オファーの作り方

オファーの作り方

コピーライティングを勉強して、売れる文章を書くよりももっと早く結果を出す方法があります。それはオファーを強力にすること。オファーとは商品・サービス、その価格や保証、特典などを含めた見込み客に提案するもの全てを意味します。

アメリカのトップマーケッター ジェイ・エイブラハムは避けることの出来ないオファー「イレジスティブオファー」を作らなければいけないと伝えています。つまりYesと言うより、Noと言うほうが難しいオファーのことです。

オファーを強くすることさえできれば、あなたの販売している商品・サービスの成約率・売上は安定的に伸びるだけでなく顧客リストも構築することが出来、継続的なビジネスの土台も出来上がるでしょう。今回は初心者でもより効果的なオファーを作ることができる方法についてご説明します。


【目次】

1.避けられないオファーの威力
2.見込み客について知る
3. オファーの種類
4.ワンタイムオファー
5. オファーを積み重ねる
6. 失敗するオファー
7. 成功するオファー
8. 優れたオファーはUSPになる
9. まとめ


1.避けられないオファーの威力

避けられないオファー

あなたは以下の条件でどちらの商品を購入するでしょうか。

・提案1

提案者:社内No1のトップ営業マン

提案内容:キャノン デジタルカメラ + メーカー1年保証で19,800円



・提案2

提案者:新人営業マン

提案内容:キャノン デジタルカメラ
+ プリンター(9,800円相当)
+ メモリーカード(2GB, 5,000円相当)
+ 初心者でもプロのように撮影できるマニュアル
+ 2年保証
+ 送料無料
+ 50名限定 3,000円特別割引で19,800円 >> 16,800円



普通であれば、ほとんどの人が提案2を選ぶはずです。

トップ営業マンはいわゆる上手いコピーライティング。一方、新人営業マンはレベルが高くないコピーライティング。しかし、オファーが充実している提案です。ポイントは新人営業マン(下手くそなコピーで)が提案しているにもかかわらず、あなたも含め多くの人が「オファーの内容がより魅力的な提案を選ぶ」ということです。

このように、うまいコピーライティングを書くよりも、断ることが難しいほど充実したオファーを作る方が、見込み客にアクションを起こしてもらいやすくなるのです。

2. 見込み客のことについて知る

相手を理解しよう

オファーを作るときに最も基本的で重要なことですが、誰に対してオファーを提供するのかを考えなければいけません。

上記のデジタルカメラの例でも、デジカメを何度も買い換えている、カメラのセミプロのようなカメラ小僧に提案する場合と、初めてデジカメを購入するお年寄りに提案する場合ではオファーの内容を変えなければいけません。


多くの人がやってしまう過ちは、自社が提供できる特典などをオファーにしてしまうこと。誰に対して提供するのが明確でないと、適切なオファーを作ることができません。オファーを作る前にまず最初にターゲットを明確にしましょう。

効果的なターゲッティング方法はこちらをご覧ください。


3. オファーの種類

種類

次にオファーの種類についてご説明します。自分のビジネスでどれが一番使いやすいか考えてみましょう。

1.無料

最も強力なオファーが無料です。見込み客が欲しいと感じる、価値のあるものを無料にしてオファーを作ることができれば、多くの見込み客の関心を掴むことができます。

無料でサンプルを提供する

期間限定で無料お試し

無料特典をプレゼント

まずあなたの身の回りで見込み客が興味をもつような商品・サービスで無料で提供できそうなものを探す、または作ってみましょう。



【無料オファーの例】

・カウンセラー : 無料カウンセリングや無料冊子のプレゼント

・整体師 : 無料で施術。または自宅で出来るストレッチDVDのプレゼント

・美容院 : 特別なシャンプーを無料でお試し



インターネットを使ったマーケティングをしているのであれば、コンテンツをまとめましょう。

メール講座(ステップメール)、Ebook、レポート、動画集など最初に作成する手間はかかりますが、無料オファーとして見込み客に商品と一緒に提案することができます。


2.保証

見込み客はあなたの商品・サービスを購入するときにリスクを抱えています。無料で提供する場合はそのリスクは大幅に下がるのですが、そうでない場合は見込み客は商品・サービスの価値を本当に得られるかどうか分からない状態です。

このようなリスクをゼロにする、または軽減するために保証をオファーとして提案することができます。

返品保証

返金保証

満足保証

保証はあなたが提供できる価値を、見込み客にコミットメントするということ。昔から使われている提案ですが、それほどパワフルで効果があります。


実行可能な保証をオファーにする

保証を提供するときに注意しなければいけないのは、あなたが必ず実行することが出来る保証にする事です。

例:セミナー集客の2倍保証

「私達は自信をもって今回のセミナーをあなたにご提案します。万が一、内容に満足していただくことが出来なければ、セミナー代金は返金します。

また、あなたの時間を無駄にしてしまうお詫びとしてセミナー代金と同額の金額を迷惑料としてお支払いたします。」

このような保証をすることで見込み客のリスクを極力まで低くすることは出来ますが、この保証を実行できないようであれば、最初にオファーとして提案してはいけません。



他にも

例:ウェブデザインの完全満足保証

「あなたが満足するものが完成するまで何度でも無料で修正します。」

という保証を付けた場合、中には何十回と修正してもOKをしてもらえない場合だってあります。その時であっても追加料金なしで無料で修正し続けなければいけないのです。



万が一、実行できなかった場合、あなたはお客を裏切ったことになります。そのお客が戻ってこないだけならまだしも、悪い噂が広まりあなたの信用は失われてしまいます。必ず保証は実行可能なものにしましょう。


3.特別価格

商品やサービス、ビジネス形態上、無料で提案する事が難しい場合もあります。

その時は以下のような特別価格のオファーを提案してみましょう。

a.格安価格でお試し

正規の販売価格よりも大きな値下げをしてお試しとして見込み客に提案します。最初に試すことにより見込み客の不安を軽減することができます。

b.分割払い

商品・サービスが高額な場合、一括での支払いは見込み客にとって大きな負担になる場合があります。支払方法でさえオファーになりますので、見込み客が負担と感じないような提案をすることができます。

c.先行販売

新しい商品・サービスを始めるときに、期間限定で正規の販売時期より早くリリースします。先行販売の時期が早ければ早いほど、入手したお客にとっては価値が高くなり、満足度があがります。

d.コース分け

例え商品が1つしかないとしても、オプションなどをつけて松竹梅のように3つコースを作りましょう。

商品が1つしかない場合、お客は購入する or 購入しないの2択になりますが、コース分けをすることで、お客にとって買いやすいものを選択できるようにします。



コース分けのオプションをつける時の注意点ですが、上位のコースは下位のオプションをすべて含んでいなければいけません。



正しいコース分けの例

松:商品+オプションA+オプションB

竹:商品+オプションA

梅:商品

*松を選んだお客はオプションAとBを得ることが出来る。Bが不要なお客は竹を選ぶ。



間違ったコース分けの例

松:商品+オプションB+オプションC

竹:商品+オプションA

梅:商品

*松を選んだお客は、B、CだけでなくAも欲しい場合もある。その時にお客は不満を感じる。


e.増量販売

あなたの商品やサービスの提供するボリュームを倍にして価格を1.5倍に押さえるとお客はお得感を感じます。整体なら施術を2倍、化粧品なら容量を2倍、3倍など、増量をして価格を押さえて提供します。

f. 予約販売

予約販売を受け付けることで、欲しいお客にその商品・サービスを確保してあげることが出来きます。既に商品・サービスに人気があり、提供できる数に限りがあるのであれば、予約をしてくれたお客に優先的に扱うことになりお客のロイアリティも上がります。


4.ワンタイムオファー

一回だけのオファー

商品を購入するといつでもそのオファーを手に入れられるものより、たった一回限りのオファーのほうが限定性がありより魅力的になります。



例:美容室のワンタイムオファー

カラーリングとパーマが通常価格 15,000円のところ1月15日の来店者様のみ9,800円。更に炭酸水でのヘアマッサージ(通常1,500円)もサービスいたします。


商品の購入を迷っているお客の背中を押すことができますので、より特別なオファー(提供数に限りがあるものなど)に関してはワンタイムオファーとして提供するのも効果的です



5.オファーを積み重ねる

積み重ねる

無料サンプル、無料冊子、保証、ワンタイムオファーなど、1つの案件で複数のオファーを提案することができれば、魅力は更にアップします。見込み客にとって価値のあるものを一気に提案し、Noというほうが難しいという状況を作り出すことができます。




オファーの種類については理解することが出来たかと思います。
次に、あなたがオファー作りに失敗しないためにも、ダメなオファーについてご説明します。

6. 失敗するオファー

a.ありきたり

ライバルと全く同じオファーを提案しても見込み客に響くことはありません。無料や保証などのオファーは非常にパワフルですがライバルも同じ提案をしている場合、その効果は薄くなってしまいます。


b.不要

見込み客のことを調べずに、自社が提案できるものを主体にオファーを作った時に不要なオファーが出来上がります。


・坊主頭の高校球児に髪がつやつやになるシャンプーを提案しても無駄です。

・一眼レンズを沢山持っているカメラ小僧に、一般的な一眼レフの使い方マニュアルを提案しても無駄です。

・肩こりに悩んでいるサラリーマンに、腰痛の治療を無料でサービスしても無駄です。


見込み客のことをしっかりと調べて、見込み客に適したオファーを提案しなければいけません。


c.わかりにくい

せっかくオファーを提案してもその内容が分かりにくければ、お客は考えてしまい(迷ってしまい)購入しないという選択肢をとります。

・オファーの内容が分かりにくい

例:化粧品通販ショップ

「化粧水サンプル、乳液サンプルセットを3か月以内にご購入のお客様で、今回 化粧水の定期購入を6か月以上、カードで自動引き落としでお申込みのお客様には特別に美容液のサンプルをプレゼント。」


・オファーの価値がわからない

無料オファーを提案するときにありがちなのですが、無料としているために価値がゼロ円だと思われてしまいがちです。そのオファー事態の価値、またはそのオファーがもたらす価値をしっかりと明記しましょう。

例えば、私が提案している無料Ebook「無料で掲載されるプレスリリースの書き方・送り方15のポイント」はプレスリリースを使うことで、本来広告費を払えば20万円以上支払わなければいけない雑誌スペースに、無料で掲載出来るという価値を伝えています。詳しくはこちら。




反対に成功するオファーにも共通点があります。その共通点とは・・・

7. 成功するオファー

a.大胆なオファー

見込み客も「本当に!?」と思わず興奮してしまうようなオファーを提案することができればYesというより、Noと言うほうが難しくなります。

価値の高いオファーを沢山無料で提案したり、商品・サービスの価格そのものを下げて、更にオファー(無料特典、保証など)を充実させることも出来ます。



b.業界初のオファー

オファーがその業界で珍しければ珍しいほど効果は高くなります。

ラーメン屋:
クーポン券と一緒に、隠し味の秘密やおつまみチャーシューの作り方などのコンテンツを無料で提供。

コピーライター:
セミナー参加者全員にセミナーメモ用としてキングジムのポメラ(デジタルメモ)をプレゼント。

異業種のオファーを色々と確認し、自分の業界でも使うことが出来るかどうか確認してみましょう。


c.期限のついたオファー

いつでも手に入れられるオファーよりも、期限がついているほうが効果が高まります。ワンタイムオファーの応用版ですが、段階的に値上げをするというテクニックがあります。



例:セミナー 集客

セミナーの最終申込みまで3回ほど段階的に値上げをしていきます。一番最初が最もお得な価格で、ある期限を境に本当に値上げをします。その期限についてはメルマガで○○日まで!としっかり見込み客に伝えなければいけません。

本当に値上げをしますので、そのセミナーに興味を持っている見込み客は2回目、3回目の値上げタイミング前で申し込みを決断します。



8.優れたオファーはUSPにもなる

優れた提案をする
業界初で非常に大胆なオファーはUSPにもなります。USPとは他社にはない独自の強みのこと。あの有名なドミノピザのオファーはあまりにも素晴らしく、オファーがUSPになった良い例です。

「30分でアツアツのピザを自宅にお届けします。出来なければ無料です。」

USPを考える・作るのではなく、オファーをいかにユニークにするかを考える。これが出来るとあなたの強みとしてアピールすることも出来ます。



9.まとめ

オファーを作るときのポイントは、見込み客にとっていかに「価値ある提案」が出来るかと考えることです。

見込み客が本当に手に入れたいものを理解し(例:男性向けのダイエットの場合はダイエットDVDが欲しいのではなく、すらっとした身体になり女性にモテたい)、その結果を提案するのです。

オファーをただのテクニックと捉えるのではなく、見込み客にクライアントになってもらい彼らの問題・悩みを解決し、素晴らしい関係を築くことをベースに沢山のオファーを考えてみましょう。必ず価値ある提案を作りだすことができます。