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あなたがビジネスを成長させたいなら、基本を押さえ時代に合っている経営感覚が必要になります。しかし驚くべきことに、多くの経営者が、間違った経営感覚を軸にしています。まずは下記の10問に YES or NO で答えてみてください。

①高級化、本物志向の時代が来た

②ライフスタイルの多様化に対応するため多品種を揃える

③大量生産の時代は終わった

④売上が落ちてきたら、できる販促は全てやってみるべきだ

⑤売上拡大のために能力開発などでモチベーションを高める

⑥参考書やセミナーで得たアイデアはどんどん取り入れる

⑦ナンバーワンにならなくてもオンリーワンでよい

⑧大手と同じことをしていては勝てない

⑨中小企業は差別化が大事

⑩売り方を学べば何でも売れる

今回は、特に多くの経営者が間違っている経営感覚を、10個順番にご紹介します。少数派、特殊な意見ではなく、王道の原理原則の視点からの解説です。あなたはいくつ正解できたでしょうか?



【目次】

1.間違いだらけの経営感覚
①高級化、本物志向の時代が来た
②ライフスタイルの多様化に対応するため多品種を揃える
③大量生産の時代は終わった
④売上が落ちてきたら、できる販促は全てやってみるべきだ
⑤売上拡大のために能力開発などでモチベーションを高める
⑥参考書やセミナーで得たアイデアはどんどん取り入れる
⑦ナンバーワンにならなくてもオンリーワンでよい
⑧大手と同じことをしていては勝てない
⑨中小企業は差別化が大事
⑩売り方を学べば何でも売れる
2.情報の正しい受け止め方
3.まとめ


1.間違いだらけの経営感覚

①高級化、本物志向の時代が来た

答えは NO です。

テレビから流れる情報コーナーでは高級食材、高級マンション、高級工芸品など、売れ行き好調な企業がたびたびクローズアップされています。これはどこの地域でも起こる現象なのでしょうか。いつの時代でも、人は高級品・本物を欲しがります。しかし、サラリーマン平均所得が下がり続ける中、大多数の人は手が出せません

例:高級寿司店よりも回転寿司の方が、家族で何度も利用できます。


◇支持人口で決まる

デパ地下で高級食材が売れるのは、1店あたりの支持人口が多いからです。高級食材だから行列ができているのではありません。1,000人に1人しか買えなくても、50万人の支持人口があれば500人が買えます。これが地方都市となれば、なかなか行列にはなりませんね。


◇高級品だったものが安くなった

グローバル化や企業努力によって、昔高級品だったものが安く買えるようになったものがあります。手が出せないだけで高級品は好まれることは間違いありませんから、高品質なものが低価格で提供できると、多くのお客に選ばれるでしょう。


②ライフスタイルの多様化に対応するため多品種を揃える

答えは NO です。

ライフスタイルが多様化していることは事実です。しかし、そのために多品種を揃えようとすると膨大な量の在庫が必要です。そこで少しずつ多品種を揃えると、1商品毎のコストが大きくなります。人件費、仕入れ単価、在庫面積、どれをとっても得策とは言えません。

例:29,800円のスーツを買いに来た客に、200,000円のスーツを見せても買わないし、客の選択肢が減り在庫スペースの無駄になるだけです。


◇より「Everybody」に

全員を相手にしようというのではなく、より多くの人に望まれるようになることが大切です。何でもかんでも万遍なく揃えるということは、多くの人が何を求めているのかを知らないということです。


◇限定品種・多量販売

お客が欲しいもの、欲しい価格を知っていれば、プライスゾーンを絞り込んだ品揃えができます。そしてお客は多くを選ぶことが出来るのです。在庫切れになるリスクも減らすことが可能になります。


③大量生産の時代は終わった

答えは NO です。

とにかく大量に作れば大量に消費されるという時代は終わりました。消費者には選択肢が増えたためです。しかし大量に作らないと、安くできません。何でもかんでも大量に作っても売れませんが、商品を安く作るには大量生産しかないのです。

例:アパレル業界では、大量生産のファストファッションがTOP10に名を連ね、ユニクロとシマムラも入っています。


◇大量生産は消耗品からインフラ品種へ

グローバルに展開している企業は、大量生産によって良いものを安く作り提供しています。日本においても、携帯電話やパソコンだけでなく白物家電も安く手に入れられるものが増えています。付加価値で高く売る商品は苦戦の一途です。


④売上が落ちてきたら、できる販促は全てやってみるべきだ

答えは NO です。

全く販促活動をしていなかったとしたら、少しは売上が上がるかもしれません。しかし、販売力が落ちたから売れなくなったと考えがちですが、果たしてそうでしょうか。売上が落ちる原因は、販促不足とは限りません

例:その商品をお客が求めなくなったのであれば、販促の仕方を変えても売れません。


◇売上が落ちた本当の原因は何なのか

在庫切れをしていたかもしれません。値上げが原因かもしれません。そもそも、お客が欲しくない商品であれば、いくら販促をしても売れません。広告や販促は伸びている時に良さを多くに伝えるものであり、低迷期は原因の特定をし解決することを最優先でしなければならないのです。


⑤売上拡大のために能力開発などでモチベーションを高める

答えは NO です。

全スタッフがモチベーションを高く保つことができれば、今よりもっとうまくでしょう。しかし、よく考えてみましょう。あなたのビジネスの成長はスタッフのモチベーション次第なのでしょうか?これ以上スタッフを酷使するのですか?

例:高くて不要なものは頑張らないと売れませんが、安くて求められるものは頑張らなくても売れます。


◇精神論は論理の後で

あなたのビジネスの成長は、あなたの経営戦略で決まるのです。スタッフのモチベーションではありません。気合と根性と売上拡大は、無関係です。論理的な根拠のある計画を普通に実行すれば売上が拡大し、頑張ればもっと伸びる、となるべきなのです。


⑥参考書やセミナーで得たアイデアはどんどん取り入れる

答えは NO です。

参考書やセミナーで得るアイデアのほとんどは、あなたのビジネスの成長とは無関係です。偉大な人の体験談を聞いても、参考にしてはいけません。まずあなたは偉大ではないかもしれません。そして真似できないかもしれません。何より、時代と業種の違うあなたが真似をして同じ結果が得られるでしょうか?

例:バブルや高度経済成長期の体験談を参考にしても、現在の時流には当てはまりません。


◇組織ビジネスでは不向き

入念に組み立てたマニュアルに従ってビジネスを遂行するとき、スタッフに思いつきで行動されては命令違反です。また、トップの言うことが思いつきで変わったらどうでしょうか。そして、取り入れたアイデアを実行するスタッフの負担たるや相当なものです。


⑦ナンバーワンにならなくてもオンリーワンでよい

答えは NO です。

人生では自由です。しかし、ビジネスではオンリーワンということが勝ち残る根拠にはなりません。どれだけいいものを提供していても、売れなければ続けられないのです。ナンバーワンを目指さなければ、いずれ寡占や独占の波に飲まれてしまうでしょう。

例:あなたが考えるオリジナル雑貨よりも、妖怪ウォッチ雑貨の方が、簡単にたくさん売れる可能性が高いでしょう。


◇オンリーワンはナンバーワンになるための手段

地域や業界で別格の存在になるためには、オンリーワンであることは非常に有効です。ナンバーワンになるためにはオンリーワンのほうがいいけれども、オンリーワンだからナンバーワンになれるわけではない、ということですね。


⑧大手と同じことをしていては勝てない

答えは NO です。

大手がうまくいっていることを取り入れずに、あなたがオリジナルで対抗して勝ち目があるでしょうか?どうして同じことをしたくないのか、よく考えてみましょう。明確な根拠が見つからないはずです。

例:何度も検証を重ねた大手がしていないことは、うまくいかない方法の可能性が高いです。


◇企業規模にこだわってはいけない

大手であっても中小零細であっても、現在うまくいっているやり方、売れているものはどんどん取り入れるべきです。うまくいってる方法をせずに、うまくいくかいかないかわからない方法をやり続けるのはナンセンスです。


⑨中小企業は差別化が大事

答えは NO です。

中小企業には、他と違うことをしようという特徴があります。しかし付け焼刃のアイデアでは、すぐに真似できるし、それがお客のためになるのか疑問です。付加価値ビジネスが伸びていないのも参考になります。

例:ユニクロのヒートテックが売れると、すぐに類似品が登場するなど、商品では差別化になりません。


◇差別化できる体力をつけるために真似をしよう

差別化をするには資金と人の余裕が必要不可欠です。まずはどんどん真似をして体力を蓄え、ビジネスの成長を最優先で考えましょう。その後に資金と人を使い、どこにも真似できないシステムを作り上げるのです。


⑩売り方を学べば何でも売れる

答えは NO です。

営業の世界ではよく語られる言葉です。そしてその才能を持った人がいるのかもしれません。しかし一般的には、お客が求めてないものは売れないし、お客が求めてないものを売ることはいかがなものでしょう。

例:一度断られたお客を上手く説得して販売しても、クレームの元です。


◇ビジネスの原点は物々交換

同じ価値のあるもの同士を交換し合うのが本来のビジネスです。あなたの商品をどうやって売るかではなく、お客が求めるものを提供できるようにすることの方が、経営者としてすべきことではないでしょうか。


2.情報の正しい受け止め方

テレビや新聞、雑誌などから入ってくる情報が正しいと鵜呑みにすると、大きな勘違いをしてしまいます。どれもビジネスですから、目を引きやすい非常識なことがネタになりやすい傾向があります。目の前の出来事は事実かも知れないですが、それが全てに当てはまるわけではありません。

主観的に脚色された解説には根拠がない場合もあり、イメージを感性で受け止めてはいけません。客観的な数字や事実のみを論理的に受け止めるようにしましょう。


3.まとめ

いくつ正解しましたか?間違いがあっても構いません。ビジネスの本質を見つめ直すきっかけになったのではないでしょうか。時代や情勢はどんどん変化しています。一昔前の常識では取り残されることもあるでしょう。

つくる立場・売る立場ではなく、使う立場・買う立場で常に考えていれば、時には大きな方向転換も必要となります。伝統工芸などを除いて、同じことを何十年も続けることの方が不自然なのかもしれませんね。