「ハシゴをかけ違えば、一段のぼるごとに間違ったところに早く到達するだけである。」
7つの習慣の故・スティーブン・コビー博士は主体的に行動をするときに自分の達成したい目標に向けて正しい方向性を確認出来ていないと、間違った結果を得てしまうと伝えています。
2016年になり、ここ東南アジア・タイではAEC発足という転換期に入ったので私は新しいプロジェクトを立ち上げようとしております。
AECとは、すごく簡単に言えば東南アジア地域で人・物・情報・金の流れを活発化にすべく、関税の撤廃などをしようというもの。TPPみたいなものです。
その新しいプロジェクト立上げのリサーチの段階で「あること」を改めて実感することが出来ましたので紹介します。
【目次】
1. マネージャーとリーダーの役割
まず、新しい事をするということで「役割」というものについて説明します。
ある大きな森の中にいて目的に向かって進んでいる集団をイメージしてください。
マネージャーは森の中で木を切って行き、進んでいくために一日に切る木の本数を決めたり、刃を研ぐように指示したり、木を切る作業員のシフトを組んだりするのが役割です。
一方、リーダーは高い木に登り、全体を見渡し、マネージャー達にこのように伝えます。
「おーい!この森は違うぞ!」
私は、この新しいプロジェクト立上げにあたりリーダーにあたる存在です。自分のやりたい事・目標・ゴールですので、自分自身がリーダーになって木の上に登って、全体を見渡し、自分が進んでいる方向が正しいのかを判断します。
正しい方向に進んでいくために必要なこと
上記の例では森を使って例えていますが、ビジネスの場合であれば目標を達成する為に、正しい情報を入手し、正しい決断をするというのがリーダーの役割です。
この正しい情報を入手し、正しい決断をするというのが
「梯子をかけ間違えない」
「正しい森を選ぶ」
ということです。
正しい情報を入手することが出来ているか?
一応、私はコピーライターであり、マーケッターです。一流のコピーライターは一流のリサーチャーという言葉があるくらい、私もリサーチは重要視しており、しっかりと時間を取っています。
一般的に多くの人たちが、新しいことを始めようとするとき、「こんな事をやったら面白いよね!だって、他にやっている人たちがいないし」と妄想が膨らみます。
そして、自分の周囲の人たちに「こんなアイディアがあるんだけどどう?」と聞いたりインターネットを使って何らかの統計情報を持ち出したりして自分を納得させます。
本当にそれが正しい森なのか?
誇張抜きで本当に多くの人たちが、これくらいの確認で新しいことを始めてしまいます。これだと本当に思いつきレベルですよね。当然、森の全体を見渡せていないわけだから間違ったところに進んでいってしまいます。
最初は新しいことを始めるということで、脳はアドレナリンが分泌されてある種の興奮状態です。しかし、この興奮状態は刺激がないと続くことはありません。刺激とはお客からの良い反応の事です。
この良い反応を取り続ける為の方向性が間違っている為、結果が出ずに上手くいかなかった。。で終わってしまいます。
正しい情報を入手する方法
まず新しいアイディアが出た時点で、自分たちが市場に対して提供できるものをまとめます。
自分たちが持っているリソースをまとめることですね。人的・物的資源。得意なこと。不得意なこと。これらの情報は自分たちの事なので調べてみるとよくわかります。
私も自分たちが持っているリソースをしっかりと確認しました。ジェイ・エイブラハムでいう「隠れた資産」を見つけた!と思ったのがそもそものプロジェクトの発案でしたので、これに関してはしっかりと確認しました。
ちなみに、「隠れた資産」とは新しい視点の事で、以下のようなことです。
アイスクリームが発明されたのは、紀元前2000年。ところが、人間がアイスクリームコーンを考え出したのは、それから3900年も経ってからだ。
パンは紀元前2600年には既に焼かれており、人間はそのはるか以前から肉を食べていた。にもかかわらず、人間が初めてこの二つを合体させてハンバーガーを作ったのは、それから4300年も後のことだった。
ジェイ・エイブラハム著
ハイパワーマーケティングより引用
新しい視点で物事をとらえ、市場にないもの提供するということです。
話をもとにもどしまして。
まとめたリソースをもとに、お客にリサーチをかけていきます。実際に今までのビジネスでお客がいれば、その人たちに聞いてみればいいですし、いない場合は新たに見込み客を開拓して聞き取りをします。
このお客に聞くというのは本当に重要な作業です。自分たちが持っているアイディアの違う角度から意見を出してくれるところもあり、お客がこんなことに悩んでいるんだと気づくことが出来ます。
4. リアルで情報を入手する
そして、私が今回のリサーチで改めて実感したことは「絶対にお客にリアルで聞くべきだ」ということ。
案の定、私が最初に思っていたこととお客が実際に求めていることは、微妙に違いました。また競合情報についても、私が知らない事実を教えてくれました。
更に私は間接競合にあたる企業の担当者にもリサーチをしました。直接競合に聞くのは、担当者やその企業としっかりとた尊敬しあえる関係が出来ていないと聞けません。
間接競合であれば、それほど抵抗なく教えてくれます。例えば、40代の女性に向けたダイエットサプリを販売しようとしていて、エステの知り合いに お客について話を聞くようなものですから。
事実は現場にある
インターネットの普及が進み、情報が簡単に入手できる時代なので、検索すれば簡単に情報は出てきます。しかし、その情報が十分に信用できる情報なのか。事業として始め、資金を投下して回収できるという見込みをつけられる情報なのか。
確かにネットを使って正しい情報を入手するというテクニックもありますが、やはり一番良いのは実際にお客に聞くこと。そして一人のお客だけに聞くのではなく、複数のお客に聞くことです。
多角的に情報を入手する
同じお客であっても意図的に聞く人を変えるのも有効です。例えば、B to Bのビジネスの場合、購買担当者と営業担当者にリサーチするのでは、得られる情報が異なってきます。
購買担当者はいわゆる「お客」ですし、あなたの商品・サービスの購入を検討してくれます。営業担当者の場合は「サプライヤー」になります。彼らの商品をあなたに提案する・売ろうとしてきます。
この時に視点を少しかえて営業担当にリサーチをするのも重要です。購買担当だけでは、マーケットの見方に偏りがあったりしますので。
リサーチ当初は様々な角度から情報を入手し、あなたが立ち上げる新しいプロジェクトに最終的につなげていけば良いのです。
今回の私の新規プロジェクトの場合、まだリサーチ開始段階なので様々な業界情報が必要だと認識しました。とにかく足を使って泥臭くリサーチをしています。
まとめ
リーダーたるもの正しい情報を入手して、正しい決断をしなければいけない。その情報の価値を十分に理解し、正しい情報の入手方法を知って、出来るだけリアルで実行する。
最初にこのリサーチの時間をしっかりと取らないと、努力をしたけれども間違ったところに辿り着くという結果になってしまいます。そうならない為にも、しっかりとリサーチをしましょう。