅力を見込み客に伝えなければいけません。
その方法を知らない人達にみられる多くの共通点は、ただ商品特徴を羅列しているということ。これでは見込み客の感情は刺激されず購入する事はありません。
今回は簡単に商品の魅力を伝えるテクニックについてご紹介します。このテクニックはコピーライティングで必ず使われている「ベネフィット」の書き方です。これをあなたも習得することで 商品の本当の魅力や利点、価値の伝え方を理解し、売れるセールスレターを書く事が出来ます。
【目次】
1.ベネフィットとは
2.徹底的なリサーチ方法
3. ベネフィットの書き方 4ステップ
4. シュガーマンに学ぶ、お客を煽らない方法
1. ベネフィットとは
お客が商品を買う理由は、その商品自体が欲しいのではなく、その商品を通して得られる結果を求めるているからです。お客は自分の欲求を満たす「問題解決」の為に商品を買うのです。
例えばダイエットDVDの場合、DVD自体が欲しいわけでもありませんし、運動する為のツールが欲しいわけもありません。ダイエットDVDを通して、運動することによって得られる引き締まった身体。そしてそれによって異性にモテたり、自尊心が高くなったりすることを求めています。
2. 徹底的なリサーチ方法
ベネフィットを書く為にまず最初にしなければいけないのは、徹底的なリサーチです。ベネフィットを書くこと自体は慣れてしまえば非常に簡単なのですが、その前に入念にリサーチをしないとお客の感情を動かすベネフィットは書けません。
1. 見込み客のリサーチ
同じ商品であってもベネフィットはお客によって異なります。ダイエットDVDの場合、このようにベネフィットが分かれる場合があります。
A:体重を減らして異性にモテる為
B:ジムに行く時間を節約し、一日に一定の身体を動かして健康を維持する為
これらの違いを明確に把握するために、以下のようなリサーチを行います。
ペルソナの設定
あなたの商品を購入して使ってくれるお客は誰なのか。お客を知らないと適切なメッセージを書くことはできません。その為にまずペルソナを設定します。
ペルソナとはあなたの商品・サービスを購入してくれる具体的なお客の例です。ターゲットを更に明確にしたものというと分かりやすいと思います。もし、あなたが自分の商品を購入してくれるターゲットとして、「年齢・性別・職業・住所・家族構成・収入」などとしか決めていなければ不十分です。
ペルソナという実際の人物と言えるくらい具体的なターゲットに向けてセールスレターを書くことにより、あなたのメッセージがよりそのターゲットに突き刺さりやすくなります。具体的なペルソナの作り方は、バカ売れキャッチコピーはこう作る!4つのお客の心理から徹底分析に記載しています。
感情ニーズのリサーチ
ペルソナが決まったら、次に感情のニーズについてリサーチします。その感情のニーズを知る質問がこの4つになります。
・見込み客の悩みは?
・見込み客の欲求は?
・見込み客の悩み・欲求の本当の理由は?*ダイエットして、異性にモテたいなど。
・見込み客が悩み・欲求を満たすモノを得た時に、どのような感情になる?
この質問に答える為に、自分で見込み客の気持ちになって答えてもいいですが、実際に商品を購入してくれたお客に質問することもできます。後者の方がより具体的で・明確な感情のニーズを知ることが出来ます。
2. 商品のリサーチ
見込み客のリサーチが終わると、次に商品のリサーチをします。まず最初に商品の特徴を全てリストアップします。
PCの商品特徴の例
モニター:12インチ
ハードディスク:100GB
ブランド:アップル
重量:990g
色:シルバー、など。
整体院の特徴の例
マッサージ:肩・腰・足
場所:〇〇駅から徒歩△分
設備:ベッド5台
従業員:6人、など。
商品の特徴を探すのは簡単です。実際に自分で使ってみてどのような機能・特徴があるのか、どんな小さなことでもいいので全てリストアップしましょう。
見込み客のリサーチと商品のリサーチをしっかりしないと、お客の感情を動かすベネフィットを作ることはできません。この準備がとても重要ですので、十分に時間をとってリサーチして下さい。更に具体的なリサーチ方法については、情報収集ツールボックス 22のリサーチポイントに記載しています。
3.ベネフィットの書き方 4ステップ
ベネフィットを書くという事は、商品特性とお客の接点を見つけるという事です。見込み客があなたの商品を買いたくなる理由を、感情と合理性の両方から見極める事で突き刺さるベネフィットを書くことが出来ます。
次に具体的なベネフィットを書くための4ステップをご紹介します。
1.フィーチャー
上記では商品をリサーチし、特徴を全てリストアップするとお伝えしました。ここでは商品の特徴以外にも、商品の「目的」や「証拠・信頼性」も含めてリストアップしましょう。
1.特徴:商品機能・サービス提供の場所・時間・人的リソースなど
2.目的:何のための商品なのか
3.証拠・信頼性:お客の声、権威の声
2.リーズン
次にその商品特徴がある理由を考えましょう。すべての商品特徴にはそれが存在する理由があります。例をみると分かりやすいと思います。
例:ノートパソコン
特徴1:ハードディスク 100GB
理由1: 沢山の動画や画像が保存できる
特徴2:重量 990g
理由2:軽い。持ち運びが簡単。
特徴3:メモリ16GB
理由3:情報処理が早い。PCがサクサク動く。フリーズしない。
このように特徴を理由に変換することが次のステップです。リストアップしたすべての商品特徴の横に理由を書き出してください。
3.ベネフィット
次にリストアップした理由をベネフィットに変換します。特徴から商品の存在理由を書き出すにあたっては、商品のみのリサーチで大丈夫ですが、それをベネフィットに変換するとなるとお客のリサーチが必要になります。
前述しましたが、お客によって重要と感じるベネフィットは異なります。
商品の特徴・理由を通して見込み客が得られる結果(ベネフィット)の例を書くと以下の例のようになります。ペルソナ(具体的なお客の例)も参考にして下さい。
例:
商品:ノートPC(Mac Book Air)
お客:フリーウェブデザイナー(男性、34歳、埼玉在住、既婚、趣味:写真、友人と遊ぶ、年収:600万円、価値観:業界で有名デザイナーの兄に憧れてる、長所:素直・まじめ、短所:単純、あまり深く考えない、身長:183㎝、体重:82㎏、口癖:お前なぁ、好きなテレビ:The Manzai、好きな音楽:K-Pop、好きな雑誌:プレジデント)
特徴1:ハードディスク 100GB
理由1: 沢山の動画や画像が保存できる
ベネフィット1:沢山の写真が撮れるので奥さんや友人たちとの思い出を沢山保存する事ができ、いつでも編集たいときに簡単にデータを取り出すことができます。外付けHDとは違い、PCを持っている限り いつでもどこでも、思い出写真はあなたの手の中にあります。
特徴2:重量 990g
理由2:軽い。持ち運びが簡単。
ベネフィット2:とても軽いので気軽に持ち運びすることが出来ます。オフィス以外でも仕事が簡単にできるので、いつもと違ったデザインが公園やお気に入りのカフェでは思い浮かぶかもしれません。またデザイナ―にとってはアソビでも使えるPCです。友人と撮った面白動画をその場で編集するには、やはりノリもPCも軽くないと。
特徴3:メモリ16GB
理由3:情報処理が早い。PCがサクサク動く。フリーズしない。
ベネフィット3:マルチタスクなあなたはお気に入りのK-Popを聞きながら、動画の編集と画像の編集を同時進行にするかもしれません。そのPC動作をスムーズにするだけの容量が16GBのメモリにはあります。作業が順調に進んでいるときに突然のPCフリーズはストレスですよね。このPCではそれは絶対に起こりません。
ベネフィットを書くときのポイント
ベネフィットを書くときは以下のポイントを意識して書きましょう。これらのポイントはあなたが作りだすベネフィットを見込み客にとってより魅力的にしてくれます。
・すぐに結果が手に入れられることを強調する
・簡単であるという事を強調する
・必ずあなたという言葉を使う
・お客の頭にイメージが浮かぶように伝える
・エモーション
最後にベネフィットと感情を結びつけます。感情が動かされたときに人は行動しますので、このパートは非常に重要です。下記の例のように感情に結び付く言葉を使うと、見込み客が本文を読んでいるときにその感情を共感できるようになり、グッと伝わります。
先ほどの同じPC、同じペルソナで例をあげます。
商品:ノートPC(Mac Book Air)
お客:フリーウェブデザイナー(男性、34歳、埼玉在住、既婚、趣味:写真、友人と遊ぶ、年収:600万円、価値観:業界で有名デザイナーの兄に憧れてる、長所:素直・まじめ、短所:単純、あまり深く考えない、身長:183㎝、体重:82㎏、口癖:お前なぁ、好きなテレビ:The Manzai、好きな音楽:K-Pop、好きな雑誌:プレジデント)
友人や家族との思い出を大切にするあなたには、100GBのハードディスクと16GBのメモリは必須。あなたが編集したクオリティの高い画像集や動画、好きな音楽を沢山保存できるだけでなく、それらの重たいデータを同時に起動させたとしてもサクサク動きます。
突然のPCのフリーズはストレスですよね。また動作が遅くなるのもイライラしてしまいます。でもこのPCの情報処理能力なら問題ありません。その早さ・快適さにあなたはきっと驚くでしょう。
更に軽くてどこにでも持ち運びが出来るので、天気のいい日に公園やお気に入りのカフェなどで、リラックスしながらいつでも好きな時に、遊びや仕事に使えます。快適なコンディションで作ったあなたのデザインには多くの人が感動し、デザイナーとしてのキャリアを構築することが出来るでしょう。
上記の例はたった3つの商品特徴から作ったものです。商品には沢山の特徴があります。すべての特徴をベネフィットに変換し、見込み客の感情が動くキーワードを含めて文章を書き、商品の魅力を伝えましょう。
4. シュガーマンに学ぶ、お客を煽らない方法
このベネフィットの書き方を習得すると、どのようにアピールすれば合理的と感情がマッチする事がわかります。このテクニックを使うとお客の感情を意図的に動かすことが出来るので、商品を売るときにお客を脅して売ることもできます。
アメリカのダイレクトレスポンスマーケティングの権威ジョセフ・シュガーマンは防犯ベルを売るときにこのような事を考えました。「犯罪統計などを使ってお客の恐怖心をあおっても売れない。」だから、シュガーマンが使った販売コンセプトは信頼性と簡易性でした。
お客を脅して売る間違い
犯罪統計などを用いて「あなたが死んだら、奥さんやお子さんを路頭に迷わせるつもりですか?」と脅すような言葉を使い、お客の恐怖心をあおる。シュガーマンはこのような販売方法は間違いだとして、次のようなコンセプトを創りだしました。
シュガーマンの防犯ベルの販売コンセプト
万が一の時に確実に”鳴る”為に商品の信頼性の高さと1つ1つを試験して出荷。また取り付けが非常に”簡単”なので、業者を呼んで配線工事などもする必要はない。そして宇宙飛行士のウォーリー・シラーを”推薦”者とさせた。
このシュガーマンの販売方法で売った防犯ベルは、広告を打ち切った後でも、注文が止まらない程ヒットしました。このように商品を販売するときに、お客にどの商品特徴をアピールするかで、販売方法が決まります。
多くのコピーライティングの講座や商材に見られるのは、このような煽り系の販売方法。お客の恐怖心をダイレクトに煽ることは簡単です。しかし、ビジネスの継続にはお客との信頼性が必要になります。煽られて商品を購入したお客は、その商品がその派手なコピーに見合う価値がなければ、お客は裏切られたと感じ離れてしまいます。
まとめ
商品機能の羅列ではお客の感情は全く動きません。このベネフィットの書き方は商品の本当の魅力を伝える為に必須ですので、必ず身につけたいテクニックです。実際にはベネフィットの書き方自体は簡単です。その前にしっかりとリサーチをしていることがお客の感情が動く文章を書くためのポイントになります。
お客の感情を動かすというのは煽ることではありません。お客の心をかき乱すようなコピーを書き、いかに商品が優れていると感じさせても、商品はコピーを越える事は出来ません。使い方次第でお客を幸せにしたり、不幸にしたり出来るテクニックですので、モラルを守って使っていただければと思います。