いきなりだが質問がある。ビジネスを車に例えると前に進むための大切な両輪がある。それは何だろうか?
それはマーケティングと商品力だ。
この2つのどちらが一方だけ優れていたら良いと言うわけではない。そして多くの人たちはこの「違い」をちゃんと理解していない。
飯野さん、マーケティングと商品なんて知ってますよ。
イキるんじゃない。少なくとも僕はこの違いを25歳で初めて副業を始めてから10年以上気がつかなかった。また誰も教えてくれなかった。
そして一回、詰んでしまった。。
そして この2つの違いが理解できて分けて考えられるようになってからは立てた企画の成功率が上がった。※それでも今でも失敗はよくするぞ。
商品・サービスを売る為には何をしたら良いかが整理して考える事が出来るようになったからだ。
最近ではビジネスの相談もたまに受けるが、多くの人たちがこれらの2つがゴッチャになっている人が多いという印象だ。かなり複雑に考えてしまっているのだ。
なので今回は僕の実体験も含めてこの大切なビジネスの両輪の話をしていこうと思う。
マーケティング信者と商品信者
僕が初めて副業や起業をした時だが完全にマーケティングのみしかやっていなかった。マーケティング力のみを高めた若い兄ちゃんはどんな事を思うのか?
俺、何でも売れるわ。
そうなのだ。こういう勘違いを起こしてしまうのだ。この痛い考えをしてしまうと待ち構えているのはビジネスの失敗や借金である。
一方で商品主体の考えを持つ人だとどうなるか?
「この商品は本当に良いものだから。」「こだわって作っています。」「愛情を込めて作っています。」
個人的には商品主体の個人事業主が多い印象で、こんなに手間暇かけて作った商品なんだからきっと皆んな分かってくれるはず!という状態で売れないというのはよくある話。
僕がブラック企業に勤めていた時の話だが、社長が商品第一主義な感じだったので「この商品が売れないわけがない!」「売れないのは営業のせいだ!」などと物凄いプレッシャーをかけていた。
商品企画部に所属していた僕は申し訳ない気持ちも少なからずあった。。
偏った先に見えたもの
さてこのように「マーケティング主体」、「商品主体」の偏ったアプローチの両方を経験した僕だから詳しく説明出来る事があると信じている。
これからマーケティングと商品について、それぞれ分けて解説をしていこう。
マーケティングって何?
そもそもマーケティングとは何か?
個人的に最もピンとくる定義はピーター・ドラッガーのマーケティングとはセールスを不要とさせることだという定義だ。
なるほど。営業をしなくても商品が売れるようにするんだな。欲しい人の目の前に商品をポンと置き適切な価格を伝える。これで取引が決まる。簡単だ。
セールスを不要 = 欲しいお客を”見つける” & “教育”する事とも理解している。
その為にSNSを使ったり、動画を使ったり、質の高いコンテンツを書いたり、ブログやメルマガを使ったりする。
売り込まなくてもそれぞれの媒体でポンと商品について案内をすると売れる。こんな状態を作る事が優れたマーケティングなのだ。
新しいツールや手法に振り回されるな
マーケティングの本質と言っても良いポイントを理解したら、次はこれだ。
新しいツールが世の中に出てきたら、いち早くそれを使って「その使い方を極めました!」「ビジネスに使える方法を教えます!」と声をあげる人がいる。
そして、それに釣られる人たちもいる。
それは大体が同じ人で「また情弱を狙っているな」と滑稽に思えてしまう。
そして〇〇マーケティングという名前をつけて販売しているケースが多い。Facebookマーケティング、Twitterマーケティング、Youtubeマーケティング、インスタマーケティングとか。
TwitterやYoutubeはマーケティングではなくプロモーションとしてのツールの一部だ。中には飲み会マーケティングというのをやっている人もいる。飲み会は飲み会だ。
マーケティングの本質をドラッガーの定義として理解すれば、手段が変わってもやることは同じだということが分かる。
次から次に出てくる新しい情報に惑わされることなく、本当にやればいい事が分かるだろう。
マーケティングでやることとは?
では具体的にマーケティング(=セールスをなくす為)をするのに何をしたら良いのだろうか?大まかに分けてこの4つである。
1. 見込み客を集める
2. 見込み客と関係を構築する
3. 商品を提案する
4. 何度も購入してもらう
これは昔も現在も変わってはいない。5年程前はとにかく見込み客のリストを集めてそこに対してステップメールやセールスレターを使って売り込んでいくスタイルだった。※Webマーケティングの話。
しかし、お客の警戒心も上がっている。知らない人から購入するのはリスクであり、逆に信用がある人からの推薦には思考停止で良いと感じてしまう。
人の心理とはそんなもんだ。
そして現在のマーケティングで便利で使いやすく、または世の中で流行っているツールを使って行われている。
ツールが変わる事でプレイ方法も若干異なるが、基本的に概念は同じだ。一つずつ解説していこう。
1. 見込み客を集める
見込み客とは君自身や君の商品・サービスについて興味を持っている人たちの事だ。※君自身というのは結構重要だ。
以前ではとにかく見込み客のメールアドレス集めだったが最近はSNSが主体である。
Twitter界隈ではフォロワーを集める為に日々 色んな企画などが行われている。Youtubeでも「チャンネル登録よろしくな」と動画内などで伝えるのもこの見込み客集めである。
ではどうやって見込み客を集めるのか?
見込み客の集め方の例
1. ターゲットの選定
2. 発信内容の厳選(トライ & エラー)
3. 自分の個性を出す
4. 認知頻度を増やす
- 発信の頻度を上げる
- 有名人に拡散してもらう
- 広告を打つ
- 複数の媒体で発信する
5. 他の人に紹介をしてもらう
- 人脈を広げる
- 人の人脈を活用する
- 紹介してくれた人に何かあげる(企画)
昨今のネット界隈ではTwitterのフォロワーの増やし方、Youtubeのチャンネル登録の増やし方などが有料・無料で沢山転がっているので一通り読んでみよう。
大体上述したような事が詳しく書いてあるから。
物販の場合
物販の場合は商品力が影響してくるので、商品内容や価格によってこの「見込み客を集める」「関係を構築する」というステップを省略できる場合がある。
上述している見込み客を集める方法については「高額商品」や「説明が必要な商品」の場合には必須となる。
詳しくは商品力のパートで解説するのでこのまま読み進めて欲しい。
2. 見込み客と関係を構築する
見込み客を集める事が出来たらその関係をより強固なものにしていかなければいけない。
最近では「現金」より「信用」を持っている方が有利なので信用を集めましょうという風潮が強い。
当たり前だが信用出来ない人から物を買うなんて事は誰だってしたくない。なので見込み客と関係を構築し信用を積み上げるにはコミュニケーションが必須となる。
一昔前はステップメールを使ったので一度設定したら楽だったのだが、時代はよりリアルなコミュニケーションを求めている。
最近ではSNSを使ってライトにフォロワーとコミュニケーションを取れるようになり、Twitterでは気軽に発信者に絡む事ができる。たまにクソリプも飛んでくる。
他にもYoutubeで発信者の動画を見たり、Voicyでラジオ感覚で発信者の情報を確認するなどがある。
もの凄く時代が早く動いている感じがするが、ツールが変わっただけでコミュニケーションによる信頼構築は変わっていない。
ネットを使ったビジネスだとツールの目新しさに多くの人が勘違いするのだがいつの時代も商売で大切なのは人間関係なのである。
3. 商品を提案する
見込み客と関係が出来たらあとは商品をポンと置くだけだ。君の信用が十分に足る場合、見込み客は他の誰かではなく君から買ってくれる。
ここで少し商品力の内容に被るのだが、お客には予算があるというのを忘れてはいけない。
いくら信用を構築する事が出来たとしてもお客の予算を遥かに超える商品をいきなり提案すると売れない。
物事には順序というものがあるのだ。
高額商品を販売するテクニック
少し余談だが高額商品を販売するテクニックを紹介しよう。それは徐々に販売する商品の価格を上げていくのだ。
高額な情報商材や高額のエステサービスで上手くいっている所はこの手法を取っている。
安い体験コース → 少し価格が低めのパッケージ → 他の気になる部位のケア → 高額なスペシャルパッケージ。
このように少しずつお客が使う金額を上げていく。いきなり高い金額を言われるより心理的な負担は軽くなる。
高額エステで一般的に問題になったのは、体験→高額なコース&チケットの販売と見込み客の感情を煽りまくり、大した関係構築もせずたったの2ステップで販売したからだ。
ローンの支払い通知が来ると購入者も冷静になり解約や返金を求めて弁護士に駆け込む人が続出したという。
話が少しズレてしまったが、とにかくお客には予算があるというのを十分に理解しておこう。
4. 何度も購入してもらう
沢山のリピーターがいるというのは、経営に置いてとても心強いもの。お客が生涯において何度も何度も君から買ってくれるという状況を作り出さなければ経営はマジでしんどい。
これは商品やサービス内容にもよる。車や住宅の販売の場合、一人のお客が何度も買ってくれるものではない。なので周辺の商品・サービスも取り扱う必要がある。
2回目以降の販売は1回目に比べてハードルが低い。一回売ったら売り切りとしてお客をそのまま放置してはいけない。
お客は常に買うのだ。だったら他の誰かではなく君が売ってあげよう。
昨今ではSubscriction(通称:サブスク)と呼ばれる継続課金モデルが注目されている。
PCのソフトウェアを販売していたAdobeも今ではソフトの売り切りではなく、利用料を毎月支払うサブスクの収益モデルだ。
また自動車業界もMaas(Mobility as a Service)と自動車だけでなく、音楽やホテルの予約など継続的なサービスの提供に時代がシフトしている。
これはビジネスモデルの話にもなるのだがお客に何度も買ってもらうというのを忘れると事業の継続は難しくなるので注意しよう。
当たり前だと思う人もいるだろうが結構出来ていない事業が多いのが実態だ。
間違いだらけのUSP
マーケティングを勉強していると「USP」という言葉を聞く事になる。日本語では「独自の強み」という意味合いで使われている。
初めて聞いたという人は「USP 強み」で検索すると、これでもかというくらいブログの記事などの情報が出てくるだろう。
多くのマーケティング コンサルタントは「独自の強みを見つけましょう」「作りましょう」と言うので、変にキワダチすぎた強みを肩書につけて活動している人たちは少なくない。
例えば、「ダイヤモンド集客コンサルタント」や「キラキラハッピー愛を奏でるセラピスト」。
この肩書きを見て意味不明だと思うのは僕だけではないだろう。
ハッキリ言うが強みというのは変に際立つ事ではない。
強みって何だろう?
ビジネスでの強み・強いというのは、他者と比較して優位であるという事だ。
もし君が小学校低学年の子供と相撲をとったらほぼ100%勝てるように、相手が弱い時点で自分の強みを探す必要はない。
もしくは相手が少ない所で戦えば強みも何も必要ない。
個人、組織、資本の違いは関係ない
強み強みと言って肩書きがキワダチちすぎている人たちは主に個人ブログのプロフィールや異業種交流会とかの名刺でよく見られる。
アメブロとFacebook界隈でもよく見られる。
逆に中小企業の社長さんたちで、そんな変な肩書きを名乗っている人はほとんど見た事がない。
これは個人で仕事するのか、組織で仕事するのかの違いだろうか?資本の違いだろうか?
違う。個人であろうが、起業したてであろうが、変な肩書きを名乗ってまで強みをアピールする必要はないのである。
勝てるところだけで勝負する
マーケティングとは最適化でもある。最も適した所にアプローチを仕掛けることが大切だ。例えばバンコク在住の35歳女性の育児コンサルタントの場合。勝てる所は何だろうか?
バンコクで育児コンサルしている人は少ないだろうから、特に強みを強調する必要はないだろうが。
ライバルを把握しよう
バンコクを例に上げると少しイメージが付きにくいかもしれない。なので東京の江東区にしてみよう。
江東区に育児コンサルタントが他にいないのであれば、変な肩書きを強みとして名乗る事ではなく必要な事は告知をする事だ。
もし東京の江東区に実績のある強いライバルが沢山いるのであれば場所を変えて告知する。例えばバンコクに来るとかww
もしくは育児の悩みを細分化して専門性を強調しそれを告知する。
こうすることで変な肩書を名乗らずとも市場で一番になることが出来、お客を獲得しやすくなる。
多くの場合は告知が圧倒的に足りていない
変な肩書きをつけてインパクトを出す。コンサルタントと一緒に考えて何か努力した感じがするかもしれないが、無意味な努力だ。
それよりももっと努力すべきなのは数をこなす事だ。
Twitterでツイート頻度を上げる、インフルーエンサーに礼儀を持って絡む、Youtubeなら沢山動画をアップする。それを告知する。色んな友人にもお願いして告知を助けてもらう。
営業する。広告費を使う。広告効果を測定して改善する。見込み客になりそうな人たちを紹介してもらう。人脈がある人に礼儀を持って接して協力をしてもらう。人脈の棚卸しをして会いに行って話をして協力してもらう。
ランサーズやココナラでスキルを売る。実績を積む。などなど。
飯野さん、地味すぎるし こんな情報ありきたりです。
バカモノ!ビジネスは漫画やゲームではないのだ。
必殺技でバシーンと決めるより、弱パンチを地味に当て続ける。これをせずに波動拳ばかり撃っているから勝てないのだ。
海外でも成果を出せる
これは僕自身の話だが、国際物流業者としてタイで活動してすぐに結果を出せたのは、自社の強みが「輸出」の物流を扱う事だと理解したからだ。強みを作ったのではない。
そこで仕掛けたのは日系企業への輸出のサービスを”だけ”を告知する事。飛び込み電話→アポ→見積もり→成約→飛び込み電話の繰り返しをした。
この一点突破だけで輸出の物流の取り扱いから始まり輸出以外の物流も取る事が出来て高い業績出す事が出来た。
キラキラハッピー ロジスティクスの専門家、飯野です♪
なんて名乗る必要は全くなかった。
マーケティングリサーチが必要になる
勝てるところで戦おうと言ったが、君が勝てる所を知るにはリサーチが必要だ。このリサーチを怠ると事業を開始してから中々売れない。
そして変なコンサルタントに強みが大切だと教えられ「キラキラハッピー◯◯」とか「シンデレラ〇〇」とか「ダイヤモンド◯◯」とか変な肩書きをつけるようになってしまう。
多くの人はリサーチの重要性も理解していないし、また地味なリサーチも面倒だからやらない傾向がある。
リサーチするのは自分の商圏のみで良い
インターネットを使ってしか集客アイディアがないから、ネット上にいる強いライバルと比較して変な肩書きをつけてまで強みをアピールしなければいけなくなる。
確かにSkypeなどを使えばどこの誰でもサービスを提供できる。しかし最も有効な顧客獲得手段はリアルで実際に会う事だ。
営業をバカにしてはいけない。
君がお客が会いに行ける範囲で(お客が知っている中で)一番になれば良いだけなのだ。
何をリサーチすれば良いのか?
具体的なリサーチ方法を以下の記事にまとめている。面倒くさがらずに実際にやってみて欲しい。
http://bekkaku-biz.com/gensoku/how-to-research/
「商品力」を科学する
さて、次は商品力について話をしよう。
「こんなに良い商品なんだから絶対に売れる!」このように思っている人は 商品自体しか見えてない。
商品を作るとき・仕入れる時にまず第一に考えなければいけないのはお客の事である。
以前、家具の製造販売で高い成果を出している経営者さんとお話をした時に印象に残った話をシェアしよう。
この家具の経営者さんが成果を出している理由はマーケティング以外にも商品力の強みがあったからだ。
質問だが、家具の売れ筋って何だろうか?少し考えてみて欲しい。
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家具の社長さんはこのように教えてくれた。
家具の売れ筋って何ですか?
学生・新社会人用のベッドです。
これはこの家具屋さんの場合なので、全ての家具屋がベッドばかり売っている訳ではないと補足しておく。
しかし流石だ。しっかりとターゲットを設定していて、そのターゲット(大学生・新社会人)が買いやすい価格を実現していること。※ここがポイントだ。
ベッドって1度買ったらずっと使う印象だったが、これらのターゲットは引っ越しをよくするので買い換えが頻繁に発生するとのこと。
そして、そのベッドの価格は2-3万円。この値段なら1度買って3,4年で引っ越しするタイミングに買い替えてもそれ程負担ではない。
“利掛け主義”と”入り値主義”
商品の販売価格を決める時には2つの考え方がある。
・利掛け主義
多くの中小企業の経営者や個人事業主は商品の売値を決めるときに原価の○○%の利益をのせて価格設定をする。これが利掛け主義。
・入り値主義
この家具屋の社長のケースは先に2-3万円とお客が買いやすい価格に売値を調べて・決めて、そこから原価を設定していく方法。これが入り値主義。
お客の使う立場・買う立場で考えて商品開発をする。
売値を決めて、そこから原価を決めていく方法は沢山ある。
重要!原価に影響を与えるものを変える
・仕入れ先を変える
・素材を変える
・製造方法を変える
・物流を変える
・販売立地を変える
・販売方法を変える
などなど。
このように原材料の決定・集荷から、生産・消費の終了までの全過程をプロデュースすることをマーチャンダイジングという。
この経営者のベッドの製造工場はもちろん海外だった。
段ボール屋さんの例
他の例をあげると、段ボールでベビーベッドを作って成功した段ボール屋さん。ベビーベッドの使用期間は1年くらい。
これくらいの期間しか使わないのでベビーベッドは赤ちゃんを安全に寝かしつけるという機能さえ満たしていれば高い木材である必要はない。
来年の1月に子供が産まれる
予定なんだけどタイ人の嫁がベビーベッドを
買いたいと言うから僕: 1年しか使わないから段ボールでいいじゃん。
嫁: 猫じゃないのよ💢💢
嫁母: 子育てを知らないのね😵でも写真を見せたら
嫁: アメージングジャパン😻
今回も無事に交渉に成功した。 pic.twitter.com/9b9cRcQvEl
— イーノさん@タイで起業・社長🇹🇭 (@thailogistics02) September 1, 2019
「短い使用期間だから強度がある段ボールで安い価格で購入したい。」これがお客の使う立場・買う立場を考えたマーチャンダイジングだ。
ランドセルの例
更に他の例では本革のランドセル。本革だから長く使えるし、高級感もあり、子供や孫の為にと奮発して購入する人もいるだろう。
最近だと希少なコードバン(馬のお尻の革)を使ったランドセルもある。
この本革のランドセルは10年以上使っても全く問題ない。でも小学校って6年間だよな。10年以上も持つ品質って本当に必要なのか?
だからクラリーノで十分だという人たちも少なくない。素材は合成皮革。合成皮革のランドセルでこれが本革のランドセルの価格の5分の1の値段ならそっちを選ぶ人は多くいる。
クラリーノなら軽いし、水は弾くし子供の肩にも負担にもならない。
過剰に品質を上げて価格を高くするというのは作る立場・売る立場での考え方だ。
お客の使う立場・買う立場を考えると、素材を変えて必要な品質で価格を安く提供するというのはお客目線でのビジネスだ。
高級路線を否定してる訳ではない
僕は高級路線を否定するつもりはない。お金持ちを対象にした商売があるのは普通のことだ。
・お金持ちは段ボールのベビーベッドよりデザイン性に溢れる木製のベッドを好むかもしれない。
・実家が金持ちの学生や新社会人は価格より睡眠の質を考慮し疲れが完全に取れるという高級マットレスを子供に使わせる事もあるだろう。
・エルメスのバッグを持つ親は、子供の背中にはコードバンを使ったランドセルがよく似合うと思っているかもしれない。艶や触感など他の革と全く違う(らしい)。
上記は全然ありだ。
何が言いたいかというと・・・
僕が言いたいことは、君のお客(ターゲット)の事がハッキリと分かってなくて、単に商品のことしか見えておらず「この商品は素晴らしいから売れる!」と思考停止になっていることには注意すべきだという事である。
ターゲットをちゃんとリサーチして、そのお客の予算もしっかりと考えて商品開発をする必要があるのだ。
自社都合のペルソナに注意する
マーケティングでは顧客のターゲティングやセグメント化することが重要としばし伝えられる。
またターゲティングではペルソナという超具体的な顧客像のAさんを見込み客として考える。
しかし、多くの場合は「自分の商品」を売るための自社にとって都合の良いペルソナだと言える事が少なくない。
僕もターゲティングをする時に自社の都合に良い顧客像(ペルソナ)を考えてしまう時きがたまにある。。
マーケットが求めるものと君の商品コンセプト・価格の乖離に注意しなければいけない。
・学生・新社会人向けのベッド:必要な期間のみ使えたら良い
・段ボールのベッドやランドセル:必要な機能さえ満たしていたら価格は安いほうが良い
このように使う立場・買う立場を考慮して商品を開発する、商品を販売するということが重要だ。
だからマーケティングのみに偏ると危険なのだ。そもそも、その商品はお客が欲しいものなのか?お客の予算に収まるものなのか?
お客が知っている商品を扱う
商品力を考える時に理解して取り扱うと良い商品がある。
それはお客が既に知っている商品だ。これは副業などでライトな感じの仕入れ販売で使える。
当たり前と思うかもしれないが、これを理解していないと目新しい商品を見つけた時に「この商品は画期的だ!」「海外では有名ブランドだから売れる!」と勘違いをしてしまう可能性が高い。
顧客への認知ほど金と時間がかかるものはない。
なのでお客が既に知っている商品であればで十分な説明をする必要がない。価格とレビューに力を入れれば売れるのだ。
しかし、この商品を扱う時は大手企業の参入とライバルに注意しなければいけない。更に真正面から戦わずゲリラ戦を常に意識すべきだ。
ニッチを選んで価格で勝負する
副業で月5万円稼ぐというレベルであれば、ネットなどで既に売れている商品を探しより安い価格で仕入れてライバルより安い価格で販売する。
これだけでそこそこ稼げる。しかし価格競争にすぐに陥るのだが上述しているマーチャンダイジングを実践し売れる価格を実現させる事が大切だ。
仕様・サービスを少し変える
商品やサービスで一般的なものを扱う場合、ライバルと全く同じものを全く同じ価格で販売してはいけない。少し変えるだけでもOKだ。
リッチの中でニッチを探せと誰かが言っていた。
例えば、革の財布を作るのであれば内側の機能性を考えたデザインにする。
日本人の中高年の好みに合った厳選したタイの観光地を載せる旅行サイトやチラシを作る。
時間・資金・労力の分配はとても重要なのでバランスをしっかりと考えよう。
まとめ
「マーケティング」と「商品」について事業規模や販売者のレベルをほぼ一緒にして、少々雑に書いてしまったが概要としては理解をしてもらえただろうか?
また機会がある時にケーススタディー的に具体的な記事を書くのもいいかもしれないが、今回は大枠を理解して欲しかった。
その大枠だが「マーケティング」と「商品」はそれぞれ別のカテゴリーで、どちらか一方に偏ってはいけない。そしてお客の事を考えてビジネスをするという事だ。
本当に大切な事
多くの事業者が「お客様の為に!」と言っている。
しかし本当にお客様の為になっているのかを上述した内容を踏まえるとどうだろうか?
変な肩書きをつけている時点で、本当の意味でお客の事は考えられてないのではないか。
僕はこれまでに色んなセミナーに参加し、教材を買いまくり、コンサルの人たちの指導も受けた事がある。
しかし、お客の事をベースに置いてマーケティングと商品の違いをしっかりと分けて教えてもらった事はない。
今回それぞれを分けて解説をしてみた。
もしかしたら「当たり前じゃね?」と思うかもしれない。しかし言われるまで結構気づかないものなのだ。
少なくとも僕は自分で副業を始めて以降10年以上は気がつかなかった。
現在事業を運営している人、副業をしている人、これから何かをしたい人の為に、整理して考えるヒントになれば幸いだ。