詐欺被害にあいました。マレーシアのJakims Vegetable Oils Sen.bhdというパーム油、ひまわり油、コーン油など油を取り扱う業者です。マレーシアから油を仕入れる時はこの業者からは購入しないようにしましょう。今回はそのやり取りをご紹介します。

海外取引をなめてはいけない

海外取引というと文化の違い、言葉の違いからコミュニケーションの難しさを実感することもあると思います。私は現在バンコクで4年近く仕事をしていますが、今だに「こいつ何を言っているんだ?」と思うことは頻繁にあり、日本とその他の国では全く考え方が違っているのです。

そしてマレーシアは英語が通じる国。タイに比べると言葉が通じやすいのでコミュニケーションがやりやすいと思っていました。だからタイ人スタッフに頼らずとも自分で仕入先・販売先を探すことが出来るというメリットがあります。しかし自分の英語力や海外取引経験を過信していたせいか、久しぶりにとんでもない扱いを受けてしまいました。

詐欺への入り口。サンプル20kgを発注する

弊社では物流業と同時に商社業も営んでおります。その商社業では油に関する取引もあり、日本とタイのお客様からある油の引き合いを受けてマレーシアのサプライヤーをネットで探しました。一番最初にコンタクトをしてきたのが冒頭に紹介しましたJakims Vegetable Oilsです。

価格を確認するとメリットがある価格を提示してきたので、ラボ試験をする為にサンプルを入手する流れになったところで問題が発生して行きます。

聞き慣れない書類要求をされて信じてしまう

これはマレーシアの油業界を経験して感じたことなのですが、この業界では共通した商習慣があるようです。これが結構 面倒臭いというか、ちゃんとしているというか。

価格やスペックを聞くのにLOI(Letter of Intent)という購入意図を示す書類を発行しないといけなくて、その後に業者がFCO(Full Corporate Offer)という書類をわざわざ発行します。

また訪問すると言ったらInvitation Letterを発行すると言ってパスポートのコピーを依頼されます。これらは被害にあった後にも別の業者に取引を依頼した時に全部が同じことを要求してきましたね。

LOIを発行しろなんて言われたことがなかったので、「ちゃんとしてるんだな」と思い何となくこの業者のことを信じてしまったのです。

送金後に意味不明なメールが突然送られてくる

そしてJakims Vegetable OilsにPI(Profoma Invoice)を発行させ、弊社がPO(Purchase Order)を発行し、送金しました。

送金金額はUSD299。サンプル代と航空運賃も含めた価格だという。確かにDHLなどのクーリエサービスを使って20kgくらいの重量のものをDoor to Doorで送るとこれくらいするだろうと思います。ここまでは納得。でもここからが意味不明な要求、言い訳の連発です。

送金して翌日に送られてきたメール

※クリックすると画像が拡大されます。
意味不明なメール
ざっくり説明しますと

詐欺業者詐欺業者

20kgのサンプルを送ろうとしたがマレーシアの新しい法律によって通関で止められてしまった。この新しい法律によると最低輸出ボリュームは2トンだとのこと。もし2トン以下を送ってしまうと違反業者としてUSD10,000の罰金と6ヶ月の操業停止を食らってしまう。だから2トンを海上輸送で送るので追加分のUSD420を送金しろ。

待て待て待て。サンプルのラボ試験に必要な量は5kgで十分だし2トンもいらん。ってかサンプルがラボ試験を通らなかったら残りの2トン近くの油はどうするの?ってか、法律による最低出荷量が2トンというのはあり得ないだろう?

送金した分のサンプル20kgを入手すべく交渉を開始

第一の手段:訪問してハンドキャリーして持って帰る

この業者が見つかってサンプル購入を進め、さらにビジネスを進める為にお客さんと工場訪問を準備しました。サンプル試験には20kgも要りません。10kgで良いから工場した時にハンドキャリーで持って帰ることを提案しました。クーリエ費用がかからない分、サンプルを安く持って帰ることが出来ますので。

そしたら・・・

飯野飯野

工場訪問した時にハンドキャリーで持って帰るよ


詐欺業者詐欺業者

2トンはもうパッキングしてしまった。ワーカー達のストレスはどうするんだ?


※相手の英語がちょっと意味不明ですがこんな感じの意味だと思います。



ストレス?新しい法律で輸出できないのと違うんか?ワーカーのストレスも仕事と関係ないがな!?意味不明なことを言うなと思いながら交渉を続けます。

第二の手段:自社の物流サービスを使うから

このマレー人曰く、自社のクーリエサービスを使ったら「通関が通らない」というのが問題なので、別の物流業者・通関業者を使えばいい。弊社は物流業もやっているのでマレーシアに代理店があります。その代理店にサンプルをピックアップしてもらって通関手配をすればいいだけの話。

「嘘つくな!」といっても、嘘をついていないと絶対に言ってくるので、「通関上の問題って結構あるのは理解できるよ。だからうちで物流を手配するよ」っとSkypeでチャットを送ったら・・・

飯野飯野

うちの物流を使ったら通関通るかもよ。こっちで物流の手配するからサンプルを渡してくれるだけでいいよ。


詐欺業者詐欺業者

経営陣がダメだと言ってる。お前らがすることは今すぐに追加分の支払いをすることだ。支払ったら2トンを送ってやる



意味が分からない。20kgのPIに対してPOを発行したので契約は20kgで合意が出来ているんです。なのに新しい法律だからといって2トンをゴリ押ししてくる。何言ってんの?

第三の手段:意味不明メールは無かったことにして、次があることを期待させる

ここで感情的になり怒っても話が進まないので、今までの話を完全に無視して「とりあえず20kg送って欲しい。サンプルテストがパスすれば22トンを購入するから。」と伝えました。

そしたら・・・

飯野飯野

とりあえず20kg送ってよ。ラボテストをパスしたら22トン(1コンテナ分)買うから。


詐欺業者詐欺業者

CEOがとにかく金を払えと言っている。金を払ったら2トンを送ってやる。



全く譲る気がない。ある意味凄いな。感覚的にはインド人と交渉している感じです。このIdrisという男とSkypeで会話もしましたがマレー訛りの英語。華僑でなくオリジナルのマレー人な感じです。

別のビジネスでオリジナルのマレー人とやり取りもしているけれども、彼は本当に良い対応をしてくれます。人種は関係なく人によるってことですね。インド人や中国人でも楽に交渉出来る人はいますので。

第四の手段:出来ないことのウラを取る

次の手は、20kgの輸送が止められた時にマレーシア政府からOfficial Letterが発行されているとメールには記載されていました。だったらそのOfficial Letterをまず見せてくれと言いました。

そしたら・・・

飯野飯野

じゃあ、そのマレーシア政府が発行したレター見せてみろよ。


詐欺業者詐欺業者

CEOがお前らにはそのLetterを見る権利はないと言っている。





話にならん。

これ以上の話し合いは時間と労力の無駄。当初この業者の工場を訪問する予定でしたが、訪問をキャンセルしました。場所がコタ・キナバルというクアラルンプールから離れた島にあるので、そこまでの航空券がパーです。AirAsiaで取っちゃったから。AirAsiaはチケットのキャンセル出来ないんですよね。

無理にこの工場に乗り込んで話を進めても危険です。万が一ですが殺される可能性もあるし。

第五の手段:事実を公開して返金させる

たかだかUSD299を返金させるのに弁護士を使うのも時間と金が無駄なので、今回 私があった被害をネットで公開しようと思いました。この記事をSNSでシェアする前に返金が出来ればそれはそれでOKです。返金さえしてもらえれば業者名だけを伏せてこの記事は残す予定ですが。

英語にも翻訳してより多くの人に見てもらい、この業者に返金を迫る予定です。

飯野飯野

取り敢えず返金して。1週間以内に返金してくれたらこの記事はSNSでシェアしないよ。もし記事が拡散して世界中のサーバーに残ったらこっちで消せないから。そうなったらこの事実がウェブ上にずっと残り続けるからね。


詐欺業者詐欺業者

・・・

まとめ

東南アジアではまだまだこんなことがあるんだなと良い勉強になりました。インターネットが発達し言葉の壁もだんだんと低くなってきた現代。

購入者が海外のメーカーに直接やりとりがしやすくなってきた時代です。だから商社の役割というのはだんだんとなくなって行くのかなと思っていましたが、こんなことが発生するとまだまだ商社の必要性はあるのかなと思います。