マーケティングの基礎!具体的なリサーチ方法を紹介します

昨日までは、特に多い現状の勘違いや、使う立場買う立場目線に変わるべき理由などをお伝えしてきましたが、本日からは、実際に作業を伴う内容です。今すぐすべき重要なことをご説明していきます。

ビジネスで行動をする場合、全て理由や根拠が説明できなくては勝算がありません。根拠のない勝負は博打と同じです。勝ち目のない戦いは、しない方が得策です。大手企業は勝ち目のある根拠が見つかれば参入し、根拠がなくなれば素早く撤退します。

この根拠をより多く集め整理することが、『リサーチ』です。全てに優先してリサーチを行いましょう。あなたのビジネスが感覚や感性、努力や根性ではなくなり、論理的で計画的なものになるはずです。

もしかしたら、わざわざ文字にするまでもない、と思うような項目もあるかもしれません。しかし、このリサーチにはとても重要な役割があることを覚えておいてください。


今まで考えていた事の再確認ができたり、今まで考えてもいなかったことの新発見があったり、これから考えるべき事の材料集めであるなど、あなたのビジネスの基盤となる作業ですから、妥協せず、手を抜かず、念入りに行いましょう。
それでは、リサーチすべきポイントと、その方法についてご紹介していきましょう。

1.お客をリサーチする

あなたは、あなたの業界に詳しいでしょう。扱っている商品のことも熟知していますね。しかし、お客のことはどうでしょう。自分のお客のことはよく知っているよ、と言いたいでしょうけれど、果たしてそうでしょうか。
お客が、朝何時に起き、何を食べ、何を読み、何に悩み、何に不満で、何を欲しがるのかなど、知らないこともあるはずです。

例えば、
ほとんどの家電量販店で販売員たちは、自分たちにとって重要なことは全て説明しようとしますが、お客にとって何が重要か時間をかけて知ろうとはしません。

他にも、よく話す営業マンは多いですが、よく聞く営業マンは少ないですね。

原理原則からすれば、お客が求めているものを、求めている価格で提供できれば物は売れます。つまり、お客が何を求めているのかを知ることが一番大事なのです。

お客を理解するためには、念入りに調べる以外にありません。お客に話を聞いたり、お客の行動を見たり、お客が読む本を読んだりして、しっかりリサーチしましょう。

a.メインターゲット想定テクニック「ペルソナの設定」

一言にお客と言っても、十人十色です。ある人は安さに価値をおき、ある人は機能を重視したり、ある人は格好良ければなんでも良いかもしれません。全てのパターンをリサーチすることはできません。

そこで、仮想人物である「ペルソナ」を設定し、リサーチなどの作業をすすめていきます。ペルソナを決めることで、お客のライフスタイルや価値観などを具体的にすることができるようになります。

ここで大切なことは、あなたのビジネスのターゲットはもっとも多数派(everybody)を狙うべきであるということです。つまりペルソナは、もっとも多数派から想定しましょう。個性派なペルソナを想定してしまうと、対象となるお客を絞り込んでしまうことになります。

ペルソナの設定項目
・名前
・年齢
・住所
・職業
・年収
・家族構成
・趣味
・口癖
など、出来るだけ細かく設定します。そしてペルソナを設定したら、このプロジェクトにおいてあなたはペルソナとなり、ペルソナの立場になって考え、ペルソナに感情移入することが重要です。

b.ペルソナをさらに具体的に

お客を知るといっても、何から調べていいのか、どれぐらい調べればいいのか分からない、という疑問をお持ちの方が多いです。どのくらい調べればいいか、というゴールは実はありません。

調べれば調べるほど良いですが、まずは、『ダン・S・ケネディ(米国のダイレクト・マーケティング界の権威者)特製10の質問』などを活用するのも有効な方法です。この項目の答えを調べていけば、最低限必要な素材となり、ペルソナがさらに具体的になるはずです。

【ダン・S・ケネディ特製10の質問】
1. お客が抱えている、夜も眠れないくらい心配な消化不良の問題は何か
2. お客は何に不安を感じているか
3. お客は何について、誰に対して、怒っているか
4. お客の毎日の不満の上位3つは何か
5. お客のビジネスあるいは生活上の、いまの風潮とこれから起こる風潮はどんなものか
6. お客が密かに一番熱望しているものは何か
7. お客の意思決定の仕方に、特有の傾向はあるか(例えば、技術屋=非常に分析的など)
8. お客の使う専門用語はあるか
9. 同じようなものを売ろうとしているのは他にどんなところがあり、どのように売ろうとしているのか
10. 同じようなものを売り込んだのはどんなところで、なぜ失敗したか
※参考:「究極のセールスレター」より引用

2.マーケットをリサーチする

あなたのビジネスを取り囲む状況を詳しく把握するために、マーケットをリサーチします。自身のことはもちろん、競合のことを知らないと太刀打ちできませんし、何より攻めるところのパイがどのくらいあるのかを把握しないと話になりません。
パイが大きくても、参入企業が多く、強力なライバルがいれば、勝ち目が薄くなります。

しかし、参入企業がほとんどなく、目立ったライバルもいないマーケットを見つけることができれば、入れ食いの釣り堀状態です。

昔はそうでもなかったのに、徐々に参入企業が増え、お客自体も減っているとすれば、あなたのビジネスの取り分は全盛期の10分の1程度になっていることも珍しくありません。しっかりとリサーチをして、確認することが重要です。

マーケットのリサーチは、競合の商品やサービスの内容、価格、提供方法などをできるだけ詳しく調べます。例えばダイエット食品ならば、エステやジムがそうであるように、直接の競合の場合と、間接的な競合の場合もあるでしょう。



まとめているうちに、見えてくるものもあります。成長している商品、衰退している商品、価格帯、商圏、ターゲットなど、業界の推移も役立ちます。まだ誰も手をつけていないマーケットを見つける材料として、無駄な情報はありません。

3.あなたの商品をリサーチする

チラシや商品カタログ、ホームページなどで、取り扱い商品の紹介をすることは必要不可欠です。お客がそれを見て買い物をするとすれば、どのように書かれているかが売上を大きく左右するでしょう。しかし、ほとんどの場合、表現の仕方を間違っています。

例えば、
商品説明は特徴やスペックについて述べられているだけのものをよく見かけます。お客は本当に特徴やスペックを知りたいのでしょうか?
お客が本当に知りたいのは、「自分が使うとどうなるのか」ということです。このズレは、ほとんどの人が既存の知識と固定概念だけをもとに商品説明を作成するために起こるものであり、正しい商品リサーチが出来ていないことが原因です。

あなたが取り扱っている商品については、あなたが誰よりも詳しいと思っている人も多いでしょう。しかし、一度その既存の知識と固定概念を、そっと置いておきましょう。あなたが伝えたいことと、お客がその商品に求めるものが一致しているか、再調査するのです。

下記を参考にして、徹底的なリサーチを始めましょう。

・特徴は何か?
・利点は何か?
・なぜこの商品を作ったのか?
・この商品は誰のためのもの?
・この商品は誰のためのものではない?
・他とどう違うのか?
・どのような取引条件(オファー)か?
・保証はどのくらいできるか?
・信頼性はあるのか?

a.商品の特徴を羅列する

まずは、特徴を思いつく全て書き出してみましょう。少なくとも10個以上の特徴を探し出します。形、大きさ、色、重さ、硬さ、素材、付属品など、箇条書きでいいのでリストにしましょう。

商品パンフレットを見ながらでも結構です。リサーチは考え出すと止まってしまうので、作業的にどんどん書いて進めていきましょう。単純作業が後で生きてきます。

b.特徴をベネフィット(利点)に変換する

多くのライターの間違いのひとつに、特徴ばかりを挙げてしまうということがあります。しかし、お客が知りたいのは、自分が使うとどんな利点があるのか、ということです。特徴と利点を明確に区別して整理しましょう。

先に書き出した特徴のリストをもとに、それぞれ利点に変換してみましょう。例えば、缶にプルタブがついていることが特徴だとすれば、開けやすいことが利点ですね。お客の立場で考えてみましょう。先に設定したペルソナになりきって考えていけば、難しい作業ではありません。

c.ベネフィットを欲求に結びつける

商品のリサーチを念入りに行うと、隠れた利点に気付くことがあります。これは、商品そのものではなく、商品を使うことで得られる利点で、満たされる別の欲求のことです。

例えば、
子供がいる家庭向けに食器洗い機を売りたいとします。食器を自動で洗ってくれる特徴があり、手荒れがしない、節水・節約になる、などの利点が挙げられます。

そして洗い物をせずに済むことでできたゆとりの時間を使って、毎日子供とお話する時間を今よりも多く取ることができます。

このように、お客がライフスタイルの中で、叶えられる欲求や、解決できる不満はどういったものでしょう。こうすることで、同じ欲求を叶える競合商品のリサーチなど、さらにリサーチの精度が上がっていきます。

まとめ

冒頭でもお伝えしたとおり、リサーチは作業をしなければできません。しかし、順を追って行えば難しいことはなく、簡単な作業をしていくことで多くの情報を集め、整理することができます。

重要なことなのでもう一度お伝えしますが、リサーチは全てに優先して行ってください。現状把握、新商品コンセプト開発、ガラ空きのマーケット探し、セールスコピーライティングなど、リサーチなしにはできないことばかりです。
明日からは、リサーチを元に展開していきますので、少しずつでも取り組んでいくようにしましょう。