販売心理

高い結果を出す営業マン

セールスにおいて高い成果を出し続ける人たちにはこんな共通点があります。

・人間心理を熟知している

・意図的に人間心理をセールスで有利に活用している

 

「人間心理を熟知している」というポイントは、あなたの商品を売り込まずに売る為に、必須なことであり、これはトレーニングをすることで身につけることができます。これからセールスで高い成果を出している人たちが意図的に実践いている、販売心理のテクニックをご紹介します。

 

セールスと聞くと、サラリーマンの営業だと思うかもしれませんがそれは違います

あなたがコンサルタントであれ、整体師であれ、コピーライターであれ、セラピストであれ、自分の商品・サービスを見込み客に提案・販売するにはセールスが必ず必要になるのです。

それではセールスにおいて高い成果を出し続ける人たちは、どのように人間心理を実際のセールス現場で活用しているのか?

 

具体的に次の4つのポイントを実践すると、あなたもセールスの達人になれます。

1.ドクターズセールスメソッド 医者の4つの作法

2.ラポールを築く3つの方法

3.見込み客の価値基準を把握する

4・心の裏側にある本音をみつける

5.ホットボタンを探る

あまりセールスが得意でないという人のために、1つずつ説明していきます。

 

1. ドクターズセールスメソッド 医者の4つの作法

ドクターズセールスメソッド

まず想像してみて下さい。あなたが大きな病にかかってしまい、高額な費用が必要になったとします。この時に、どちらのお医者さんにお願いをしたいと思いますか?

 

1・「是非うちで手術させてください!」という医者。

2.「私に依頼するとなると、現在沢山の予約を頂いているので待って頂くことになりますが、それでもよろしいですか?」と答える医者。

 

その病気が深刻であれば深刻であるほど、あなたは恐らく後者の医者を選ぶのではないでしょうか。両社の違いは、価格の事や自分の技術について何も言っていないにも関わらず、前者の医者には余裕を感じず、少し不安になってしまいます。

一方、後者の医者は予約待ちがあるほど人気があるのかと、無意識に技術の高さをイメージしてしまいます。

この例で分かるように、私たちは売込みを心理的に嫌います。脳が売込みだと感じると、無意識のうちブロックしてしまい拒否反応を示すのです。

 

セールスにおいて高い成果を出し続ける人たちは、一般的に医者が患者にとるよう対応の仕方を意図的に活用しています。

 

医者が患者に接するときに具体的に このような4つの方法で対応します。

1-1. こびない

1-2. 不要な雑談はしない

1-3. 質問が中心

1-4. 的確なアドバイスをしてくれる

 

注意!自分が相手にしているのは、医者が相手にしているような個人(患者)ではなく、会社だから関係ないと思う人もいるかもしれません。しかし、これは「B to B」でも「B to C」でも同じです。なぜなら、あなたが会話をする担当者はロボットでもなく、動物でもなく、宇宙人でもなく人間です

人間の担当者である以上、商品・サービスを購入するにあたって、その時の心理状態は一般のお客と大きく変わりません。決済権というところで、金額が大きくなれば会社の上司の許可などが必要だという事はありますが、基本的には会社であれ、個人であれ同じなのです。

まず、あなたがしなければいけないのは売り込みを今すぐにやめ、医者のように見込み客の問題を解決するアドバイザーになることです。

 

1-1. 医者は絶対にこびない

医者は自分のサービスを使ってもらう為に、患者にこびることはありません。同様にあなたも自分のサービスを使ってもらうために、お客にこびへつらう必要はありません。

あなたは医者と同じく、見込み客の問題を解決するアドバイザーの役割です。もしお客にこびてしまうと、お客が主導権を握り、値下げ、無理な要求にこたえなければいけなくなります。

 

1-2. 医者は不要な雑談をしない

医者の仕事は病気、怪我を治すこと。そのために必要なのは患者から、どこが痛い?どこが調子が悪いなどの情報を的確に聞き取ることなのです。お客の心を開く為に雑談をすることもありますが、これに関しては次項のラポールについてご説明します。

 

1-3. 医者は質問が中心

患者の症状を把握する為には情報を集めなければいけません。注意深く患者の話を聞き、観察し、何が問題であるのかをまず突き止めます。

この時に必要なのが傾聴するということ。医者と同様に高い成果を出し続ける人たちは自分たちが話したいことを横に置いておいて傾聴を重視します。とにかく聞きます。質問し、傾聴して集めた情報をもとに、適切なアドバイスをお客に提案します。

 

1-4. 医者は的確なアドバイスをくれる

医者は質問を繰り返し、問題を把握し、それに対する的確なアドバイスを提示してくれます。何か問題を抱えている患者は問題を解決してほしいのです。その問題が何によっておこっているかという原因を突き止め、無駄なくそれを解決できるアドバイスをする。

これにより医者という職業はガチガチの売込みのサラリーマンとは違い、感謝され頼りにされるのです。

 

2. ラポールを築く3つの方法

相手を理解しよう

ラポールとはフランス語語で架け橋という意味で、NLPの心理学でよく使われる言葉です。簡単に言えばお客と信頼関係を構築しようという事です。

なぜ信頼関係が大切なのか?一般的に人は売込みを嫌い、売込みをしてくる人たちは何か不要なものを売りつける敵のような存在だと無意識の状態で理解しています。

 

しかし、セールスをする前に見込み客と信頼関係をしっかりと構築することができれば、見込み客は、あなたの話を聞いてくれる準備が出来ています。また、見込み客は自分の話をしてくれるし、相談もしてくれます。それに対して医者のように適切な解決法を提案することが出来れば、あなたの存在はガチガチの売込みのセールスマンではなく、大切なアドバイザーだと捉えてくれるのです。

 

セールスの現場においての、3つのラポール構築テクニック

2-1. ミラーリング

2-2. ペーシング

2-3. バックトラッキング

 

注意!これらのテクニックを使う前に、見込み客の事を知りたいという気持ちが一番重要です。テクニックだけが先行してしまうと見込み客の本当の気持ちは理解できませんし、結局は売り込みたいが為の陳腐なテクニックになってしまいます。

まず自分を理解し、相手を理解しようとする主体的な行動が必要です。これについては故・スティーブン・コヴィー博士の「7つの習慣」をお読みください。

 

2-1. ミラーリング

これは対面でしか使えません。スカイプのコンサル、無料相談では使えません。ミラーリングとは鏡に写った姿のように相手と同じ行動をマネするということ。同じ行動を取ることで、相手は親近感を無意識のうちに感じ、距離を縮めることが出来ます

例えば、腕を組んだを、同じように腕を組む。アゴを触ったら、こちらもさりげなくアゴを触るというものです。あまり露骨にやりすぎると不自然なので注意しましょう。

 

2-2. ペーシング

ペーシングは重要です。人は自分と同じような人に親近感を持ちます。ペーシングというと話し方や話すリズム、声の大小の事を言われる場合が多いのですが、これはほんの小さなテクニック。

確かに話すのが遅い人に、とても速い口調で何かを伝えると、「早口だな」と嫌がられます。また声が小さい人に大きな声でずっと話をすると「うるさい」と思われ、またこれも親近感を得られることはありません。

 

ペーシングで重要なのが、相手の「考え方」「価値観」に合わせるということ

考え方、価値観を共有することができれば、相手の心理状態としてあなたの話を拒否する壁はドンドン小さくなり、受け入れやすくなるのです。反対に全く違う考えを持った人には共感を得ることが出来ませんし、価値観も同様に全く違えば、ストレスを生む場合もあります。

考え方、価値観を合わせることは難しいと思う人もいるかもしれません。この場合、無理に合わせるのではなく、次のバックトラッキングを使って「否定しない」という行動を取りましょう。

 

2-3. バックトラッキング

日本語でいうオウム返しです。相手の話していることをそのまま繰り返す。また相手の感情や、話の要約をすることにより、あなたの話を聞いていますよ、あなたの話を理解していますよと伝えることが出来ます。

見込み客の心理的な壁を崩すためには、会話の中で見込み客のYesを沢山とらなければいけません。見込み客がNoと思えることばかりを言ってしまうと、見込み客はあなたの話をきいてくれず壁がどんどん大きくなる一方です。

 

例えば、AKB48が大好きな人に、AKB48のマイナスな事ばかりを言ってしまうと敵だと思われてしまいます。AKB48が大好きな人には、その人が肯定的に言ったことをそのままオウム返しすれば、見込み客もそれを否定だと感じることはありえません。見込み客の心理的な壁は次第に小さくなります。

 

このラポールを築くことがとにかくセールスにおいて重要です。見込み客との信頼関係の構築がしっかりと出来ていればいるほど、セールスはしやすくなります。

 

3. 価値基準を把握する

価値基準を明確にしよう

このパートはある程度ラポールが築けていることが前提です。初対面でほとんど関係が出来ていないのにも関わらず、価値感に関する質問をする場合は少し注意して下さい。

 

価値基準を明確にするための質問がこれです。

○○で大事なことは何ですか?

 

例えば、

仕事で大事なことは何でしょうか?

恋愛で大事なことは何でしょうか?

子育てで大事なことは何でしょうか?

 

他にも、

現在の課題・問題は何でしょうか?

どうなると満足しますか?

どうなりたいでしょうか?

そこに、無くてはならないものは何でしょうか?

 

と質問することで相手の価値基準が分かります。

 

例えば、

車ディーラー:「車を買うにあたって、大事だと思われているのは何ですか?」

見込み客:「燃費とかより、高級感かな。」

車ディーラー:「絶対とないとダメなものは何ですか?」

見込み客:「シートは絶対にレザーだね。」

 

この例だと、車を購入する見込み客が考えているのはエコカーや軽自動車ではなく、高級感あふれる車だという事が分かります。

このトークにおいてはいかにステイタスとなるような車であることをアピールし、海外のセレブや有名人も実はこの車を乗っているなどと伝えると効果的です。

 

4. 裏側の欲求を知る

人間の欲求はなくならない

見込み客はなかなか簡単には行動しません。では、どうすればいいのか?見込み客に行動をさせるには、表の満足条件(前述した価値基準)と裏にある欲求を満たすことが必要です。

裏の欲求とは?人間には以下の根源的な10の欲求があります。

1. 経済的な安定

2. 健康

3. 愛

4. 安心

5. 救済

6. 自尊心

7. コミュニティーや仲間との調和

8. 独立

9. 性的な満足

10. 美貌・個人的な魅力

 

上記の10の根源的な欲求が人間が行動を動機づけます。そして、あなたの商品に興味を示している見込み客のこの10の欲求を知る為には、ある質問をしなければいけません。

 

見込み客の裏の欲求を知る質問。

○○って、どうして大事ですか?

これを2-3回繰り返す。

 

先ほどと同じ、ステイタス派の見込み客にセールスをするカーディーラーの例でいうと、このような営業方法になります。

車ディーラー「Aさんにとって、車ってどうして大事ですか?」

見込み客「男のステイタスだと思うよ。」

車ディーラー「ステイタスなんですね。やっぱりステイタスって大事ですよね?」

見込み客「自信にもつながるしね。カッコいいし。」

車ディーラー「ちなみにAさん、既にカッコいいですけど、なんで更に?」

見込み客「やっぱりモテたいからね。」

※必ずこのような流れになるとはいかないので注意して下さい。

 

相手の心理状態や返答によって投げる言葉は変えなければいけないですが、このように質問を繰り返すことで見込み客の裏側の欲求を知ることが出来きます。このカーディーラーの例では見込み客の欲求は「6.自尊心」、「9.性的な満足」であることが分かります。

質問を投げかけることにより、脳はその答えを探そうとします。見込み客に同じことについて「なぜ?」と繰り返し掘り下げて質問をすると、表向きな答えでだけはなく、本当の欲求が出てきます。

 

しかし、このような質問を投げかける前に、ある程度のラポール(信頼関係)を築くことが、答えを聞き出す為の大切な下準備となりますで注意して下さい

 

ホットボタンを探る

このように質問を繰り返すことで、見込み客の裏側の欲求が分かり、それがホットボタンだという事もよくあります。ホットボタンとは見込み客が反応する言葉であったり、イメージです。

ホットボタンが分かれば、その言葉をセールス現場で沢山使いましょう。先ほどのカーディーらの例では、高級な車を手に入れることで、見込み客の自尊心と性的な満足(モテたい)という裏の欲求を刺激する言葉を使ってセールストークを組み立てます。

このホットボタンを何度も押すことによって見込み客の中で、欲しいという感情が湧きだし、購入意識が高まります。

 

まとめ

高い成果を出し続ける人たちは、このように人間心理を把握し、どうすればお客が心理的に行動しやすくなるのかを熟知しています。

現在、セールス(見込み客と直接話をしている)をしているが、どうしても結果が出ていないという人は、これらの前提条件が出来ていない状態でクロージングをしているのではないでしょうか。

最も注意しないといけないことは売込まないということ。

その売込みを無くすためには、医者のように、こびずに、話を聞き、見込み客の問題を適格にアドバイスをすること。また見込み客と関係を築いてから、見込み客が行動せざるを得ないポイントを把握し、その言葉を使ってセールスを組み立てることで、あなたも高い成果を出すことが出来るようになります。