教育方法
新入社員には出来るだけ早く戦力になってほしい。このように思うのは経営者や上司として当然のこと。しかしどのように育成をしたら戦力になってくれるのか?

大企業であれば集団研修のように社外の機関を利用して社員育成に取り組むことが出来ますが、中小企業においては外部機関を使うのではなくOJTが一般的だと思います。

OJTとはOn the Job Trainingの略で新人に実務を経験させながら育成をしていくというものです。実務をしながらなので仕事をすぐに覚えてくれそうというメリットや期待もありますが、一方でデメリットもあります。

OJTの問題点

OJT 問題点

タイでなくても、日本の企業でも新人営業マンに対してOJTで教育をする事が多いです。OJTで先輩営業マンと常に同行し 仕事の流れや実務などを、実際の仕事を通して新人営業マンに教育します。

しかし、OJTには問題があります。それは「基準」がない事。先輩営業マンのパフォーマンスが後輩営業マンのパフォーマンスに大きく影響します。なのでOJTをするのはトップ営業マンとすべきなのですが、基本的にトップ営業マンは常に忙しい。そうなると企業は教育担当者にそこそこ忙しくない普通の営業マンを教育担当者としてつけがちになります。

OJTのデメリット

そしてOJT後はある程度はフォローしながらも新人営業マンの勝手にやらせる。その新人営業マンは普通の営業マンから仕事の取り方や実務方法を学んだので、それを基準として営業活動をしてしまいます。そうすると出て来る結果は普通の結果

もしその新人営業マンが意識高い系で、自ら休日に営業結果を高めるセミナーなどに参加するような人物であれば、その人の出す営業結果は伸びる可能性があります。しかし、多くの場合においてそのような意識高い系の営業マンは小さな会社には来ません。

ではどうすれば良いのか?

OJTで絶対必要なマニュアル作り

タイに限らず、日本の企業であってもしっかりした営業マニュアルを作っているところは多くありません。大体が上述したOJTでのトレーニング。

しかしOJTであってもマニュアルを作る事でこのようなメリットが生まれて来ます。

1 組織に営業の基準が出来る

教える基準

基準があるのとないのでは、結果に大きく影響します。営業結果や営業方法が良い・悪いというのは、ベースとなる基準があって判断するもの。多くの場合はこの基準がありません。あったとしても毎月の売上がこれくらい必要というくらいの基準です。

そして、その基準はトップ営業マンのものとします。トップ営業マンはもちろんガムシャラに仕事の量をこなしている事も多いのですが、それ以外にも人を納得させるだけのセールストークがあったり、問題解決時の対応方法が他の人たちよりも優れている場合が多いのです。

そのトップ営業マンを会社の基準として、それをベースにマニュアルを作り、新人営業マンを教育する。そうすると行動指針が出来るわけです。新人営業マンに好き勝手をさせるのではなく、トップ営業マンならこうするという情報を伝える事が出来ます。

2 普通の営業マンは何を・どのようにして良いか分からない

何していいか分からない

OJTでは仕事をしながら教育します。しかし、その場合 仕事の全体像をしっかりと説明してくれない先輩営業マンが教育担当についたら、間違いなく新人営業マンは仕事を点でしか見れなくなります。OJTでは仕事の流れも大体が口頭で説明され、新人営業マンがメモをとって覚えるという感じですよね。

しかし、マニュアルがあれば図や絵を使って視覚的にも全体像を伝える事が出来ます。全体像を理解した上で、要所要所で何をしたら良いかというのを教育する。

営業マンが仕事をサボるのは個人のモチベーションの問題というより、何をどのようにしたら良いか分からないと言うところがあります。タイの場合は特に。何をどのようにしたら結果が出るとも分からないので、結果がついてこなかったらそれはその営業マンの問題とされ、モチベーションの低下に繋がります。

3 新人営業マンが学ぶことを限定する事が出来る

業種にもよりますが、新人営業マンが学ぶことは非常に多い。先輩営業マンは何年もかかって覚えた事を数ヶ月で理解するようにとプレッシャーをかけられる場面は少なくありません。

そもそも、業界の中で覚える事も多いし、何を覚えたら良いのかもOJTでは都度都度 教えられます。取りあえず3の段を覚えさせられてから、九九について説明されるようなものです。

初期マニュアルを準備していれば、最低限 新人営業マンが覚える事を限定して伝える事が出来ますし、何を覚えなければいけないかをリストアップしておく事で、新人営業マンがインターネットなどを使って自ら学ぶ事も出来ます。一度 教えたら何度も説明する手間も省けます。

日本史をいきなり全部 覚えさせる事は困難ですが、戦国時代だけを限定して教育し、それについて自習させるような感じです。

4 フィードバックを定期的に行う

マニュアルを通して教育し、マニュアル通りにできているかを定期的に新人営業マンとフィードバックする時間を取ります。一度教えて、その後 放ったらかしは危険です。営業マンが間違った方向に進んでいないかを確認するためにも管理者は常にフォローする必要があります。

この場合もマニュアルが行動指針となっていますので、間違った方向に進んでいたとしても修正は簡単にできます

マニュアルを作るのは面倒と思っている人へ

マニュアル

多くの中小企業はマニュアルを持っていません。その理由はいちいちマニュアルを作るのは面倒だから。また仕事はやりながら覚えるものだと思っているからではないでしょうか。確かにマニュアルを作ることは面倒です。わかりやすくする為に挿絵や写真、矢印なども入れたりすると時間がかかります。

しかし、OJTでの問題でもご説明したようにマニュアルがないと、新人営業マンは何を学べば良いかわからないから沢山の質問をして来ます。また一回教えた事を一回で覚えられる優秀な営業マンは中小企業に来てくれません。何度もなんども同じ事を教えなければいけない事も多々あります。



人材を育てるのには時間がかかります。放っておいても勝手に仕事をバリバリこなす人材をは非常に稀ですし、コントロール出来ることでもありません。自らコントロール出来るのは人材をしっかりと育成させることが出来るシステムを作ることです

まとめ

これは私の会社でも実際に実行している事です。私のスタッフ達はタイ人です。言葉の壁・文化の違いもあるなか、彼ら達に高いパフォーマンスを出してもらうには「基準」を作らなければいけませんでした。

経営者として営業担当者の個々の力に頼るのではなく、組織に全体のレベルの底上げをする為に仕組み化を重要視して使えるものはなんでも使わなければいけません。