最近日本の若者とお話しする機会が多い。
「あぁ。近頃の若者はこんなことに悩んでいるんだ」と40歳になったおっさんの僕は、自分の若かりし時の悩みと比べてその違いに驚いている。
2021年4月22日。日本海事新聞が主催する新卒〜3年目までを対象としたセミナー、第二回海事アカデミアのゲスト講師としてお誘いがあった。そのセミナーの更新は海事新聞の役員さんや別のゲスト講師の弁護士さんとか。
そこにまさかの「物流YouTuberイーノさん」という面白枠?で取り上げて頂いたのは非常に光栄なことだった。せっかくの機会なので若者たちに伝えたいことを伝えよう。物流関係者向けのセミナーにも関わらず、物流に関する内容は半分もなかったと思う。
セミナーのドラフト案や自分の主張を全てやりたいようにやらせてくれた、日本海事新聞様、ありがとうございます。
新卒〜3年目向けの動画セミナー
ウェブセミナーの録音動画をもらったので、こんな感じでYouTubeにアップしている。
この動画の最後に「動画を見てくれた人に、30分くらいZoomで個別面談しませんか?」と提案をしている。セミナーで伝えたい事を話して終わりにするのは何か足りないと思ったし、あとは単純にコロナ第3波で営業活動なども完全に制限されていたので。
暇だったんでしょ?
うん。
でも、個別面談に申し込んでくれる全員が「お忙しい中、お時間ありがとうございます!」と超ご丁寧にいってくれて、逆に恐縮しているのも事実である。
セミナー後に8人くらいと面談し、その後 YouTubeにもアップしてから定期的に若者から個別面談の依頼が来ている。現在進行形で暇をしているので、YouTubeでアップしてからも 依頼があれば基本的に面談に応じるようにしている。
最近の優秀な若者が悩んでいる
僕なんかに相談をしにくる若者の多くが、意外なことに優秀な人たち(準備の良さや、学歴、勤め先から)が多い。
個別面談をしませんか?と自分で誘っておきながら言うのもなんだけれども、もっとまともな大人に相談した方がいいんじゃないか?と思うほど、優秀なのか物好きなのかが分からない。
優秀だから、色んな意見と取り入れようとしてるんだよ。
それでも優秀な若者とのコネクションをゲットだぜ!
ウェブセミナーの内容が「これからの若者はグローバル社会で生きていく必要があるよ」というメッセージだったので、僕に対しての質問は 海外で働く、海外でキャリアを構築していく上でどのような事をすべきか?というのが多い。
共通している質問内容も多いので、これを機会にブログ記事にしてみようと思った。お得意のマニュアル化のようなものだ。
では、早速いってみよう。
質問:海外で仕事するために、今から取っておいた方がいい資格はありますか?
圧倒的にこの質問が多い。なぜ「資格」という言葉をみんな共通して使うのだろう?とかなり不思議に思った。
就職アドバイザーとかが そんな感じで教えているのか?特に優秀でもない僕は資格をほとんどと言っていいほど気にしたことがないので、このように回答している。
言語は必要だけれども、普通の仕事では資格はいらない。もし何かを習得したいのであれば、行きたい国の歌をカラオケで歌えることだ。あとはその国の歴史を知っているとか。
税理士になりたいとかなら簿記とかは必要だろうが、普通の仕事だと資格を使う場面が想像できない。資格よりも重要なのは現地のスタッフたちといかに早く、深く馴染めるかだと思う。
ウェブセミナーでも話をしているが、日本人1人が外国で出来る仕事はかなり限られている。ってか何も1人では出来ない。結果を出すためには協業が必要で、協業をうまくするために その国の文化や歴史を知る。現地の人たちを尊敬するのが大切だと思う。
質問:海外で活躍するためには何が必要ですか?
かなりざっくりした質問だが、この質問も多い。どの国で、どのポジションで働くのか。活躍の定義は何だろう?と思いながら大体このように回答をしている。
何を求められている、期待されているかを明確にしよう。
営業だったら、新規顧客を獲得することだったり、既存の売り上げを伸ばすことかもしれない。管理だったら海外の会社と日本の会社のコミュニケーションを円滑にすることかもしれない。
雇い主が人を雇う時には何かしらの考えが必ずある。まずは期待に答える前に、何に期待されているのかを知ることが大切だろう。それが出来てから更に別の出来る事をやるのが良いと思う。
質問:どの業界で働くのがいいですか?
まだ社会人軽々も浅く、海外では何かキラキラした業界があると思っているからだろうか、こんな感じの質問もある。それに対しての僕の回答はこんな感じ。
好きな業界に行けばいいと思う。でも斜陽な業界や、逆に儲かる業界もあるし、自分が何を求めているのかを明確にしよう。
今の時代、転職は当たり前だ。海事アカデミアでは物流業界で働く人たちが対象だったので、物流の業界が前提だとおもっていたが、YouTubeにアップしてからは色んな業界の人たちが質問をしてくる。
自分がやりたいと思う事をやったら良いと思うし、あと自分が得意な事で有利なポジションから始めるのも戦略的にはありだと思う。他には儲かっている業界に行くのも全然ありだ。海外で働くことは目的や手段の一つだが、それが自分のキャリアの目標になってはいけないと思う。
質問:海外での仕事で辛かったことは何ですか?
まだ海外で働いた経験がない人からしたら、海外での仕事は確かに未知数だ。色々と不安なこともあるのだろう。タイで仕事をし始めて8年目の僕の回答はこんな感じ。
うーん。小さくてイラッとした事は沢山あるけど、あまり思い出せない。。最初は商習慣の違いにとまどったけど、慣れた。
そうなのだ。過ぎてしまえば大抵のことが小さなことで、そんなことは日本で働いていても同じなのだから、あんまり気にし過ぎるのも問題だと思う。上述もしているが働く国、人のことをリスペクトしていれば、大きな問題にはまず繋がらないと思う。
でも金払いの悪さや詐欺とかは注意かな。これも慣れるけど。
質問:今後フォワーダーはどうなると思いますか?
僕自身がフォワーダーで、僕のYouTubeでも国際物流に関するコンテンツを沢山アップしているから、同業者からの個別面談依頼も多い。昨今ではデジタルフォワーダーなども日本でも出てきているので、今後の業界についての予測を聞きたい感じなのだろう。
多分なくなりはしないけど、IT化が進むことで 弱い会社は淘汰されていくと思う。他の業界でもそういうのあるよね。
旅行業界ではほとんどがシステムで予約管理されているのに、物流業界ではいまだにFaxを使っている。こちらにも記事を書いたけれども、コロナをきっかけにフォワーダーも二極化が進んでいるように感じている。
2020年の3月くらいからコロナウィルスが世界中で蔓延をしていって、仕事を失った人・倒産してしまった会社、逆に儲けた人・会社があると思います。 私がタイでフォワーダーの仕事を始めたのが2014年2月。そこから2016年に自分の会社を経営しているのですが、最近になってやっと業界のことをよく考えるようになりました。
物流・流通という業界自体は無くならないので、その中でどのようなポジションで働くかを意識したら良いんじゃないかな。
まとめ
ウェブセミナーでもお伝えしているように、これからの若者はグローバルで働くことはもはや必須の時代だと思う。日本だけで働くという選択肢がダメというわけではないが、海外を含めて働ける方が仕事の選択肢は多い。選択肢が多い方が自由だと思う。
沢山の質問を受けて回答をしてきたが、大切なのは行動に起こすこと。当たり前だけど。僕に質問をすることで、僕が犯した失敗を避けることが出来るかもしれない。でも実際に行動して、失敗してもいいんじゃないかなとも個人的には思う。
イーノさんは頑張る若者を応援しています。